ランサーズがKDDIグループと業務提携ーー中小企業向けクラウドソーシング「利用促進の秘訣」とは

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今日はクラウドソーシングの話題が多い。今度は2強のひとつ、ランサーズだ

クラウドソーシングを提供するランサーズは2月18日、KDDIおよびKDDIグループ企業で中小企業向けの業務支援サービスを提供するKDDIまとめてオフィスと業務提携することを発表した。

両社の提携により、KDDIまとめてオフィスが抱える中小企業向けに人材不足や新規の顧客開拓といった課題をクラウドソーシングの活用で解決するとしている。一方、ランサーズ会員向けにはスキルアップや起業支援などのサポートも提供するとしている。

KDDIまとめてオフィス、というストレートな会社名を持つこの企業は、中小企業向けにオフィス機器や業務支援サービスなどを提供する営業中心のKDDIグループ企業だ。

KDDI側が持つという顧客層(そして今回、営業先となる企業)もランサーズ代表取締役の秋好陽介氏に言わせれば「日本の中小企業の縮図。あらゆる業種が網羅されてる」というほど広い。つまり、街の小さな飲食店から町工場までありとあらゆる企業が対象なのだ。

ただクラウドソーシングはかねてより、「企業側の理解の壁」が高いことが課題だった。クラウドソーシングを使うにしても、そもそも使い方がわからなければ、発注のしようがない。

もちろんランサーズではこういった企業側の不安を取り払うために、ディレクションを強化したチーム機能などをリリース、秋好氏も企業へ出向いて勉強会を実施するなど、地道な「啓蒙活動」を続けてきた。

しかし相手は「非」IT系の事業者が中心だ。ただ単にクラウドソーシングでございと営業をかけても戸惑いしか広がらないのではないだろうか。

この疑問に対する秋好氏の説明は明快だった。以下、同氏との一問一答。

ーー交渉はいつ頃から?

半年間ほどの交渉を経てようやく提携までやってきました。(KDDI)本体とまとめてオフィスの営業チームと連携して彼らの顧客基盤に対して対面でクライアント営業をかけることになります。これまで中小企業についてはウェブからの自然流入での獲得でしたが、そこが大きく改善されることを期待しています。

ーー営業かける先の企業はそもそもクラウドソーシングを理解して利用できないのでは?

春頃からKDDIさんと一緒に新しいサービスを共同で発表するのですが、そこではオーダーできる仕事の職種はある程度絞ります。さらにこれまでIT系の職種が多かったのですが、ここにリアルの仕事を追加していくことになります。これまでも存在はしてましたが、数百件レベルしかなかったのです。

なるほど、例えば町工場で一時的に手が足りない、清掃が必要になった、調査をするので調べ物をしてきて欲しい、そういった軽作業は確かに存在する。もちろん従来からランサーズが得意にしているチラシや簡単なサイト制作も、高度なディレクションが必要な案件とはまた違うだろう。

ーーでも、これまで数百件しかなかったのであれば、オーダーを受け止めるランサー(働き手)はどうやって確保するんですか?

今回、営業をかける先となる顧客基盤は企業といっても大小あって、クラウドソーシングを使う側にもなるし、実は、請ける側にもなるんです。これはKDDIサイドも持っていた課題で、営業先を探して欲しいとかあれこれ困っているという相談を彼らから聞いていたそうなんです。

これで全て理解できた。つまり、今回の提携はKDDI側の持つ顧客基盤に営業をかけるだけではなく、それら中小企業をマッチングさせる、と考えた方が自然なのだ。そこにランサーズのプラットフォームがあり、KDDIグループの営業がかかる。

ーー例えば新規案件獲得数などでどれぐらいの数字目標を持ってますか?

現在、月間の案件数が1万8000件とかそういう数字なので、その1.5倍は目指したいですね。

今回のアプローチは従来から彼らが考える、クラウドソーシングの「文化づくり」において、非常に合理的な攻め方だと感じた。

一方的に営業されるのではなく、自分たちも仕事にできる、という世界観は双方向のプラットフォームだからこそできる戦略だ。既に事前登録などの営業は動いており、反応は上々だという。

利用が進むか。注目したい。

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