ミクシィから独立したデプロイゲート、スマホゲーム向けテストマーケサービス「サキプレ」やエンタープライズプランなどを展開する

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DeployGate

以前、THE BRIDGEでも報じた、ミクシィ社の新規事業として生まれた、プライベートテスト配信プラットフォーム「DeployGate」が、正式に2015年2月28日(土)にデプロイゲート社に事業譲渡が完了した。ここに、新しいスタートアップが誕生したといえる。

「サービス開発者とユーザーの距離を縮め、新機能のフィードバックのコストをできるだけなくす」をミッションに掲げた同社の今後について、共同創業者でCEOの藤崎友樹氏と共同創業者でCOOの安田一斗氏に話を伺った。

「ミクシイで得たノウハウがいまに活きている」

従来、スマホアプリは、ウェブサービスと比べてリリースしてからのフィードバックに改善の時間がかかるなど、開発者とユーザ双方にとってのコミュニケーションのハードルが高かった。ぶっつけ本番でのリリースでは、せっかくのアプリが正当な評価をされないこともしばしある。

そこで、アプリ開発者がチームメンバーやテスト担当者、テストユーザなどに対してテスト版アプリをワイヤレスで配布できるサービスが「DeployGate」だ。通常、テスト版アプリを配布するにはUSBケーブルでつなぐ手間が必要だったが、DeployGateではメールから簡単にテスト版アプリをダウンロードすることができる。

「DeployGateのもとになったのは、ミクシィでのAndroid開発の経験から生まれた、mixiのテスト現場を支えるための社内ツールでした。それを、DeployGateという新規事業として2012年9月にAndroidアプリ開発者向けの独立したサービスを立ち上げて2年半、今度は一企業として独立することとなりました」

CEO藤崎氏は、DeployGateのこれまでについて語る。共同代表の安田氏は、ミクシィ社内でアライアンス部門を担当後、新規事業の開発部署を担当。その一号案件がDeployGate(他にノハナなども担当)で、藤崎氏とともに営業などを行っていたという。2014年8月からDeployGate一本とし、事業を成長させてきた。今回の独立にあわせ、藤崎氏とともに起業したという。

すでにリクルートやクックパッドなど10社以上の大手スマホ開発に使われており、さまざまなフィードバックをもとにブラッシュアップし、有料プランとして企業が満足して使えるだけのものになってきたという。とある総合系企業では、全社的にサービスを導入したい、という申し入れもあったとか。

「リリースして2年がたつタイミングで、今後の事業展開をどうするかについて、社内で議論してきました。モンスト(注:モンスターストライク)の盛り上がりがあったなかで、ミクシィとしての事業速度とDeployGateとしての事業速度の違いから、ミクシィ内でやるよりも外に出たほうがやりやすいと社内で結論になり、互いに理解した上で今回の独立を選択させていただきました。実際、現在でもモンストの開発でDeployGateが使われていますし、独立した自社にとってはミクシイも大手クライアントの一つです。また、ミクシィのモンストという大きなゲーム開発を通じたノウハウが、今のDeployGateでもかなり活きています」(安田氏)

そうしたなか、今回の独立を契機に、さまざまなサービスの展開や事業連携を見せ始めている。まずは、3月中にエンタープライズプランを用意している。現在、すでに、個人開発向けやスタートアップなどのスモール企業向けのプランが用意されているが、大手企業は人材の出入りの激しさや複数アプリの管理、情報管理など細かなサービスが求められる。そこで、エンタープライズプランでは、アプリ数や開発者、配布可能なテスターの上限を無制限にし、退職者アカウントの削除や権限付与の細かな設定などを行うことができる。他にも、グループ間で共通利用可能な共有チームの作成や管理、DeployGate開発チーム直通による1営業日サポートなどがある。

開発者とユーザをつなぎながら、一緒にサービスを作る環境を

また、4月中旬からはABC社が運営するAndroidゲーム総合メディア「ゲームギフト」と連携し、スマートフォンゲーム向けのテストマーケティングサービス「サキプレ」を4月中旬に開始することを発表した。ゲームギフト内で先行プレイテスト、いわゆるクローズドβテストを募り、プレイデータやユーザからの評価、フィードバックをもとに本リリースに向けた開発調整を行うことができる。ベータテストを容易にすることで、リリース後の市場ニーズとの齟齬をなくし、開発者とユーザとが一緒になってより良いアプリやゲームを作る環境を目指していくという。

「リリース前に、しっかりとサービスやアプリのファンを作り、ファンと一緒になって改善点を洗い出すことで、その後のサービスの開発の進み方も変わるし、ユーザ目線からサービスの改善点を見出すことで、一般公開したあとのクオリティの高さも担保することができます」

DeployGateは、すでに93ヵ国で使われており、日本は約半数、次に欧米各国、北欧系の国々などが並ぶ。「意外とアジア圏やブラジルなどの南米も多い。ブラジルはAndroidの浸透率が高く、Androidの開発ツールとして浸透している」と藤崎氏。DeployGateはAndroidとiOSをサポートしている。

「今後、エンタープライズプランを進めていきながら、さまざま機能を追加していく予定です。フリーミアムモデルで確実に有料プランを使っていただく割合を増やしていき、アプリ開発のデファクトを目指していきたいと考えています」(藤崎氏)

大きな機能追加や人員確保などのフェーズに踏まえて、調達も視野にいれて事業を進めていきたいと語る。

「以前、CrittercismやGithubの方々と意見交換をする機会があったが、彼らのようにさまざまなサービスと連携したり、開発者によって居心地の良いサービスとなるようなものを目指したい。そのためにも、日本国内だけでなく、早々に世界に向けてアプリのテストマーケティングサービスといえばDeployGateと呼んでもらえるようにしたいと考えています」(藤崎氏)

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左から、CEOの藤崎友樹氏、COOの安田一斗氏