次世代チャットアプリはグループ機能志向にシフト

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star-trek-group-chat先日、ゲストライターのSpencer Ng氏が「モバイルチャットアプリ市場は飽和状態になっているのか?」と問いかける記事を投稿してくれた。

この市場に参入しようとしているアプリに対する同氏のアドバイスは、同様なアプリの浸透率が低くデイリーアクティブユーザの比率が高い市場を狙えという地理的な要素を中心とするものであった。

しかし、こうしたパラメータに合わない市場においてすら、ちょっとした工夫を凝らしメッセージ機能を重視したアプリが登場し始めている。それが、グループ重視型だ。2週間のうちに中国のSinaは「WeMeet(微米)」、韓国のKakaoTalkは「KakaoGroup」をリリースした。両サービスは本質的にプラットフォームとして同じ機能を提供している。家族、オフ会、会社員、クラスメート、会議の出席者、ポーカークラブ、暴力団員、政治団体などあらゆるグループが仲間内で話をすることできるプラットフォームだ。

市場の隙間

現在、モバイルソーシャルネットワーキングは2つのタイプに分類される。1対1(WeChat、Line、KakaoTalk、Viber、WhatsApp)と1対あらゆる人(Facebook、Twitter、Weibo, Renren)の2つだ。

確かに、Facebook上にグループページを作成している人もいるし、筆者も個人的にWeChat上でグループチャットに参加することがあるが、これらはプライベートなグループを特に対象にしたものではない。グループチャットアプリはこれら2つのカテゴリーの特徴を取り入れながら独自の他にはない実用性を保持している。

groupchat

例えば、WeMeetにはグループでタイムラインを共有する機能がある。ユーザはお知らせを投稿したり、更新情報の共有を行うことができ、だれもが閲覧し、保存期間の延長を求めることもできる。1対あらゆる人用のプラットフォームではこのようなことができるが、1対1のプラットフォームではだめだ。

自分に関係したメッセージを見つけるためにWeChatのグループメンバー間の特に目的のないおしゃべりを何行もスクロールしなければならないのは面倒だ。逆に、1対あらゆる人用のプラットフォームでは他のグループのメンバーとただチャットするための専用モバイルオプションが提供されていない。

WeMeetではタイムラインと会話モードをスワイプするだけで切り替えることができる。これによって素早く効率的にグループをうまくまとめたり、コミュニケーションを取ったりすることができる。メッセージアプリメーカーはまさにこの機能のギャップを埋めようとしている。

これから登場するアプリに備えよう

KAKAOGROUP-SCREENSHOT

WeMeetやKakaoGroupは始まりに過ぎない。今後数ヶ月のうちにこうした「中間タイプ」のグループメッセージアプリが大手やスタートアップの両方からいくつかリリースされるだろう。既存のユーザ層を取り込むことができるという点で、最終的には大手企業が勝ち残るだろう。しかし、スタートアップにも彼らが買収されれば少しは稼げるチャンスがある。門戸は一般企業にも開かれている。

勝者となるのは最も多くのトラクションを獲得し保持できる企業だが、判定を下すにはまだ早い。しかし、「早起きは三文の得」とうことわざにもあるように、KakaoGroupとWeMeetには時間的なアドバンテージがある。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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