株式会社ベストティーチャーが運営しているオンライン英会話学習サイト「Best Teacher(ベストティーチャー)」が本日大幅なリニューアルを実施した。
ベストティーチャーは、ユーザーが話したいことを英語のトークスクリプトにすることができるサービス。ユーザはライティングのレッスンで、講師からの質問に対して、テキストで会話を行い、Skypeレッスンでは、ライティングのレッスンで作ったスクリプトを教材として、Skypeを通じて英会話の練習を行うレッスンを行う。

これまでベストティーチャーのコンテンツは講師とユーザのやりとりが必要なインタラクティブなものだけだった。今回のリニューアルにより、個人で学習可能なコンテンツが新しく提供される。提供されるコンテンツは、発音練習や各ユーザの弱点に応じた文法例文などだ。
これまでベストティーチャーでは、ライティングやSkypeで授業を受けた後、弱点と考えられるポイントをユーザに指摘していた。今回のリニューアルで追加された学習コンテンツにより、指摘された弱点を補うための学習を個人で実施することが可能になる。
独自のレッスンフローで特許を出願中
ベストティーチャーのレッスンの特徴は、チャットによる講師とのテキストのやりとりは、時間を合わせずに非同期でやりとりができ、トークスクリプトを作成して、そのスクリプトを元にSkypeレッスンをするというものだ。
現在、ベストティーチャーはこのレッスンフローを特許出願をしている。オンライン英会話サービスを提供している会社は100社以上あり、差別化のために特許出願を行ったという。
1年半、オンライン英会話サービスを提供してみて
今回のリニューアルに至るまでに、ベストティーチャーは1年半の期間、サービスを運営してきた。ベストティーチャーCEOの宮地俊充氏は、オンライン英会話学習におけるメリットは価格の安さではないと述べる。
サービスリリース当初、オンラインで英会話を学習することのメリットは、価格の安さだと思っていました。今では、オンライン英会話はいつでもどこでもレッスンが受講できる利便性が一番のメリットだと考えています。ベストティーチャーはスマートフォンなどを用いて、通勤途中などにレッスンを受講することができます。
そのため、これまでスクールに通う時間がなかった、英語に触れる機会があまりなかった人たちでも利用することができるようになっています。私たちは、価格訴求に注力するのではなく、利便性を打ち出すことに注力するようにしてきました。
だが、いつでもどこでも学習可能だということは、学習するかどうかはユーザ次第ということでもある。リアルのスクールに通学していれば、講座を受ける時間も決まっており、受けている間は学習をすることになる。オンライン学習ではそれが困難になる。
オンライン学習ではモチベーションの喚起が困難です。オンラインでリアルのスクールのようなモチベーション換気をどう実現するか。私たちはそのためにはカスタマーサービスの充実が重要だと考えています。多くの部分は自動化しながらも、人らしさを感じさせるアプローチを行い、どれだけ学習意欲を喚起させることができるのか、今はそこにチャレンジしています。
英語学習領域で次のスタンダードが獲得できるか
宮地氏は英語学習サービスを提供する目的は、学習効果へのコミットを第一にし、「英語を話せるような人をどれだけ輩出できたか」だと語る。サービス開始時と比較して、同サービスを利用した人がどれだけ学習効果を出せたのかで勝負したいという気持ちがより強くなったという。
学習効果へのコミットを重視しながら、会社としてスケールさせることを目指したいと思います。労働集約型からの脱却し、規模が大きくなるほど、費用が増えるモデルではなく、新しいビジネスの仕組みを作っていきたいと思っています。
EduTechの良さは学習における地域格差をなくすことだと宮地氏は語る。
現時点で多くのサービスは地域格差の解消は実現できています。未だ実現されていないのは、学習ログを残し活用すること。普通、レッスンでは先生側に情報やノウハウが残り、その先生でしか対応できないことが増えてしまいます。
生徒の学習履歴、ログをもとにチューターのようにレコメンドやアドバイスを実施し、学習効果を上げていくことが今後EduTechの領域においてチャレンジできる部分だと思っています。今回のリニューアルで可能になった弱点指摘とそれに対応する学習コンテンツの提供は、ここにトライしています。
ベストティーチャーは今年の3月にGMO VenturePartners と SMBCベンチャーキャピタルから 5,110万円を資金調達を実施している。多くのプレイヤーが参入し、人々の学習意欲の低下も感じられない英会話の領域において、ベストティーチャーは次のスタンダードを作っていくことを目指す。
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