AIスタートアップへ投資を急ぐGoogleやIntel、Amazonなどハイテク企業5社の買収事例

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Image by Markus Spiske Raumrot.com via Attribution Engine. Licensed under CC0.

世界をリードするハイテク企業は人工知能(AI)関連スタートアップへの大規模投資を通じて市場開拓を実施し、世の中の景気を変えようとしている。

CB Insightsのレポートによると、2011年の同業界におけるM&A活動は7倍に増加。さらにほとんどの新興企業は、初回の資金調達を創業から4年以内で完了させているとのことだった。2016年には第3四半期に10億5000万ドルの資金調達をしたAIのスタートアップが注目を集めている。

ここではデジタル市場の変化を活性化させるため、AI研究に投資している多くのハイテク企業を紹介する。

1.Alphabet

Alphabetは2011年頃より技術投資に力を入れている企業として有名だ。同社は過去5年間で、人工知能に関する企業を11社を買収している。

Googleは人工知能システムを使ったアルゴリズム「RankBrain」を使用して、検索エンジンのクエリの理解と適切な処理を実現している。2年前にはAI企業のDeepMind Technologiesを5億ドル超で買収して電力使用効率を5%、冷却コストを40%削減した。

またDeepMindはWaveNetをリリースした。WaveNetは従来の文章読み上げシステムよりも実際の人間の声に近い音声を提供する。DeepMindの技術はGoogleのクラウドを使用する企業なら利用可能だ。

AmazonやMicrosoftが先行する2940億ドルの市場に参入し、GoogleはAIに大きく賭けている。Google Cloud Platformに300億ドルを投資し、機械学習と人工知能を活用した大規模で複雑なデータセットのパターンを分析して公開している。より正確な予測・市場モデルを作成するために、85万人のデータ科学者と機械学習技術者を結ぶサービスKaggleを買収した。

2.Intel

AI投資市場においてIntelは2016年にAppleと肩を並べ、ItseezやNervana Systems、Movidiusを買収した。Appleがシアトルを本拠地とする機械学習と人工知能のスタートアップTuriの買収を公表した後、IntelもNervanaの買収を発表している。

AIアプリケーション用の半導体を開発する予定のIntelは、ここ数年で大きく成長しているNVIDIAとの競争も激しい。グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)チップを専門とするNVIDIAは2016年に株価を3倍にした。Intelの大規模な時価総額1,890億900万ドルと比較すれば同社の時価総額は579.3億ドルではあったが。

3.Microsoft

MicrosoftはAIの新興企業の技術投資においても積極的。同社は今までに約25年間AI技術に投資してきた。

12月にMicrosoft Venturesは「包括的成長と社会へのプラス影響に重点を置くAI企業への投資」に焦点を当てたAI基金を立ち上げた。新しいチャットボットのZoやCortana Devices SDK、Skills KitによりMicrosoftはインテリジェンスツールを拡張するだけでなくグローバル市場で競争することを目指している。

この大手ソフトウェア会社は最近Maluubaを買収し、2年間でMaluubaのモントリオールのオフィス規模を倍増させることを目指している。2016年には「人と同様に会話の中の言葉を認識する」という技術の導入が大きな進展を遂げた。この技術は社内システムMicrosoft Cognitive Toolkitを使用したもので、複数のコンピュータ間でアルゴリズムを迅速に処理することを可能にした。さらに、Microsoftはデータを分析して入力予測をするSwiftKeyを買収している。

4.IBM

AIの特許を多く保持するIBMは2015年、Watsonプラットフォーム開発に数十億ドルを投資している。Watsonは非構造化テキスト、画像、ビデオなどのデータを解析する認知(コグニティブ)技術である。IBMのWatsonはヘルスケア、金融サービス、法令遵守など様々な業界のサービスに使われて徐々に認知度を広げている。

H&R BlockはIBM Watsonを組み込んだ専用データベースを発表した。H&R BlockがWatsonを導入することで、税理士が効率的に税務状況をまとめ、顧客に共有できるようになる。

2017年3月6日IBMとSalesforceは、両社が独立したAIプラットフォーム(WatsonとEinstein)を統合すると発表。両者の戦略的パートナーシップによって非構造化データから戦略予測を提案し、企業の意思決定を支援する。

5.Amazon

Amazonは音声認識で対応するAlexaをリリースして話題となっている。昨年、Amazonはお会計のレジ担当がいないハイテク・コンビニに関するビデオを発表した。Amazon GoはAIやセンサー、携帯電話を利用して顧客がレジに並ぶことなく買い物をできるようにする。

2016年のAWS re: InventでAmazonは、Amazon Lex、Amazon Polly、Amazon Rekognitionなどの新しいAIプラットフォームを発表。これらの目的はアプリケーション開発者やAIエンジンに深い学習コンポーネントを提供して、高度なカスタムインテリジェントシステムを生成することである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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