環境ビジネス領域で知っておくべき5つのベンチャーキャピタル

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クリーンテック(環境ビジネス)系投資を積極的に行っているファンドが、Clearbridge、Small World Group、iGlobe Partners、Vertex Venture、Red Dot Venturesの5社だ。

比較的小規模な国家であること、リソースが限られていること、そして、進む都市化の流れから、シンガポールが再生可能エネルギーおよび省エネ技術を強く奨励するようになって久しい。この目標と協調し、グローバル市場でシンガポールが持つ革新的なクリーンテックおよび持続可能性のハブとしての地位を推進すべく、工業系デベロッパーのJTC CorporationはCleanTech Parkを開発している。

CleanTech Park(CTP)は広さ50ヘクタールを誇るシンガポール初の環境系ビジネスパークであり、環境に優しい建物やシステムレベルでのクリーンテックソリューションなどの持続可能な技術の限界を広げる試験台として、2030年の完成が予定されている。

もちろん、クリーンテックソリューションを奨励する国の指針に伴い、今後数年のうちにこの業界には間違いなくいくつもの新しいスタートアップが登場することだろう。この業界に携わる人のために知っておくべき5つのベンチャーキャピタルファンドを以下に紹介しよう。

1. Clearbridge Accelerator

Clearbridge Acceleratorは、シンガポールに拠点を置き、National Research Foundation(NRF、シンガポール国立研究財団)の支援を受ける技術産業化インキュベータだ。同社の投資は、生物医学機器、先端材料、計算アルゴリズムの各分野に集中している。既存のポートフォリオ企業リストには次の各社が含まれる。

  • ・Clearbridge BioMetrics – バイオマーカーの代わりに生体力学特性を利用して、患者の全血液から希少な循環性腫瘍細胞を分離する画期的な発明
  • ・Clearbridge BioLoc – 任意の標準的な免疫検定試験に使用できる、費用対効果が著しく高く洗練された堅固なプラットフォーム
  • ・Clearbridge NanoMedics – ナノファイバー製造の基盤技術の利用に特化し、生体吸収性のナノファイバー足場材を生産
  • ・Clearbridge VitalSigns – 患者の胸部に貼り付けて、生活反応情報を収集・記録することができる、着用型の心拍波形心モニタリング用デジタル心電図プラスター

2. Small World Group

Small World Group(SWGI)もシンガポールを拠点とし、NRFの支援を受けたインキュベータだ。SWGIは、クリーンテクノロジー、光学系、先端材料という3つの技術革新分野に投資を集中させている。同社の既存のポートフォリオ企業リストには次の各社が含まれる。

  • ・Green Koncepts – 建物のエネルギーおよび水使用量の監視制御システムに特化
  • ・Green Line Innovation – クリーンテック企業のパートナーとなり、アジアを拠点とする低コストな大量生産企業との橋渡しに特化
  • ・Third Wave Power – 個人向けの発電、蓄電および使用のための機器 – 発展途上国の奥地で活躍する電力界のアーミーナイフ
  • ・Wise Water – 塩水や、重金属、フッ化物を含有する井戸水から浄水を精製する省エネ機器の開発

3. iGlobe Partners

1999年に設立されたiGlobeは本社をシンガポールに構え、シリコンバレー、上海、オークランド(ニュージーランド)に進出している。同社のPlatinum Fundを通じ、再生可能エネルギー、水処理技術、スマートパワーマネジメント、省エネ、貯蔵技術などのクリーンテクノロジーに投資している。実物資産ライフサイクル管理およびエネルギー効率企業であるシンガポールのAnacle SystemsもiGlobeのポートフォリオ企業の1つだ。

4. Vertex Venture Holdings

Vertex Venture HoldingsはTemasek Holdingsの100%子会社でアジア広域圏とアメリカの新興企業や主要なベンチャーキャピタルファンドへの投資を行っている。これまでにVertexは環太平洋地域内外の350以上のスタートアップへ投資しており、主な投資先はアメリカ、ヨーロッパ、アジアのサードパーティベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドなど90以上の企業で、配分した資本の総額は12億米ドルを超える。Vertexは台湾やアメリカを拠点とするクリーンテクノロジー企業に投資している。

5. Red Dot Ventures

2011年に設立されたRed Dot Ventures(RedDot)はシード期のベンチャーキャピタルで、シンガポールに拠点を置くICT、インタラクティブデジタルメディア(IDM)、医療技術、ナノテク、クリーンテクノロジー、エンジニアリングなどの分野のハイテクスタートアップを主な対象としている。またRed DotはシンガポールのNRFが支援するインキュベータでもありGCoreLabsに投資している。GCoreLabsは熱管理を専門の企業で、次世代電気自動車用の熱管理システムの研究開発を行っている。

首相官邸直属の国立研究財団が開催するTechventureカンファレンスでは、クリーンテクノロジーの動向、ヘルスケアと情報技術の融合、ならびにさまざまのクリーンエネルギーの軌跡をテーマとしたキーノート講演が予定されている。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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