リアルビジネスのクラウド化ーーネット宅配クリーニングのリネットが会員数4万人を突破

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仮想(クラウド)化するリアルビジネスというのは2014年、さらに広がりをみせそうだ。

自社で工場を持たず、オンラインで注文を受け付ける宅配クリーニングサービス「リネット」を運営するホワイトプラスは12月2日、同サービスの会員数が4万人を突破したと発表している。

昨年時点から比較して3倍の成長で、9月30日に実施したリニューアルで料金を低価格に改訂、納期も最短で2日に対応している。

Evernote

8月の資金調達以降、順調に成長を重ねているリネット。コミュニティサービスと違い、獲得会員はほぼ有料で利用する目的でこのサイトにやってくると考えていいだろう。となると気になるのはリピート率だ。ネット宅配クリーニングにどのぐらいのユーザーが満足しているのだろうか。

取締役兼CMOの斎藤亮介氏に話を聞く。

ーー順調に10%ほどの成長でここまできている様子ですが、成長を示す数字などを開示できる範囲で教えてもらえないでしょうか。

「詳しい数字は少し控えさせていただきたいのですが、9月末のリニューアル以降、新規獲得のCVRなどは確実に向上しています。リピートするモデルということを考えて、料金設定も変更しました。

会費制(※プレミアム会員は月額315円)にして20%から35%値引きをし、一般のクリーニング店よりも価格を抑えました。さらに納品の日数も最短で2日に改善することで満足度の向上をはかっています」。

細かい数字は分からなかったが、やはり何度も利用してもらうことを念頭にモデルを改善している様子だ。

ところで、リネットは自社でクリーニング工場を持たない。彼らは提携しているクリーニング工場に占有のレーンを借りており、そこでの検品から梱包までのフローを見直すことで納品までの日数を短縮するなどの効率化を実現しているという。

リアルビジネスならではの話だ。こういうことを実現するために、クリーニング業界にいたベテランを採用するなどしているというから逞しい。

クリーニングの宅配ならリネットのクリーニング

さておき、もう一つ気になっていたのが今後の拡大だ。リアルビジネスに直結している分、スケールする際にはサーバーだけではなく「具体的な」リソースの拡大が必要になる。そう、クリーニング工場だ。

ーーこのモデルは例えば印刷のラクスルなどと同じく、自社ではクリーニング工場を持たずに空いているリソースを使います。そんなに簡単に増やしていけるものなんですか。

「確かに今後は生産体制が課題になってきます。つまり工場の開拓です。それでちょっと逆説的ですが自社でも工場を建てようと計画しています。

自社で専属の工場を持つことで外部の工場を開拓しやすくなるメリットがあるんです。センターを作るイメージですね」。

※訂正:今回予定しているのは自社工場ではなく、提携事業者と共同で設立する専門工場だそうだ。追記して訂正させていただく。

なるほど。これまでこの手のビジネスモデルは「持たざる」経営が基本だった。お弁当にしても印刷にしてもラーメンにしても、自社で工場は持たない。リネットも同様で、活用している提携工場は5つになるという。

しかし、前回の取材時にも彼らが話していた通り、長らく閉鎖的な雰囲気で守られてきた業界なのだろう。「一見さん」の若手には厳しかったという話も聞いていた。今回計画している工場もさながら名刺代わり、といったところか。

しかも業績が落ちるなか、彼らが獲得した生産は別の提携工場に回してくれる。斉藤氏によれば、工場は最小限のセンターで、品質管理などの効率化もそこで検証できるようにするという。

リアルビジネスの仮想(クラウド)化というのは、既存業界側にしてみればネットのオペレーションが不得手で、馬鹿高いシステム構築費用をふっかけられて終わってしまうし、ネット業界の人間がやってきても、商習慣という壁の前に立ちすくんでしまうことが多い。

リネットの挑戦は後続にとっても興味深いものなのではないだろうか。

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