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インドで禁止対象の中国アプリが追加、ライブストリーミングで実名登録義務化など——中国テックシーン・アップデート

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今週、インドは Alibaba(阿里巴巴)など43の中国アプリをブラックリストに追加した。中国のオンライン小売業者 JD.com(京東)は関連会社の上場を目指しているが、物流とヘルスケアの子会社が上場を準備していることから、実現に一歩ずつ近づいている。中国のメディア規制当局は、ライブストリーム業界に対する規制を強化た。Tencent(騰訊)が出資するオンライン求人プラットフォームが、求人情報の審査…

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今週、インドは Alibaba(阿里巴巴)など43の中国アプリをブラックリストに追加した。中国のオンライン小売業者 JD.com(京東)は関連会社の上場を目指しているが、物流とヘルスケアの子会社が上場を準備していることから、実現に一歩ずつ近づいている。中国のメディア規制当局は、ライブストリーム業界に対する規制を強化た。Tencent(騰訊)が出資するオンライン求人プラットフォームが、求人情報の審査を怠っていたとして再び非難を浴びた。

中国の EC および小売市場では、商品、選択肢、ビジネスモデル、急速に変化するコンテンツなどが消防車のように飛び交っている。本稿では、11月19日から25日までの一週間、中国のオンライン小売市場について知っておくべきことを紹介する。

インドが中国禁止令を拡大

  • 国境の緊張は、より広範な技術戦争にエスカレートしている——インドは24日、新たに43の中国のアプリをブロックした。過去ぶんを含めると、合計で禁止されたアプリは200 以上だ。Alibaba のグローバルマーケットプレイス「Aliexpress(全球速売通)」、ライブ配信プラットフォームである「Taobao Live(淘宝直播)」のほか、出会い系やゲームプラットフォーム複数がブラックリストに追加され、すでに禁止されている「Wechat(微信)」、「Tiktok(抖音)」、「Weibo(微博)」、「Alipay(支付宝)」など中国最大のアプリを含む長いリストに加わった。中国アプリを対象とした以前の禁止措置と同様に、インド政府はこの動きの理由として国家安全保障を挙げている。ブルームバーグ

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IPO と買収

  • 中国のオンライン小売業者 JD.com の物流部門である JD Logistics(京東物流)は、IPO で50億米ドルの資金調達を目指しており、これにより同社の評価額は400億米ドルになる計算だ。この評価額は、2019年後半に報じられた同社の評価額300億米ドルよりもはるかに高い。IFR の報道で引用された関係者の話によると、IPO は2021年に実施される可能性があり、JD は上場に向けて香港かアメリカのどちらかを選択するという。JD Logistics の CEO Zhenhui Wang(王振輝)氏が8月に書いた社内書簡によると、JD Logistics は約750の倉庫を運営しており、その総床面積は1800万平方メートルを超えているという。IFR
  • JD.com のヘルスケア部門 JD Health(京東健康)は、今年最大の香港上場で40億米ドルの資金調達を目指しており、同社の評価額は290億ドルになる可能性があるという。IPO は12月8日に予定されていると地元メディアが報じた。香港のメディアによると、この取引には、Hillhouse Capital(高瓴資本)、シンガポールの政府系ファンド GIC、複数の長期ファンドなどの有力投資家が参加するという。ロイター
  • 中国のオンライン化粧品ブランド「Perfect Diary(完美日記)」を所有する Yatsen Holding(逸仙控股)は19日、ニューヨークで上場し6億1700万米ドルの資金を調達し、5,900万株の米国預託株式(ADR)を1株につき10.5ドルで売却した。創業4年目の同社は、調達した資金を会社の運営、戦略的な投資と買収、製品と技術の開発、オフラインでの拡大に使うという。新京報
  • 中国最大のゲイの出会い系アプリ「Blued」の親会社で NASDAQ に上場する Bluecity(藍城兄弟) は、地元競合の Finka(翻咔)を2億4,000万人民元(約38.1億円)で完全買収した。この買収より3ヶ月前、Bluecity は中国のレズビアンソーシャルネットワーキングアプリ「Lesdo(楽Do)」を買収しているBluecity

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ライブストリーミングで実名登録義務化

  • 国家新聞出版広電総局は23日、中国の繁栄するライブストリーム市場の制御を強化するため、ホストや視聴者に実名に使用を求める新規則を施行した。この規則はまた、ティーネイジャーのバーチャルギフト送付も禁止した。ティーネイジャーがライブストリーミングのホストにチップを送り、親を破産させる事案が相次いだのを受けてのものだ。この動きは、Kuaishou(快手)、Huya(虎牙)、Douyin(抖音)、YY Live(YY 直播)などの収益に大きな影響を与える可能性がある。日経
  • 空売りを専門とするアメリカの Muddy Waters は、18日に発表した71ページに及ぶ報告書の中で、中国特化のプラットフォーム「YY Live」のライブストリームからの収益は「約90%が詐欺である」と述べた。 この報告書では、同社の国際的なライブ配信プラットフォームである「Bibo」も数字を膨らませている可能性があるとしている。この報告書は、Baidu(百度)が YY Live の買収計画を発表した直後に公開された。Muddy Waters

チャイナテックのダークサイド

  • Tencent が運営するオンライン求人アプリ「Boss Zhipin(BOSS 直聘)」は今週、地元メディアが「雇用主が売春婦を募集するためにプラットフォームを利用している」と報じたことで世間の反感を買った。同社はこの主張を否定し、求人情報を管理し、機密性の高い言葉が検出されるとアカウントをブロックするための厳格なルールを設けていると述べている。同社は2017年、ねずみ講が関与する求人の審査を怠ったことで批判され、21歳の大学卒業者の死亡事故につながったと報じられている新京報
  • 先週公開された内部発表によると、数百万人民元の不適切な支払いを受けたとして告発されたのを受け、9月に Cainiao Logistics(菜鳥網絡)の元副社長 Shi Miao 氏が逮捕された。2016年に Cainiao(菜鳥)で働き始めた Shi 氏は、6月にCainiaoでの役割を辞任した。晩点

【via TechNode】 @technodechina

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中国のソーシャルEC「Pinduoduo(拼多多)」、コンバーチブルノートで61億米ドル調達へ

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中国の EC プラットフォーム「Pinduoduo(拼多多)」は、転換社債の募集と株式による最大61億米ドルの資金調達を計画している。 重要視すべき理由:今年第3四半期(7月〜9月)に報告された同社史上初の単期黒字転換を受け投資家からの信頼感が高まる中で、Pinduoduo は、資金調達を検討している。急成長中の Pinduoduo は、新しいビジネスチャネルに資金を供給し、経費の増加をカバーする…

Image credit: Pinduoduo(拼多多)

中国の EC プラットフォーム「Pinduoduo(拼多多)」は、転換社債の募集と株式による最大61億米ドルの資金調達を計画している。

重要視すべき理由:今年第3四半期(7月〜9月)に報告された同社史上初の単期黒字転換を受け投資家からの信頼感が高まる中で、Pinduoduo は、資金調達を検討している。急成長中の Pinduoduo は、新しいビジネスチャネルに資金を供給し、経費の増加をカバーする計画だ。

  • 好調な第3四半期の結果により、Pinduoduo の株価は11月12日に20%超上昇した。

詳細情報:同社は、2025年を期限とする17.5億米ドルの転換可能なシニアノート(シニア債)と、1株あたり125ドルの米国預託証券(ADS)を2,870万株供給する。また、グリーンシューオプション(引受証券会社が株式を取得することができる権利)として、2億5,000万米ドルの社債と430万株のADSが用意されており、総額で61億米ドルの募集となる可能性がある。Pinduoduo によると、今回の募集には応募が殺到したという。

  • 同社は25日の声明で、「調達 した資金じはバランスシートの強化、インフラへの戦略的投資、事業運営の拡大、将来の買収、パートナーシップへの参入を行うために使用される」と述べている。
  • Pinduoduo の経営陣は先週開かれた決算説明会で、同社が注力している2つのポイントとして、「消費者をメーカーに直接つなぐ」ビジネスモデルのもと、プラットフォームが事業者やメーカーを支援する「ニューブランド」の取り組みと、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン後に動き出した青果物や食料品のピックアップサービスを挙げた。

新型コロナウイルス感染拡大の結果として消費者の習慣に大規模な変化が起きており、さまざまな分野でデジタルトランスフォーメーションを加速させている。我々は資本と資源を投入してプラットフォームを改善し、重要な機会を獲得するためのインフラを構築する準備ができている。(Pinduoduo CEO Lei Chen=陳磊氏)

背景:Pinduoduo は IPO 前にすでに18億米ドル近くの資金を得ており、2018年に16億米ドルの NASDAQ デビューを果たした後も積極的な資金調達を続けている。

【via TechNode】 @technodechina

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中国「独身の日」セール、11月11日単体でのEC各社売上高合計は5.3兆円超と昨年比2割減

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Alibaba(阿里巴巴)や JD.com(京東)など中国の EC 大手各社は、11日の深夜に終了した11日間のショッピングフェスティバル「独身の日(光棍節)」の新しい記録的売上高を発表した。 重要視すべき理由:独身の日は通常24時間のイベントであるが、数週間に及ぶショッピングフェスティバルへと進化した。このプロモーションの普及で評価の高い Alibaba は、今年は11月1日から11日まで、2つ…

今年の「独身の日」の Alibaba(阿里巴巴)売上は、4,982億人民元(約7.9兆円)に達した。
Image credit: (阿里巴巴)

Alibaba(阿里巴巴)や JD.com(京東)など中国の EC 大手各社は、11日の深夜に終了した11日間のショッピングフェスティバル「独身の日(光棍節)」の新しい記録的売上高を発表した。

重要視すべき理由:独身の日は通常24時間のイベントであるが、数週間に及ぶショッピングフェスティバルへと進化した。このプロモーションの普及で評価の高い Alibaba は、今年は11月1日から11日まで、2つのショッピングウィンドウを作ることでイベントを拡張した。

  • 独身の日は世界最大の販売イベントであり、中国経済の健全性を示す非公式の指標と考えられている。
  • 2つのチェックアウト期間を設けたことで、例年のように実際の11月11日に記録された流通取引総額(GMV)は、このプロモーションのすべての売上を合計したものではない。

詳細情報:Alibaba によると、11月1日から11月11日までの独身の日プロモーション期間中の GMV は4,982億人民元(約7.9兆円)を計上し、2019年の同期間と比較して26%増加したという。

  • この11日間の数字を常時公開している JD.com は、同期間の GMV が2,715億人民元(約4.3兆円)を記録し、今年の前年比(2019年→2020年)は33%増となった。昨年の GMV は2,044億人民元(約3.2兆円)で、前年比(2019年→2020年)28%増だった。
  • 中国のデータサービス会社 Syntun(星図数据)のデータによると、11月11日単体の中国の EC プラットフォーム全体(22社)の EC 売上高は、昨年の4,101億人民元(約6.5兆円)から3,328.7億人民元(約5.3兆円)に減少した。この数字には、11日間の全 EC プラットフォームの総売上高は含まれていない。
  • Alibaba はショッピング期間を11日間に延長し、消費者がより多くの情報を閲覧したり、お得な情報を手に入れたりできるようにする一方で、物流インフラへの圧力を緩和し、より良いショッピング体験を提供できるようにしたと、Alibaba CEO の Daniel Zhang(張勇)氏は11月5日に開催された9月四半期の決算会見で述べた。
  • Alibaba は11月1日から3日までの最初のチェックアウトウィンドウで売上を分割していたにもかかわらず、今年も独身の日の最大手であり続け、EC 各社の総売上高の中で59%を占めた。昨年は66%だった。JD.com は売上高の26%を占め、昨年は17%だったが、Pinduoduo(拼多多)のシェアは6%と横ばいで、Suning(蘇寧)は前年の5%から3%へとわずかに減少した。
  • 国家郵政局のデータによると、中国の宅配業者は11日間の時間帯に39億個の小包を処理した。11月11日には6億7,500万個以上の小包が処理され、前年比26%増となった。11月11日から16日までのイベント終了後の期間の小包数は、昨年比28%増の29億個となり、1日平均の2倍になると予想されている。
  • ブランド各社は引き続き、新製品のプロモーションにショッピングイベントを活用している。Syntun のデータによると、11月11日に販売された在庫保管単位(SKU)3,100万個のうち6.4%が新製品で、昨年の5.4%から増加した。
  • 家電、スマートフォン、アパレル、化粧品が上位を占めた。

強化された監視体制:今回のイベントでは、強制的な独占や価格差別などの反競争的行為を抑制すべく、当局がインターネット企業に対する規制を強化した

  • この新しい規則は、中国のテック企業に重くのしかかっている。ニューヨーク証取での Alibaba の株価は、規則案が北京時間の10日に発表されて以来、11日に約9%下げて引けた。JD.com の株価は、同期間中に2%超下げた.
  • 政府の監視に加えて、Alibaba はフィンテック関連会社 Ant Group(螞蟻集団)の IPO 中止の影響を受けている。

背景:2009年に Alibaba が初めた独身の日は、中国最大の全国ショッピングプロモーションデーとなっている。

  • 中国は今年の独身の日の前から、国全体でアフターコロナの国内消費を促進することに焦点を当てている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

トップインフルエンサーが神格化しつつある中国EC界——「独身の日」がもたらす光と影

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「今年の独身の日の新しい動きや戦術は何か?」 事業者や EC プラットフォームに質問すると、寄せられた回答の半分以上が「ライブコマース」になると思う。 巨額の特典に魅了され誰もがそれに群がり、11月11日を待たずにピークを迎えた。企業データによると、2019年のライブコマースの新規登録数は681件、2020年のライブコマースの新規登録数(10月時点)は2,364件に達し、過去10年間のライブコマー…

今年の「独身の日」の Alibaba(阿里巴巴)売上は、4,982億人民元(約7.9兆円)に達した。
Image credit: (阿里巴巴)

「今年の独身の日の新しい動きや戦術は何か?」

事業者や EC プラットフォームに質問すると、寄せられた回答の半分以上が「ライブコマース」になると思う。

巨額の特典に魅了され誰もがそれに群がり、11月11日を待たずにピークを迎えた。企業データによると、2019年のライブコマースの新規登録数は681件、2020年のライブコマースの新規登録数(10月時点)は2,364件に達し、過去10年間のライブコマースの総登録数を上回った。

誰もがこの人的に作られた「ダブルイレブン」の買い物騒ぎ、生配信のごちそうを見逃すわけにはいかない。ダブルイレブンのライバー達のスタートは思っていたより早かった。トップライバーともなればなおさらだ。Taobao Live(淘宝直播)」で3,300万人のフォロワーを持つ「口紅王」こと Li Jiaqi(李佳琦)氏は10月11日から生配信を始め、すべての女性の財布に何度も何度も底を突かせるかのごとく、1日おきに一つの商品を前宣伝・プレセールを展開し売り切れを続出させ続けた。

ライブ配信データプラットフォーム 「Zhigua(知瓜数据)」の統計によると、独身の日のプレセールが始まった10月21日だけで、トップライバー Wei Ya(薇姫)氏の総売上高は53.2億人民元(約846億円)、Li Jiaqi 氏は 38.7億人民元(約615億円)に達した。しかし、ライブコマース業界は一線を画しており、それは誰もが知っていることだ。 ダブルイレブンの戦場では、業界発展の偏りが顕著になりつつある。

Taobao 系のライバーである Li Jiaqi 氏と Wei Ya 氏を筆頭に繰り返し販売記録を破られ、他の EC プラットフォームはそれを止めることができず好成績を明け渡すこととなった。JD Live(京東直播)は、11月1日0時0分10秒に受注額1億人民元(約15.9億円)を突破、Suning(蘇寧)のさまざまなライブコマースは大小あわせて5万回を超え、11月8日には百億人民元相当の特典を用意し、ディスカウントとセレブリティが紹介するダブル効果で、スマートスピーカー「Xiaodu(小度)」の1日の売上を前年比4倍に押し上げた。ライバーから事業者、プラットフォームからユーザ、その誰もがダブルイレブンを使って消費者をエンゲージし魅了する方法を変えつつある。

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トップライバーは神様

Taobao Live(淘宝直播)」で3,300万人のフォロワーを持つ「口紅王」こと Li Jiaqi(李佳琦)氏

今回のダブルイレブンは1ヶ月前から始まったといえ、Li Jiaqi 氏と Wei Ya 氏の生配信の頻度・長さは大幅に増えたが、企業の需要にはまだまだ足りない。

「ダブルイレブンを逃したら下半期が終わってしまう」と言うブランド運営者は、15万人民元の予算を持ってトップライバーに相談に行ったが、トップライバーのダブルイレブンの配信は2ヶ月前に交渉が始まっていて、料金は通常の2~3倍にまで跳ね上がっていたことを知らされたと言う。

ライブコマースの頂点に君臨するトップライバーは、熱烈なファン層とプラットフォームのトラフィックをサポートしているが、より重要なのは、巨大な売上高を作ることだ。 この現状から、頂点を極めたライバーは経済界の「信仰」にまでなっていて、それは権威の証明を得ることに相当し、さらには製品にとって「生涯のセールスポイント」になっている。

ダブルイレブンは、トップライバーの魅力をより一層際立たせている。 ダブルイレブンの参加基準を満たした店舗を見逃す人は少なく、最前線の生配信は話題のプロモーションチャンネルとなっている。 複雑なクーポンや100%割引ルールに比べ、多くの消費者がライブコマースでは低価格で販売されていると考えている。「〝アタマ〟に入るか入らないか」を、ダブルイレブンでは多くの企業が選択するようになった。

中堅どころのライバーやセレブリティは、比較的バツが悪いことになっている。頻繁にニュースやライブの告知をするため、彼らの信頼が急落してしまったのだ。複数の記者によると、Taobao の多くの中堅どころのライバーは、Li Jiaqi 氏と Wei Ya 氏と協業する事業者に連絡し商品を売りたいと掛け合ったが、その結果の多くは事業者から拒絶されている。

この背後には、Taobao ライバーの深刻な欠点がある。Wei Ya の会社に所属する Lin Yilun(林依輪)氏や Haiqing(海清)氏の名前があっても、商品を持ってくる力があるとは言えないのだ。仮にが数十万人民元の商品を持ってこれるライバーが多くいたとしても、Wei Ya 氏や Li Jiaqi 氏のオーラの下で他の Taobao ライバーが Tmall(天猫)上で数百万人民元を持ってこれるからだ。

Taobao Live は中小のライバーにリソースを開放して成長させることを重視してきたが、Wei Ya 氏や Li Jiaqi 氏以外の新しいライバーがなかなか育たないのが現状だ。 Alibaba もこの問題には気付いていて、今年は事業者に自らライブ配信することを推奨している。強制ではないものの、Taobao 上でのさまざまなマーケティング活動に事業者が参加している以上、ライブ配信をやらないわけにはいかない。代わりに事業者自らのライブ配信が増えたことで、Taobao のライブトラフィックの希少性が高まった。

中堅どころのライバーが苦境に立たされているだけでなく、中小企業のブランドも「ダブルイレブン混戦」に苦悩している。ライブスタジオの頭に行列ができるということは、高い手数料、限りなく落ち込んだ価格、高額なリベート、そして最終的に手に入れることができるのは、ちょうど勝利の上での売り上げの数字かもしれない。

それにもかかわらず、企業が急に退くことができないトレンドの潮目の中で、ライブコマースは続けざるを得ない道と言える。

砲撃戦と隠密戦、それぞれが街を守る

今年6月に6,000店を突破した、Suning(蘇寧)の EC ブランド「蘇寧易購」のリアル店舗
Image credit: Suning(蘇寧)

突然撤退することができない大手 EC プラットフォームもライブコマースをやるのか? 答えはイエスだ。

中国2位の EC プラットフォーム「JD(京東)」は今年、ライブコマースをグループ全体の戦略的事業と位置づけるための努力を惜しまなかった。 今日 Taobao(淘宝)と Kuaishou(快手)が業界を二分して支配する中、JD Live は差別化のためにエンターテイメント路線を取り、ライブ配信をマーケティング施策と位置づけて事業者を後押ししている。

JD によると、2021年にはライブ配信は事業者の自己配信によるものが増し、より多くの自前ユーザを集め、ライブ配信が事業者の営業の日課となり、革新的でより多くのマーケティングシナリオに基づいて、プラットフォームのコンテンツマーケティング力を高めるだろう。JD のライブコマースに対する公式の立場は、「グループ全体の戦略的事業で長期的事業であり、グループの位置付けや価値は当面変わらないだろう」としている。

また、積極的な戦いに挑む Suning は、618(Alibaba に対抗し、JD が設定した6月18日のセール日)のナイトパーティーとダブルイレブンライブパーティーで、OMO(Online merges with Offline)に焦点を当てている、トラフィック達成、確実な顧客獲得、効率的なコンバージョンのために、大規模パーティーのインタラクティブな雰囲気の中、商品マトリックス毎に最適化されたライブ配信がなされる。

新進気鋭の Pinduoduo(拼多多)は絶好調ではないが、11月8日にライブコマースで数百億人民元の特典に加え、割引とセレブリティ紹介のダブル効果で、スマートスピーカー Xiaodu の1日の売上高を前年比4倍にまで引き上げた。この強さは過小評価されるべきではない。煙が出て、戦いが再燃した。声の大きさ、発言権、ユーザの心の攻防を狙う巨人同士の戦いがまもなく封切られる。

EC プラットフォームのライブ配信合戦の話をするなら、注目度が高く、徐々にスケールアップしてきた Kuaishou と Douyin(抖音)のことを取り上げなくてはならない。彼らは多くのファンと短編動画を集め、ライブ配信業界で熾烈な争いを続けてきた。

しかし、Douyin のライブコマースが開始されて以来、同社は競合は Kuaishou ではなく Taobao をターゲットに捉えているようだ。特に Douyin が10月9日にサードーパーティサービスへの外部リンクの禁止を発表した後、Taobao と Douyin の関係は悪い方向に急転し、多くの売り手が Kuaishou を離れてライブ配信することにつながった。今年の各社の売上高は、Kuaishou EC が2,500億人民元(約4兆円)、Douyin EC が2,000億人民元(約3.2兆円)に対し、Taobao Live が4,500億人民元(約7.2兆円)。Taobao Live の売上は Kuaishou と Douyin の合計額に相当する。

業界関係者によると、ライブコマースの「ボーナス期間」はまだまだ終わらない。EC はまだ成長段階にあり、どのプラットフォームも成長スペースをつかみ、ユーザの習慣を鍛えているという。 Taobao、JD、Douyin、Kuaishou などのプラットフォームは、それそれ独自のスタイルを持っている、それぞれに異なる層の視聴者グループがあり、重要なのはケーキを切るときと同じくユーザを配分する割合だけだ。ライブ配信業界は今後も、秩序と制度化された方向へと向かっていくだろう。

ライバーであれ、ブランド EC であれ、煙の出ないこの戦争で彼らは街を攻めることに全力を尽くしている。ライブコマース業界には深刻な分裂、資源の偏在、システムの混乱などの問題はあるが、活気に満ちた経済情勢が現れている。最後に、ダブルイレブンではまだ、皆が喜ぶ状況を見ることができる。消費者は受け取る商品のリストを見て満足しているし、トップライバーは大きな収益を上げることができ、ブランドの下半期の業績は低迷しつつも、EC プラットフォームは忙しく成績表を公表している。

【via TechNode】 @technodechina

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中国政府、ネットサービス大手に独禁法の適用範囲を拡大へ

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中国の市場規制当局は10日、既存の独占禁止法の適用範囲外となっていたインターネット企業を対象に、反競争的行為を対象とした新規則を提案した。 変更された点:新規則では、これまで物理的経済のみに適用されていた特定の反トラスト用語の範囲が拡大された。その一例が「相対市場」の定義であり、プレイヤーが市場の50%以上を支配している場合に「支配的地位」を示し、中国の独占禁止法の管轄下になる可能性があるというも…

注文品をピックアップする Meituan(美団)のドライバ
Image credit: TechNode/Coco Gao

中国の市場規制当局は10日、既存の独占禁止法の適用範囲外となっていたインターネット企業を対象に、反競争的行為を対象とした新規則を提案した。

変更された点:新規則では、これまで物理的経済のみに適用されていた特定の反トラスト用語の範囲が拡大された。その一例が「相対市場」の定義であり、プレイヤーが市場の50%以上を支配している場合に「支配的地位」を示し、中国の独占禁止法の管轄下になる可能性があるというものだ。同法は2008年に施行された。

  • 法律専門家は、伝統的産業の企業を規制するために設計された法律であり、ほとんどの場合、中国経済のますます重要なセグメントであるインターネット上で営業する企業には適用されなかったため、長い間この法律を批判してきた
  • 新規則は、市場シェアを決定するパラメータを拡大し、取引量、ユーザベース、ページビューなどのファクターを含むようにした。
  • この規則は、EC 大手 の Alibaba(阿里巴巴)、ソーシャルメディア大手の Tencent(騰訊)、フードデリバリプラットフォームの Meituan(美団)、配車サービスの Didi Chuxing(滴滴出行)など、中国最大のインターネット企業のいくつかに厳しい規制を課すことになる。中国は今月初め、規制の懸念を理由に、フィンテック大手 Ant Group(螞蟻集団)の新規株式公開を停止させた
  • 11月末まで公開審査中の草案では、ネットワーク効果や市場プレーヤーの規模、データを扱う能力などの要素も考慮することを求めている。中国国家市場監督管理総局(SAMR)が1月に発表した独占禁止法の改正草案にも同様の規定が盛り込まれていた。また、SAMR は10日に発表された規則の草案も作成した。
  • ガイドライン案では、事業者に商品を販売するプラットフォームを「2つのうちの1つ」を選択するよう強制する企業は、「反競争的行為に加担している」と見なしている。
  • 顧客の購買力、消費履歴、またはユーザの嗜好に応じて製品やサービスに異なる価格を付けるプラットフォームは、規則案によると、「独占的な行動」である。

テック株が急落:中国テック企業の株価は、10日と11日にガイドラインのニュースを受けて急落した。Alibaba、Tencent、Meituan などの株価は2日間で8%以上急落した。多くの中国テック株が上場している香港の Hang Seng Tech Index(恒生科技指數)は10日、5%超下落した。

  • ブルームバーグは、株価低迷で中国のテック企業の時価総額が2,000億米ドル以上目減りしたと試算した

背景:中国の最高位にある規制当局が1月に独禁法の改正案と10日の規則案を提案する前から、SAMR はすでにインターネット企業の潜在的な独禁法違反を抑制するために取り組んでいた。

  • SAMR は2019年1月、いわゆる中国初の「インターネット独禁法捜査」を、世界三大レコードレーベルと取引した Tencent Music Entertainment(騰訊音楽娯楽)に適用した。Tencent が初期権利取得のため過剰な料金を支払い、競合各社がそのコストの負担を強いられたとの苦情を受けてのものだった。
  • しかし、ブルームバーグによれば、SAMR は1月に調査を中断することにした。規制当局は捜査がどこまで進んだのか、なぜ捜査が打ち切られたのかを明らかにしなかったが、その前の2019年後半には、Tencent Music Entertainment が Tiktok を運営する北京のスタートアップ Bytedance(字節跳動)と音楽ライセンス契約を結んでいる。

【via TechNode】 @technodechina

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中国2位の短編動画アプリ「Kuaishou(快手)」、香港でのIPOを申請

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中国の動画共有アプリ「Kuaishou(快手)」は5日、香港証券取引所に目論見書を提出し、香港での上場に向けた道を切り開いた。 重要視すべき理由:中国のインターネット大手 Tencent(騰訊)が支援する Kuaishou は、世界的にヒットしている Tiktok の中国国内版——Bytedance(字節跳動)のDouyin(抖音)——に続く、中国国内2番目に人気のある短編動画アプリだ。 Kuai…

「Kuaishou(快手)」
Image credit: Kuaishou(快手)

中国の動画共有アプリ「Kuaishou(快手)」は5日、香港証券取引所に目論見書を提出し、香港での上場に向けた道を切り開いた。

重要視すべき理由:中国のインターネット大手 Tencent(騰訊)が支援する Kuaishou は、世界的にヒットしている Tiktok の中国国内版——Bytedance(字節跳動)のDouyin(抖音)——に続く、中国国内2番目に人気のある短編動画アプリだ。

  • Kuaishou はまた、飽和状態にある短編動画市場で、新規参入者や NASDAQ 上場の「bilibili(嗶哩嗶哩)」など従来からのエンターテイメント企業との激しい競争に直面している。Kuaishou は、中国の下級都市や農村部に住むユーザに人気があることで知られている。
  • 中国のオンラインエンターテイメント業界は厳しく規制されている。Kuaishou は5日に香港の取引所に提出された目論見書で、コンテンツの節度に関する中国の法律や規制を遵守しなかった場合、「事業を運営するために必要なライセンスを失い、風評被害を受ける可能性がある」と述べている。

目論見書:香港証券取引所に提出された目論見書の草稿には、募集の時期や規模は明記されていなかった。しかし、この目論見書は、同社の主要な財務情報が初めて開示されたものだった。

  • 目論見書によると、上半期6ヶ月間の売上高は前年同期比48.3%増の253億人民元(約4,000億円)。
    同社は2019年に391億人民元(約6,200億円)、2018年に203億人民元(約3,200億円)を収益計上している。
  • Kuaishou は2017年から2019年まで年間調整純利益を記録した。しかし、今年上半期は63億人民元(約998億円)の調整純損失を計上した。

黒字化までに要する時間は、製品やサービスの提供を効果的に収益化し、費用対効果の高い方法で継続的に収益を成長させることができるかどうかにかかっているが、これは成功しない可能性がある。(目論見書の記述)

  • 目論見書によると、短編動画アプリや Tencent の WeChat Miniprogram(微信小程序)など、Kuaishou のプロダクトは、6月30日時点で DAU(デイリーアクティブユーザ数)が3億200万人に達しており、同社のプラットフォームでユーザ1人平均85分以上を費やしていることになる。
  • ライブストリーミングは Kuaishou の主な収益源だ。同事業は2020年の上半期に173億人民元(約2,740億円)の収益を上げており、同期間の同社の総収益の68.5%を占めている。同社は、ライブストリーミング事業はここ数年で「著しい成長」を遂げたとしているが、ユーザ需要の減少を挙げ、成長が鈍化する可能性があると警告している。
  • Kuaishou の収益構造はここ数年で多様化している。2018年にはライブストリーミングから得た収入が総収入の90%以上を占めた。上半期には、同社の総収入の28.3%をオンラインマーケティングサービスから得ていた。

背景:ロイターは今年9月に、Kuaishou が香港上場で最大50億米ドルの資金調達を目指していると、この件に直接詳しい関係者を引用して報じた。この報道によると、同社は来年1月に上場を予定していた。

2011年に設立された Kuaishou は、中国のテック二強 Tencent と Baidu(百度)の両方から投資を受けている。Kuaishou の共同創業者兼最高経営責任者の Su Hua(宿華)氏は、かつて Google と Baidu に勤務していた。

【via TechNode】 @technodechina

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「独身の日」を前に当局がEC各社に規制強化など——10月後半の中国ニューリテール界を振り返る

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中国のフードデリバリ大手 Meituan(美団)が、中国本土での二次上場を検討している。Alibaba(阿里巴巴)は、中国市場で積極的に拡大しているイギリスのオンライン高級小売 Farfetch に3億米ドルの投資を計画している。「独身の日(光棍節)」は、規制当局が市場の秩序強化に向け踏み込もうとする中、好調なスタートを切った。 中国の EC および小売市場では、商品、選択肢、ビジネスモデル、急速…

注文品をピックアップする Meituan(美団)のドライバ
Image credit: TechNode/Coco Gao

中国のフードデリバリ大手 Meituan(美団)が、中国本土での二次上場を検討している。Alibaba(阿里巴巴)は、中国市場で積極的に拡大しているイギリスのオンライン高級小売 Farfetch に3億米ドルの投資を計画している。「独身の日(光棍節)」は、規制当局が市場の秩序強化に向け踏み込もうとする中、好調なスタートを切った。

中国の EC および小売市場では、商品、選択肢、ビジネスモデル、急速に変化するコンテンツなどが氾濫している。本稿では、10月22日〜11月4日までの中国のオンライン小売市場について知っておくべきことを紹介する。

Meituan(美団)の二次上場

  • 中国のフードデリバリサービスプラットフォーム Meituan が、中国本土市場への二次上場を検討していると、ブルームバーグがこの件に詳しい関係者を引用して報じた。関係者によると、上場は早ければ来年になる可能性があるという。中国メディア「Caixin(財新)」は、同社が CITIC 証券、華泰証券、華京証券など複数の証券会社と予備的な協議を行っていると報じた。Caixin の情報筋によると、Meituan は上海証取のテック株特化市場「STAR Market(科創板)」と深圳の新興企業向け市場「ChiNext(創業板)」のどちらかを検討しているという。この情報筋によると、どちらを選ぶかは上場企業の収益性要件に対する寛大さに左右されるという。(ブルームバーグ)
  • 中国のオンラインファースト化粧品ブランド「Perfect Diary(完美日記)」の親会社 Yatsen Holding(逸仙控股)は30日、ニューヨークでの上場を申請した。創業4年目の同社は、カラー化粧品やスキンケアブランドLittle Ondine(小奥汀)」や「Abby’s Choice(完子心選)」も運営している。3つのブランドを合わせると、2019年には2,340万人の消費者に商品を販売した。(米 SEC への IPO 申請内容から)
  • 中国の短編動画ライブストリーミングアプリ「Kuaishou(快手)」は、早ければ今週中にも香港で上場目論見書を提出する準備をしていると報じられている。Tencent(騰訊)と Alibaba 双方の関連会社が出資参加する見込み。(新京報

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EC の M&A

  • Alibaba は、ロンドンを拠点とする高級品のオンライン小売「Farfetch」に3億米ドル近くを投資するための協議を行っていると報じられている。両社は中国に合弁会社を設立する予定だ。Alibaba の競合である JD.com(京東)と Tencent は共に Farfetch に出資している。(The Information)
  • e コマースのライブ配信で再び台頭した中国のスマートフォンメーカー Smartisun(錘子)の創業者で破産した Luo Yonghao(羅永浩)氏が、同社のライブ配信会社の35%〜51%の株式をケーブルメーカー Sunway(四川明星電纜)に売却することで予備合意に入った。中国の債務ブラックリストに載ったままの Luo 氏は9月、6億人民元以上(約94億円以上)の借金のうち4億人民元(約62.7億円)近くを返還したという。(中国新聞

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「独身の日(光棍節)」に向けた動き

  • 「独身の日」に向けたショッピングフェスティバル初日の11月2日、JD の終日売上高は前年比90%増となった。乳製品、シャンプー、米が売れ筋商品のトップを占め、電化製品ではスマートフォン、洗濯機、テレビがトップ3のベストセラーとなった。(網易新聞
  • 2日の午前0時には、数億人の消費者が Taobao(淘宝)や Tmall(天猫)に殺到し、1,400万点の割引商品を注文したり、チェックアウトしたりした。同社の声明によると、プレセール初日の10月21日、Tmall Global(天猫国際)の総商品量は前年同期比で90%以上増加したという。

規制当局が動く

  • 北京市市場監督管理局や北京市公安局など北京市の5つの市場規制当局は、JD.com、Tmall、Meituan など9つの中国の主要 EC プラットフォームを召喚した。当局はこれらのサイトに対し、 独身の日期間中のさまざまなプロモーションキャンペーンの管理を強化するよう促した。この動きは、虚偽広告、ブラッシング、詐欺のような行為の取締が目的だ。(新京報
  • 中国の銀行・保険規制当局は10月28日に発表した通知の中で、ライブストリームを通じて仮想通貨や外貨などの金融商品を購入する際の潜在的なリスクについて投資家に警告した。ライブストリーム運営者の中には、金融商品を販売する資格を持たない者もおり、詐欺や誤解を招くような行為を行う可能性があるとしている。(新華社

【via TechNode】 @technodechina

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Ant Group(螞蟻集団)の上海・香港ダブルIPO延期、その背景とこれまでの動きを追う

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Ant Group(螞蟻集団)の340億米ドルを調達する上海と香港での上場停止は、親会社 Alibaba Group(阿里巴巴集団)創業者 Jack Ma(馬雲)氏の最近の大胆な発言に加えて、規制当局がリスクに対して寛容ではなくなったことが重なった結果かもしれない。 情報筋が、TechNode(動点科技)に語ったことは次の通りだ。 これまでの出来事 10月25日、Ant Group が大規模なダブ…

Image credit: Ant Group(螞蟻集団)

Ant Group(螞蟻集団)の340億米ドルを調達する上海と香港での上場停止は、親会社 Alibaba Group(阿里巴巴集団)創業者 Jack Ma(馬雲)氏の最近の大胆な発言に加えて、規制当局がリスクに対して寛容ではなくなったことが重なった結果かもしれない。

情報筋が、TechNode(動点科技)に語ったことは次の通りだ。

これまでの出来事

  • 10月25日、Ant Group が大規模なダブル市場 IPO を果たすまで2週間を切っている段階で、Jack Ma 氏は、上海で中国のトップ金融関係者や規制当局者集団に対し、金融業界は過剰に規制されていると語った。
  • 中国には「システムがない」ため、中国には「システミックリスクがない」と述べ、中国で最も知名度の高いテック企業の億万長者は、金融業界のリスクを最小化するために努力してきた規制当局者の集団にそう語った。
  • 中国には「惰性」があり、「革新者は間違いを犯さなければならない」とし、人々が何ができて何ができないかを規制する「文書」が多すぎると Ma 氏は述べた。
  • Ant Group の香港デビューまであと3日となった11月2日、同社会長兼 CEO の Eric Jing(井賢棟)氏は、北京で中国人民銀行、中国証券監督管理委員会、外国為替規制当局との会議に召集された。
  • 同社はこの会議が「規制当局との話し合い」だとしているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。「Ant Group は会議の意見を深く実行することを約束している」と述べた。
  • 同日、中国の保険規制当局は、同社グループの事業の大部分を占めるマイクロファイナンスに関する新たな規則を発表し、担保要件を強化した。ブルームバーグの報道によると、Ant Group の融資事業に対する資本要件が規制強化の焦点となっているという。
  • 新規則では、Ant Group は融資の少なくとも30%を自社のバランスシートから調達することを要求されることになる。Ant Group が現在ローンの2%しか資金調達していないため、このルールが適用されると多くのローンが非準拠となるだろう。
  • 非公開の会議が行われた翌日の11月3日遅く、上海証券取引所は、Ant Group が運営する規制環境に「重大な変化」があったとして、Ant Group の上海証券取引所への上場を突然中止した
  • 同社は、上海証券取引所の発表からわずか数時間後に、規制当局を安心させるため声明を発表した。
  • 同社は「課題を克服」し、「規制を受け入れ、安定したイノベーションを実現する」という原則を掲げ、規制当局による上場に関する更なる決定を待っていると述べている。
  • また、Ant Group は、香港上場の一時停止は、上海の上場停止の直接的な結果であることを明らかにした。

兆候を無視

  • TechNode が話を聞いた専門家によると、上海での Ma 氏の演説は、Ant Group と中国のトップ金融監視機関との間の長い闘争の転機に過ぎなかったという。
  • 中国の規制当局は2017年から金融業界のリスク回避に取り組んでおり、Ant Group はこのキャンペーンの重要なターゲットとなっている。「これは本当に、しばらく前から醸成されていた何かの集大成だ」と、調査会社 Trivium の共同創業者 Andrew Polk 氏 は語った。
  • 金融システムのリスクを軽減することは、貧困の緩和や公害の削減とともに、Xí Jìnpíng(習近平)氏の最優先政策の一つであると Polk 氏は言う。
  • 過去1年間で、融資、支払い、流動性要件など、フィンテック企業への監視を強化することを目的とした数十の新規制が制定されている。
  • 中国人民銀行は、Alipay(支付宝)と Wechat Pay(微信支付)のデジタル決済分野での優位性について、独占禁止法の調査を開始しようとしていると報じられている
  • 中国人民銀行は、Ma 氏の演説の数日前にマンデートを更新し、デジタル決済プロバイダと「重要な金融企業」に特別な言及をするようになった。これまでのマンデートにはなかった文言だ。
  • 「今まで規制を受けてこなかった業界は、これを好まない」と Polk 氏は述べている。
  • Ant Group と Webank(微衆銀行)が比較的緩和された規制環境の中で事実上の銀行へと成長することが許されていることを、伝統的な銀行は好ましく思っていない。彼らは規制当局に対し、フィンテック企業に対する監視を強化するよう働きかけてきたと、ある情報筋は TechNode に語っている。
  • 中国銀行保険監督管理委員会は、Ant Group と協業して融資を行うことを貸金業者に思い止まらせている。Ant Group が、2日に発表された規制案で定めた資本要件を満たしていないからだ。
  • 上場目論見書によると、Ant Group のクレジットテック事業は収益の40%近くをもたらしている。
  • 同時に、中国人民銀行は、デジタル決済分野で伝統的な銀行の競争分野を平準化することを目指して、デジタル人民元に取り組んでいる、と情報筋は TechNode に語った。

派手な振る舞いは命取りに

  • このような環境の中で、規制当局の統制を強化しようとする努力を拒否する Ma 氏の大胆な行動は、ペダルを踏み間違えた。Alibaba 会長のカルト的な性格は、儒教的価値観に傾倒する従来の中国のリーダーシップとは相容れない。
  • 圧力をかけられた場合、中国のテック企業家は、過去の出来事が示すように、敬意を示せば、通常はリーダーに従うことが期待される。
  • 2018年には、Bytedance(字節跳動)CEO の Zhang Yiming(張一鳴)氏は、人気ニュース収集アプリ「Neihan Duanzi(内涵段子)」を規制当局が取り締まった後、「中核的な社会主義的価値観」に逆らったことについて謝罪を発表した。
  • しかし、2日の会議は、明らかに Ant Group の上場停止へと動いた規制当局をなだめることはできなかった。「Ant Group は、しょんぼりして出てきた」と Polk 氏は言う。
  • 専門家は、上場停止が恒久的なものになる可能性は低いとしているが、同社が中国当局との合意に至るまでにどれだけの時間がかかるかは不明だとしている。
  • Ant Group の評価額も、規制当局にとって重要な検討事項となっている。Ant Group は10月30日、投資家が同社の上海上場に2.8兆米ドル相当の注文を出したと発表したが、これは市場投機を抑制を目指す当局を困惑させる行動だ。
  • ここ数週間、中国の仮想通貨取引所の幹部の逮捕が報道されるなど、仮想通貨の幹部に対する取り締まりが展開されてきた。「すべての動きは、リスクを取りたくないという政策に集約される」と Polk 氏は述べた。

【via TechNode】 @technodechina

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中国人民銀行がデジタル人民元法の草案を発表など——10月後半の中国ブロックチェーン界を振り返る

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中国人民銀行は、フィンテック時代に向けて権限を更新する規制案を発表し、同行のデジタル通貨の基礎を構築した。仮想通貨リグメーカーの Ebang(億邦)は、金融サービスへの参入を目指して海外進出を続けている。当局は Tether を使ったマネーロンダリング計画を取り締まり、複数の政府機関がブロックチェーン技術をガバナンスに使うことに意欲的であることを改めて示した。 新法案発表 中国人民銀行は25日、デ…

100人民元札に印刷された、中国人民銀行本行
Image credit: TechNode/Eugene Tang

中国人民銀行は、フィンテック時代に向けて権限を更新する規制案を発表し、同行のデジタル通貨の基礎を構築した。仮想通貨リグメーカーの Ebang(億邦)は、金融サービスへの参入を目指して海外進出を続けている。当局は Tether を使ったマネーロンダリング計画を取り締まり、複数の政府機関がブロックチェーン技術をガバナンスに使うことに意欲的であることを改めて示した。

新法案発表

  • 中国人民銀行は25日、デジタル時代に向けて同行の権限を更新する規制案を発表した。草案は11月23日までパブリックコメントを受けるべく公開される。
  • 草案は簡単な規定によデジタル人民元を合法化する。中国の公式通貨「人民元」はリアルでもデジタルでも存在を認める、というものだ。
  • 新規制についてコメントした国有紙「Global Times(環球時報)」が発表した記事によると、デジタル人民元はまだ向こう2~3年の間は、全国的に展開されることはないとされる。
  • 新規制では、中国人民銀行の管轄範囲には「重要な金融インフラ」と「企業」が含まれており、中国の広大なデジタル部門に対する権限が明記されている。この文言は、2003年に可決された中国人民銀行法の以前の版には存在しなかったくだりだ。
  • 同法では、Alipay(支付宝)や WeChat Pay(微信支付)などノンバンクデジタル決済プロバイダーに特別な言及をしている。

Ebang のグローバルな野望

  • 仮想通貨マイニングリグメーカーの Ebang は、オーストラリアでデジタル資産管理プラットフォームの設立を検討している。同社の声明によると、同社はオーストラリアに子会社を設立し、現地の規制当局にライセンスを申請しているという。
  • Ebang は世界各地で事業を展開している。8月にはシンガポールに子会社を設立し、仮想通貨取引所の設立を目指している。
  • グローバルなデジタル資産プラットフォームを目指し、9月にはカナダに子会社を設立し、10月にはニュージーランドの認可を受けたブローカーとウェルスマネジメント会社を買収した。

ステープルコイン「Tether」関連で取り締まり

  • 中国人民銀行は先週、仮想通貨 Tether に関連した違法行為を取り締まったと発表した。中国人民銀行の Wechat(微信)アカウントに投稿された声明によると、地元当局の協力を得て77人が逮捕され、3つのサイトが閉鎖された。
  • 容疑者は1億2,000万人民元(1,795万ドル)の不正賭博利益を資金洗浄し、違法行為の一部に Tether を使用していた。Tether はステープルコインで、1対1の比率で米ドルにペッグされている。

仮想通貨取引所「Okex」の営業再開

  • 仮想通貨取引所「Okex」は、創業者の一人が警察の捜査対象となったことで10月16日にシャットダウンしたが、その後、営業を一部再開した。
  • 法定通貨→仮想通貨の交換に加え、P2P 取引を再開したと Okex が21日発表した。資金引き出しは一時停止したままだ。

政府がバックアップするブロックチェーン

  • 中国証券監督管理委員会のスポークスパーソンは、ブロックチェーン技術は将来的に債券や株式の登録に利用されるだろうと述べた。(Sina Finance=新浪財経)
  • FISCO BCOS が開発したブロックチェーンベースの健康コード登録システムにより、5月から1,700万人の観光客がマカオと広東省を行き来できるようになったと10月21日に発表した。(Cointelegraph

Filecoin の動向

  • デジタルファイルストレージトークン「Filecoin」は、10月15日のローンチ後、華々しいスタートを切った。中国の仮想通貨マイナーは、遅い報酬システムがマイニングを資本集約的にしすぎていることに気づき、マイニングマシンのプラグを抜いてしまった。Filecoin は、当初の6ヶ月間のペイオフウィンドウよりも早くマイニング報酬がリリースされるようにすることを決定した。
  • Filecoin の価格は先週末に上昇を始め、26日には40ドルの高値を記録した。27日現在、35ドルで取引されている。

【via TechNode】 @technodechina

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「独身の日」を前に宅配業者がスト、東南アジアから参入の配送業者排除の動きなど——中国テックシーン・アップデート

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中国の物流業界にとっては、「光棍節(独身の日)」に向けて業界が盛り上がっている矢先に厄介な一週間となった。全国各地で配送ドライバーのストライキが発生したとの報道があったからだ。Alibaba(阿里巴巴)の支援を受ける Yunda Express(韻達快逓)は、中国市場に急速に進出しつつある東南アジアのライバル企業に対するボイコットに参加した。一方で、Alibaba 傘下の生鮮食品小売 Yiguo(…

Image credit: TechNode/Cassidy McDonald

中国の物流業界にとっては、「光棍節(独身の日)」に向けて業界が盛り上がっている矢先に厄介な一週間となった。全国各地で配送ドライバーのストライキが発生したとの報道があったからだ。Alibaba(阿里巴巴)の支援を受ける Yunda Express(韻達快逓)は、中国市場に急速に進出しつつある東南アジアのライバル企業に対するボイコットに参加した。一方で、Alibaba 傘下の生鮮食品小売 Yiguo(易果)は倒産した。

中国の EC 小売市場は、商品、選択肢、ビジネスモデル、急速に変化するコンテンツなどが氾濫している。本稿では、10月22日〜28日までの一週間に起きた中国のオンライン小売市場について知っておくべきことを紹介する。

独身の日を前に、宅配業者が抗議デモ

中国の物流会社は先週、ソーシャルメディア上で労働争議の報告が広く伝えられる中、配送業者からの反発に直面している。ストライキは、STO Express(申通快逓)、YTO Express(円通速逓)、ZTO Express(中通快逓)、Best Express(百世快逓)、Yunda Express など、国内の主要な宅配業者数社に影響を与えたと報じられている。報道によると、これらの配送業者の社名の2文字目にちなんで「四通一達」と呼ばれている5社の業務は、二級都市や三級都市で大幅に妨げられているという。

中国のマイクロブログプラットフォーム「Weibo(微博)」のハッシュタグ「#快逓罷工#(配達人ストライキ)」は1,300万ビューを記録し、13,000人以上の Weibo ユーザーが議論に参加した。顧客はまた、Douban(豆瓣)や Baidu Tieba(百度貼吧)のような他のソーシャルプラットフォームにも殺到し、小包配達の遅延に対する不満を表明した。

中国の労働 NGO である China Labour Bulletin(中国労工通訊)のストライキマップによると、福建省東部の福州と上海で2回の配送ドライバーのストライキが10月19日に行われた。マップによると、今年は少なくとも25回の宅配便のストライキがあった。労働者は、賃金の引き下げや賃金の遅延に抗議している。

ストライキによってもたらされた不確実性は、EC 業界が11月11日の独身の日のプロモーション前、今年の最も忙しいショッピングシーズンに時期を合わせるように、EC プラットフォームの注文処理能力に対する懸念を提起した。複数の宅配業者はストライキの噂を否定し、地元メディアによると、オフラインの流通センターは「通常通りに営業している」という。(Lieyunwang.com=猪雲

東南アジア参入者へのボイコット

中国の物流会社 Yunda Express は、オフラインのフランチャイズ加盟店のすべてが、東南アジアから新規参入した J&T Express(極兎速逓)に協業することを禁止した。10月19日に公開された声明によると、J&T Express に代わって小包を受け取ることも配送することも禁止されていると、地元メディアが報じた。処理中の注文は、送信者に返却されるか、受信者に受取を要求される。ルールに違反したフランチャイズ加盟店には5,000人民元(約78,000円)以下の罰金が科せられる。YTO Express や STO Express のような地元競合が同様の規則を制定した直後、Yunda Express もその動きに追随した。

中国の物流の広大さを考えると、ほとんどの中国の宅配便会社は、規模の経済を実現するためにフランチャイズベースのモデルで運営されている。フランチャイズ・パートナーシップは、技術的にはフランチャイズ代理店が他の宅配業者と協力することを禁止する独占契約であるが、フランチャイズ加盟店が複数の物流ブランドと同時に協業することは一般的な慣行である。

Yunda は、独占的な運営ルールを再設定することで、3月から中国で積極的に営業展開している J&T Express との競合を防いでいる。J&T Express は補助金を出したり、競合の既存の流通網を活用したりしてシェアを奪い、「Network Squatting(ネットワーク居座り)」と呼ばれている。

J&T Express は2015年、Oppo Indonesia 創業者 の Li Jie(李杰氏)が、スマートフォンブランド「OPPO」や「VIVO」を手掛ける中国の億万長者起業家で Pinduoduo の主要投資家でもある Duan Yongping(段永平)氏からの資金援助を受けて設立した。中国では、J&T Express は Pinduoduo(拼多多)、Suning.com(蘇寧)、Douyin(抖音)などの EC プレイヤーと協業している。(Southern Metropolis Daily=南都日報

新たな生鮮食品プロバイダの犠牲者

かつて中国の著名な生鮮食品 EC プラットフォームであった Yiguo は、破産と組織再編の手続きを進めており、この分野の著名なプレーヤーがまた一人倒れたことを示している。地元メディアによると、今年6月の時点で、同社は23億人民元(約358.3億円)の負債を抱え、純資産は11億人民元(約171.3億円)を保有しているという。

Yiguo は Alibaba 傘下の生鮮食品ブランドで、関連会社を通じて35%以上の株式を保有している。Yiguo の直近ラウンドでの3億米ドルの資金調達は、2017年に Alibaba 傘下の Tmall(天猫)からもたらされた。

Alibaba との提携は、Tmall の生鮮食品事業である「Tmall Supermarket Fresh(天猫生鮮超市)」からのトラフィック支援のおかげで、Yiguo の総合的商品価値を倍増させるのに役立った。しかし、Alibaba の支援に過度に依存したことで、同社は外部の変化に弱くなっていた。2018年、Alibaba は Tmall Supermarket Fresh の 運営を Yiguo から自社の小売店チェーンFreshippo(盒馬鮮生)に引き渡すことを発表した。このシフトは、2017年に Tmall からの注文の90%以上を引き出していた Yiguo の事業に大きな打撃を与えた。それ以来、Yiguo は混乱状況にあった。

競合の Taojiji(淘集集)の破産からわずか10ヶ月後、Yiguo は今年、コロナ禍のロックダウン期間からの再起にもかかわらず、生鮮食品のEC プラットフォームにとって、新たな教訓となった。(Tencent=騰訊)

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