eコマースの流通が変わる?ジャカルタの物流ソリューションプロバイダー「Kirim」がAPIの提供を開始

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kirim

ジャカルタ(インドネシア)拠点のエンドツーエンド配送・物流ソリューションプロバイダーのKirimはAPIをソフトローンチし、eコマースユーザからのレーティング、配送費用の検索、荷物追跡、集荷対応、さらには貨物運送状の作成までが可能になった。

同社は同時に、KirimanKuという顧客向けのオンラインプラットフォームを11月にローンチする準備もできている。これにより顧客は、発送に関わる作業をネット上で管理し、配送状況をモニター・追跡し、請求書の確認ができる。そして、日次、週次、月次ベースの発送レポートをカスタマイズ・作成できる。

新しいブランド名で昨年リローンチされたKirimは、それまでPt Diamonds Inti Corporaという名前で事業を行っていた。現在Kirimはジャカルタ、デポック、タンゲラン、ブカシでのサービス展開にフォーカスしている。

Intan-SaraswatiKirimの設立者兼CEOのIntan Saraswati氏は、この新たな機能によって年末までの発送数が1日当たり3,000件につながればと期待している。

成長するインドネシアのeコマース

インドネシア通信情報省の統計を引用して、Saraswati氏はインドネシアのeコマースが130億米ドルに達するほどであるという。この数字は69億米ドルであった2012年のほぼ倍の水準だ。

調査会社Frost & Sullivanが作成した「Indonesia Telecom Indonesia – Go Online Outlook 2012」の数字も引き合いに出し、インドネシアのeコマース取引からの売上は3年前の1億2,000万米ドルから6億5,000万米ドルに達する勢いだという。

同情報源によると、配送業界の2013年の市場規模は300億米ドルに達するという。国際物流ビジネスにおいて9年の経験を持つSaraswati氏は、eコマースの潮流に乗ることによりこれらの企業は過去3年間で40%以上成長していると述べている。「彼らの経常収益の60%はeコマース業界から上がっています。」と彼女はe27に語った。

さらなる迅速化

Kirimの強みは当日配送サービスで、同社に競争優位をもたらしていると同氏は語る。

ジャカルタの多くの配送会社は依然として従来のやり方で運営している。1つの例として、配達にはojeks(バイクタクシー)を利用しており、荷物を追跡するには運転手に電話をかけなければならないと同氏は指摘する。

同氏によると、Kirimは配送を可能な限り簡単、迅速にする独自の技術を提供することで従来の配送会社とは一線を画している。

「私たちは配送担当者が利用する独自の追跡システムと携帯アプリケーションを開発しています。そのため、配送担当者の位置や荷物の動きをリアルタイムに追跡できるのです。」

さらに、

「配送担当者は集荷・配達の注文を携帯電話で受け、荷物の状況の更新も携帯電話で行うのです。」

と付け加えた。

同氏によれば、Kirimがジャカルタ市内で当日配達に要する平均配送時間は3.5時間であるという。

「私たちのサービスを絶えず向上させることで、最長でも2時間という目標を設定するに至りました。当日配達では、プレミアムサービスという当社最上級の配達時間は16分です。」

と同氏は述べている。

eコマースへのフォーカス

今後、Kirimの最優先課題はeコマース事業者へのフォーカスである。同社はターゲットとする市場を個人、企業、eコマースに分類している。Saraswati氏は、同社売上の40%はeコマース事業者からのものであると明かした。この分野の主要な顧客の中にはLazadaやMaskool.inなどがある。

しかし、KirimはどのようにDHL、UPS、TNT、JNEのような大手と市場で渡り合っていくのだろうか?Saraswati氏は大手を競合相手とは見ておらず、自社の成長を実現してくれる要素だという。Saraswati氏は「彼ら大手企業と助け合い、彼らのネットワークを活用して国内向けの配送を行っていきたいです。」と語った。

Kirimは現在40人の従業員がおり、そのうちの25人は配達担当者だ。インドネシア国内では500都市さらに海外では220を超える都市、合わせて6,495の小区域にサービスを提供している。事業拡大に関して同氏は、

「私たちはジャカルタ内に他のハブや営業所を開設する予定です。需要に応じて、インドネシアの主要都市での支店開設を検討していきたいです。」

とコメントした。

【原文】

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