エンジニアがスタートアップする時に考えたい5つのポイント

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歴史を紐解くまでもなく、世界的なテクノロジーカンパニーというのはエンジニアが創業している。

米ヤフーにマイクロソフト、アップルにfacebook、TwitterにDropbox…と並べればいくらでも出てきそうだ。シードアクセラレーターとしてトップに君臨するY-Combinatorが、エンジニアのいないチームを取らないなんていう有名な話もある。

一方で国内はどうだろうか。ソフトバンクに楽天、サイバーエージェント、グリーにDeNA。確かにキーとなるエンジニアはいるが、創業者として現在もトップで経営を切り盛りしている人は数少ないかもしれない。

衛藤バタラ氏はmixi創業期におけるCTOとしてその名を知る人も多いだろう。現在はEast Ventureにてそのエンジニアリングの視点を活かしたスタートアップへの投資活動をおこなっている。

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衛藤バタラ氏

エンジニアによるスタートアップには何が必要なのだろうか。MOVIDA JAPANが開催するスタートアップ向けのオープンスクール「s.school」でバタラ氏が語った言葉をまとめてお伝えしよう。ポイントは次の5つだ。

プロダクトファースト
エンジニア社長が経営者として理解すべきこと
エンジニア社長の課題
東南アジア、日本、シリコンバレーのエンジニアの比較
エンジニアの集め方

プロダクトファースト

バタラ氏は投資先をエンジニア集団に絞って支援していることでも知られている。エンジニア創業者が大切にすべきポイントはとにかくプロダクトファーストだという。

「アーリーステージの投資が多いのでプロダクトをどれだけ作れる能力があるかは大切なポイントになる。もちろんマーケティングとかファイナンスもあるけど、プロトタイプをどれぐらい速くできて、その人が会社の中にどれぐらいいるかで勝負が決まります」。

つまり、コーディング技術やエンジニアの質がすばらしいというよりも「まずはできること」に重点が置かれる。

「エンジニアの質に関しても、必ずしもこの言語がかけないとダメというのはない。プロダクトを作れる、もしくは自分ではここまでは作れるんだけど、ここから先は難しいという相談をしながら進められる能力が必要。経験者は実際どこまで進められるかというのは見たらわかるんです」。

もしも言語にこだわりを持つのであれば、その場所でコミュニティの大きな言語を選ぶのが採用などで有利に働きそうだ。バタラ氏もmixi開発にあたってPerlを使ったことがよく知られているが、この理由も「そこにあったから」とあっさり。

大切なのはそこにあった理由だ。当時ははてな、ライブドアといったテクノロジーに敏感なIT系企業が採用していた言語がPerlだったこともあり、日本にはエンジニアコミュニティが大きく存在していた。

言語はツールであるという認識を持って、人員採用や開発効率など、いくつかの指標で選択することが大切なのだろう。

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East Venturesが公開しているインフォグラフィックとTHE BRIDGEでまとめている投資先情報

エンジニア社長が経営者として理解すべきこと

では少し視点を変えて、エンジニア社長が理解すべき経営者としての視点はどこにあるのだろうか。

バタラ氏は「全くエンジニアリングをわかっていない経営者も、エンジニア社長も成功する確率はべつに変わらないと思う」とした上で「自分のコアがどこにあるかをみんなにしっかり示すことが大切な鍵だ」と語る。

「この人に認めてもらわなければいけないというポジションをつくることが重要なんです。影響力やチーム作り、どうやって仲良く仕事できるかという方法。こういうことをメンバー全員に伝えて、なるほどと思ってもらわないといけません」。

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結局「この人はCEOやってるけど、別にこの会社にいなくてもいい」と思われないようなアイデンティティ、自分のポジショニングを明確にしなければならないとも言い換えられる。

エンジニア社長の課題

一方で、エンジニア社長であればやはりコードを書くことに自分のポジションを見出そうとする人も多いだろう。しかし、そこには落とし穴があるとバタラ氏はいう。

「自分もmixiに入って半年ぐらいまではエンジニア1人ぐらいしかいなかったので、データセンターの契約から全てやっていたんです。けど、相手を信頼して仕事をさせていかないとうまくいかないなと思ったんですね」。

つまり、自分ができるのでやっちゃった方が早いという考え方の人は要注意、ということだ。バタラ氏はこう続ける。

「プロダクトはつくって終わりという世界ではないんです。他の人がマーケティングしてお客さんがついて、お金が入ってきて、というサイクルが回り出す。そうすると技術者は他の人がいないと成立しないことが分かるんです」。

東南アジア、日本、シリコンバレーのエンジニアの比較

さて、ところでバタラ氏はEast Venturesで東南アジアを中心に投資活動を実施している。投資方針としては 日本やアメリカで証明されたビジネスモデルに投資するタイムマシン形式を取っているそうだ。

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East Venturesが投資するインドネシア拠点のコマースサービス「Tokopedia」

ではこの東南アジアのエンジニアというのは現在どのような状況なのだろうか。バタラ氏によれば 東南アジアには大きなサービスがないので、どうやって対応するか分かっても実務の経験がなかったりしてそういう点に不安が残るのだそうだ。

一方でシリコンバレーと日本での技術者のレベルはそこまで違わないとも話していた。違いはコストもそうなのだが、日本のエンジニアは給料とかよりも例えば大量のトラフィックが裁けるとか、あのエンジニアがいるからとかそういう理由で集まることの方が多いと、北米とのエンジニアの質の違いを教えてくれていた。

エンジニアの集め方

最後のアドバイスはエンジニアの集め方だ。

バタラ氏にどうやってよい開発陣を集めるべきかと尋ねたところやはり初期のキーマンは自分の力で見つけないといけないとしつつも「例えば開発者向けのメーリングリストやApacheユーザーグループの掲示板などに並ぶ回答をみながら『誰が出来るのか』を判断してアプローチしていた」と教えてくれた。

ホーム_-_Qiita
国内のエンジニアコミュニティ「Qiita」

現在ではメーリングリストというよりもgithubや国内だけでいえばQiitaのような開発者コミュニティが存在するのでそういうところを巡回するのもいい方法になるだろう。

 

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