動画・インタラクティブ広告は静止画バナー広告に取って代わろうとしている。今こそeコマース企業がマーケティング戦略を考え直す時だ。Brightcoveによる方法を以下に紹介しよう。
消費者の購買欲をかきたてるのは動画コンテンツという図式はもはや未来のことではなく、今まさに起きている。実際、多くのeコマース企業がブランドの知名度や売上げを伸ばすために動画を活用している。
オンラインマーケティング会社MediaMindによる調査によれば、オンライン動画広告をクリックする消費者は通常のバナー広告と比較して27倍になるという。同データはまた、10人のうち1人は動画広告が流れている間に質問に答えたりゲームをするなど何らかのインタラクションを行っていることを示している。
クラウドコンテンツサービスのプロバイダーであるBrightcoveの場合、文字の広告よりもインタラクティブ動画広告の方が売上げに貢献しているという。Brightcoveの顧客であるeコマース企業Joyusは、動画コンテンツをコミュニケーションの主たる媒介として使用している。
Diana Williams氏(Joyusの共同設立者でありプロダクト部門バイスプレジデント)はBeet TVのAndy Plesser氏との対談で次のように話した。
「動画広告を見るユーザの割合は見ないユーザの5倍になります。」さらに、「動画広告を見るユーザはそうしたコンテンツを利用しないユーザに比べ4倍商品を購入しています。」
と付け加えた。
Brightcoveの技術により、Joyusは顧客を惹きつけ売上げを伸ばせるようプラットフォームをカスタマイズできる選択肢がもたらされると同時に、動画のシェアやストリームも可能となっている。
シンガポールで同社は動画ストリーミング購読サービスのSpuulのようなスタートアップや、MicrosoftとMediaCorpのジョイントプロジェクトxinmsnのようなエンターテイメントサイトと提携している。
例えばSpuulが、特に遠距離のカップルを対象としデジタルデートの機会を提供した際に、Brightcoveはユーザ間で利用プレーヤーをシンクロさせた。同社アジア太平洋・日本地域のシニアバイスプレジデントであるDennis Rose氏はe27に対し、「取り込み率の予想は5%であったが、実際は20%であった。」と語ってくれた。
オンライン動画ビジネスの壁
60か国に渡るBrightcoveの6,300もの顧客リストには、Puma、Sony Music、Toyotaなどが挙げられる。Rose氏は、新規顧客はシンジケーションやディストリビューションのプロであっても、コンテンツのデータベースを早急に作り上げることは難しいとしている。
Brightcoveは顧客がコンテンツを見つけにくそうなときは、同社のアカウントを持っている適切なコンテンツアグリゲータのサイトへと案内することができる。
Rose氏は次のように付け加えた。
「問題の多くは技術的なものではありません。動画を扱うのは難しいですが、私たちは技術的な問題を克服しました。」
セキュリティ面はどうだろう?コンテンツの盗作、違法ダウンロードを防止するため動画はデジタル著作権管理(デジタルコンテンツ管理のための方法)により保護される。この保護は、高額または独自のコンテンツ(通信教育、取り扱い説明ビデオ、映画の予告編など)を取り扱う会社にとっては重要なポイントだ。
Rose氏は、Brightcoveのプラットフォームのみで動画が流れるようにする認証オプションがカスタマイズできる機能をビデオプレーヤーに加えると言う。
さらに、
「多くの人はBrightcoveや動画と聞くとオンデマンドで流す動画を想像するようですが、実際多くのライブ動画も扱っています。」
と語る。
そして、ライブ動画は実は主となるブランドのページへ視聴者を呼び込み、その後7日間で結果的により多くのコンテンツを使用させることとなるという。
生中継の動画をストリーミングする技術を使用し、あるノルウェーのラジオ局は、歌手のJustin Bieberが街に訪れた際メインサイトへアクセスしてもらうようトラフィックを誘導した。朝の2時にスタッフを空港へ送り、FacebookやTwitterでこのライブ「イベント」がラジオ局で行われると発表した。
これにはあまりの反響があり、翌週このラジオ局は動画のプリロールを流し、そこから収益を得ることとなった。
地理的可能性
Rose氏はe27に対し、
「インターネットとモバイルの普及率から、当社はオーストラリア、ニュージーランド、韓国に注目しています。韓国の企業はグローバルにコンテンツを発信したがっています。」
と語る。
この1年、Brightcoveは東南アジアと香港に目を付けている。
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