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ブロックチェーン活用のオープンソース開発者向け収益化サービス「Dev」運営、個人投資家13名らから資金調達

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<19日22時更新> aggre 氏の略歴一部を修正。 ブロックチェーンを活用した OSS(オープンソースソフトウェア)開発者向け収益化サービス「Dev」を運営する FRAME00(フレームダブルオー)は、直近のプレシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。 このラウンドに参加したのは、 MIRAISE サイオステクノロジー 柄沢聡太郎氏(メルカリ元 CT…

左から:aggre 氏(CTO)、原麻由美氏(CEO)、宮本麻利子氏(COO)
Image credit: Frame00

<19日22時更新> aggre 氏の略歴一部を修正。

ブロックチェーンを活用した OSS(オープンソースソフトウェア)開発者向け収益化サービス「Dev」を運営する FRAME00(フレームダブルオー)は、直近のプレシードラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。調達額は明らかにされていない。

このラウンドに参加したのは、

  • MIRAISE
  • サイオステクノロジー
  • 柄沢聡太郎氏(メルカリ元 CTO など)
  • 安野俊幸 氏(ナレッジ・マーチャントワークス CTO)
  • 川口和也 氏(OSS 開発者, Vue.js コアチーム)
  • 黒坂肇氏(サイオステクノロジー OSS テクノロジーセンター長)
  • ひらい さだあき氏(メルカリ エンジニアハイヤリングマネージャー)
  • 杉浦正明氏(NewsPicks CTO)
  • 加藤公一氏(ソフトバンク、「機械学習のエッセンス」著者)
  • 戸倉彩氏(IBM Senior Developer Advocate)

ほか非公開を含む13名の個人投資家。

MIRAISE は以前にも紹介した通り、プログラマー起業家/ソフトウェアスタートアップに特化したファンドであり、サイオステクノロジーズは OSS の運用サポート大手。それ以外の今回の個人投資家の多くは、IT 企業やスタートアップの CTO などだ。また、アドバイザーとして平野淳也氏(HashHub 代表取締役)と西澤民夫氏(オープンイノベーション促進協議会 代表理事)が参画したことも明らかになっている。

FRAME00 は、以前サムライインキュベートから出資を受け、ソーシャルメディア事業を展開していた fanbook 出身の原麻由美氏と、レイ・フロンティアでエンジニアを務めた aggre 氏らにより2015年8月に設立。

原氏らは以前、寺院建築や国宝修復を担う企業からソーシャルメディアを使った後継者育成の相談を受けたことがある。しかし、IT 企業やテックスタートアップとは対照的に、全国に数千人もの伝統職人の方々が働いて手にした12ヶ月分の会社の売上が、あるソーシャルゲーム会社の1ヶ月分の売上と同じだったことに衝撃を受ける。もはや課題はマーケティング努力で解決できるものではなく、マーケットの不均衡を正すことが必要との考えから FRAME00 の設立に至ったという。Dev もまた、努力が報われにくい OSS 開発者に収益を還元したいという彼らの発想から生まれた。

レイ・フロンティア時代、OSS コミュニティを運営していた aggre 氏は、その作業の多くを自宅に帰ってからやっていたという。これは aggre 氏に限らず、OSS 関係者には多い傾向だ。OSS 関連の事業を営んでいる企業でない限り、勤務時間帯は本業があるのでコミュニティ運営にはタッチできない。ただし、これでは OSS の繁栄やコミュニティ運営の持続可能性に課題が残る。実際のところ、世界的にみても OSS プロジェクトの83%がローンチから1年以内に終了しているという。

オープンな自発的コミュニティから生まれたものであっても、例えば、同人誌を作成してそれに値段がついて売れたりとか、民間に利用されることでライセンス料が手に入ったりする世界は存在する。先に書いた伝統職人の話にヒントを得て、伝統文化の持続可能性を支援する方法を考え、そこから OSS の持続可能性を支援できる仕組みを作ってみたところ、それがうまくいったという。その考え方(=プロトコル)こそ Dev だ。

Dev は Ethereum のトークン標準仕様(ERC20)に準拠し、Dev に参加した OSS エンジニアに対して、ダウンロード数に応じてトークン(Dev トークン)を毎月無償で配布する。Dev トークンは仮想通貨交換所で Ethereum トークンと交換性があるので、これを報酬として受け取れるというわけだ。現在のところは、当該 OSS プロジェクトの社会やコミュニティへの貢献度を、ダウンロード数という軸で計測している。

オープンソースの世界では、(Linux のディトリビューション・パッケージを提供する)RedHat のような、サポートを売ってマネタイズしているのが主流。Open Collective みたいなオープンソースに寄付を募るサービスもあるが、実際これで経済が回るには、その OSS プロジェクトのデベロッパにタレント性が求められる。ある程度、目立ってないと、お金は集まらない。

でも、デベロッパの多くは人前に出て目立つよりも、みんなコーディングに勤しんでいたい。結果として大きな OSS プロジェクトしか儲からない。小さな OSS プロジェクトにはお金が集まってこない。大きなライブラリに小さな OSS が内包されていること(=依存関係がある)もあり、小さな OSS も頓挫してしまったらエコシステム全体への影響は大きくなっている。(aggre 氏)

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実際、直接的であれ、間接的であれ、お世話になっている OSS のデベロッパに報いたいと考えているパッケージベンダやユーザは少なくないようだが、例えば、あるパッケージに間接的に入れ子になって複数の OSS が内包されているような場合は、どこにどれだけ得られた恩恵に報いればいいのか、つまり寄付すればいいのかわからない。Dev では、優先的に特定のバグを解決してもらうとか、二次創作に利用したいととか、OSS を利用するベンダやユーザなどの特別な需要に応じて、デベロッパに報酬を供給する仕組み作りにも貢献できるだろう。

OSS に限らず、オープンアクセスで数式や論文を公開している研究者、二次利用許可しているアーティストやクリエイターなどにもマネタイズへの活路が生まれる可能性がある。これまで、数式や論文は特に、オリジナリティは尊重されつつも、その創作物が第三者に利用されることで生まれるメリットに対し、初期創作者が報酬を受け取る術がなかった。法律的な解釈にはいくつか存在するが、将来的には、サンプリングした音源をリミックスして作曲した際の原盤権の処理などにも応用できるかもしれない。

Dev には現在、世界の1,500程度の OSS プロジェクトが参加しており、これらの OSS がダウンロード数の月間総和は75億件に上るという。FRAME00 では今後、アドバイザーの平野氏や西澤氏らに意見を求めながら機能や運営改善に務め、来年以降に解禁される見込みの Dev の仮想通貨取引所への上場(IEO=Initial Exchange Offering)を目指すとしている。

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