メルカリが2周年で1000万DL、流通総額では国内上位に成長ーーインフォグラフィックスを公開

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一杯になって移転となる六本木オフィスとメルカリ代表取締役の山田進太郎氏

昨年の7月、私はメルカリのアプリ公開1周年をまとめた記事を書いた。その時の数字は月間の流通総額10億円達成、ダウンロード数(以下、DL表記)は350万DLだった。ーーそれから約7カ月、会社創業2年というタイミングで公開された数値はその時の驚きを上回るものになる。

メルカリは2月2日、同社が提供するフリマアプリが1000万DLを突破したことを発表した。同時に同社はこの成長を示す数値を記載したインフォグラフィックス(※記事最後部に掲載)を公開、その成長の過程を伝えている。またメルカリは成長による規模拡大に伴い、3月に六本木ヒルズへのオフィス移転も実施する。

インフォグラフィックスからハイライトとなる数字をピックアップすると、現在のメルカリに出品される1日の点数は数十万点で累計となる出品数は約6300万点に上る。出品のジャンル別にはレディースが27%、エンタメ・ホビーが20%、ベビー・キッズが12%と続く。これらの平均出品数は1年前に比べ、約8倍に成長しているということだった。

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メルカリダウンロードの軌跡

メルカリを実際に使ってみて驚くのは取引の速さだ。私も個人的に(テストも兼ねて)何度か出品したことがあるのだが、どれも数分以内になんらかのリアクションが発生している。実際、メルカリ側も売れた商品の約20%が1時間以内に取引を成立させていると発表しているが、あまり違和感はない。ユーザーのアクティブも好調で、平均滞在時間が43分とあまり見ない数字が並んでいる。細かい数値はインフォグラフィックスをぜひご覧いただきたい。

さて、今回会社設立2周年ということでメルカリ代表取締役の山田進太郎氏に話を聞いたのだが、数多くの数値の中で最も気になったのがやはり流通総額だ。山田氏によれば、現時点でヤフー、楽天、アマゾン、ZOZOTOWNなどに次ぐ規模感に成長しているという。

現在、「数十億円」という表現がされているが、350万DLだった際の月間流通総額が10億円だから、単純にその比率で伸びていれば、30億円近くになっていることが想像できる。実際に使ってみた感じやその他の出品数の伸びから考えてこの数値を下回っていることは想像しにくい。となると年間規模は相当に大きいものが予想されることになる。

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メルカリが開催したリアルフリマイベント。コミュニティができつつある

また以前の取材で、取締役の小泉文明氏も言及していたことなのだが、メルカリは単なるマーケットプレースではなく、コミュニティに近い状態になっていることがこの大きな数値を生み出した原動力のように思える。一時期キーワードとしてソーシャルコマースのような「コミュニケーションしながらのショッピング」という概念があったが、もしかしたらそれに近いかもしれない。

「数値的なものはありませんが、ユーザーはアクティブですね。購入した後にありがとうコメントをつけたり、私も利用するのですが、送ってくれた梱包の段ボールにメルカリのマークが入ってたり。何かないかなってウォッチしてる人がいるみたいですね」(山田氏)。

もちろん彼らが目指しているのは国内の上位争いに参加することではない。より高い山頂を目指して力を入れているのが海外展開だ。

「2月、3月は向こう(北米拠点)に行ってる感じにします。日本に比べるとまだまだ不安定。ただ、受け入れについてはイーベイが(国内市場に比べて)4、5倍の規模があります。やはり大きいです」(山田氏)。

課題はカスタマーサポートのスケーラビリティ、詐欺の問題対処やリテンション向上に向けての施策など多岐に渡る。現在、北米担当として駐在している石塚亮氏をはじめ、山田氏、富島寛氏の取締役陣が先頭に立って北米攻略の陣頭指揮に当たっているということだった。ちなみに西欧などの他の地域も視野に入れているが、まだ視察レベルなのだそうだ。

今でこそ大きな成長をみるようになったメルカリだが、最初は他のサービスと同じく積み上げから始まっている。

「日本でコツコツやってきて、リテンションや購入率が上がってそれが大きくなるほどいいスパイラルに入ってくる。最初は苦しかったですよ。1日10万円売れただけでも嬉しかったし。個人で売買するという行為には根強い需要があると感じてます。決済と流通がしっかりしている日本で始めましたが、いつかは途上国を含めて使ってくれるじゃないかな、という世界観は持ってますし、メルカリがそのポジションを得たいと思っています」(山田氏)。

今後、ワンフロアで事業に臨むため、六本木ヒルズへの移転も決定しているというメルカリ。急成長の次に何が起こるのか、まだまだ隠し球があるそうなので、それを期待して待つことにしたい。

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