スペインの14歳の少女が、自らデザイン・開発したモバイルゲームをリリース

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Above: Crazy Block from 14-year-old developer Lucia Sanchez. Image Credit: Unicorn Games
上: 14歳の開発者Lucia SanchezがつくったCrazy Block
Image Credit: Unicorn Games

私が14歳のときのことを考えてみると、自分で作ったものの中で一番クールだったのは2 x 4インチの木片だった。木片にはくさびが入っていて、それがあれば手を使わずに雪や泥がついたブーツを脱ぐことができたのだ。私は器用ではなかったが、今になれば、14歳の子供がみな私のようではないことが分かる。少なくともプログラミングに関しては、それは明らかだ。

Crazy BlockはAndroid向けの新しい無料ゲームで、現在Google Playから入手できる。このゲームはスペインの14歳の少女Lucia Sanchezさんが作ったもので、彼女は独学でゲームの開発手法を学び、今月、自らの手でそれをリリースした。彼女は、オープンツールやプラットフォームがあれば、ゲームを作ってファンを獲得することができることを示す最新の例だ。

Sanchezさんはスペイン南東の街アリカンテの出身だ。彼女は学生で、ゲームを開発すること以外には、ウィンドサーフィン、絵を描くこと、読書が好きらしい。彼女はまたウェブデザイナーでもある。私たちはCrazy Blockやそこに至るまでのストーリーについて彼女に詳しく話を聞いた。

「約2年前からゲームを作り始めました。その頃両親が新しいコンピュータを買ってくれたのです」とSanchezさんはGamesBeatに語る。

「14歳の少年がゲームを作り、そのダウンロード数が100万を超えたという話をインターネットで見つけました。すごいと思って、私も同じようなことをやりたくなったのです。」

その後彼女はゲームをリリースするという目標に向かって真剣に取り組もうと決め、Stencylと呼ばれるゲームデザインツールを選んだ。Stencylはコードを書かなくてもドラッグアンドドロップでゲームを制作できるキットだ。

多くの開発者が初めてゲームを制作するときにはこのツールを使う。Stencylで制作された有名なゲームとしては、FlashゲームのMibibli’s QuestやSteam上にあるGhost Songなどがある。

彼女はStencylを選んだ。それが簡単だと思ったからだ。しかしその考えは間違っていたと気づく。

「使い始めてみると、とても難しいとわかったんです。」

Above: A glimpse of Crazy Block from Lucia Sanchez. Image Credit: Lucia Sanchez
上: Lucia SanchezがつくったCrazy Blockの一画面
Image Credit: Lucia Sanchez

粘り強さの勝利

さて、もし私なら何らかの困難に突き当たった時点で諦めてしまっていたかもしれない。しかし彼女はそうしなかった。授業を受けることも、見守ってくれる先生に付くこともないまま、彼女は自分だけの力で最後までやり通し、答えにたどり着いた。

「実際、私は誰の助けも借りませんでした」と彼女は言う。「唯一力を借りたのはYouTubeの動画とインターネットだけです。」

明確な目標があったことも彼女にとっては幸いした。彼女は初めから携帯電話でリリースできるゲームを作りたかったのだ。そのためのプロセスを理解し、根気強く取り組んだのだ。「2年もかかりました」と彼女は語った。

「自分にとって一番面白いのは各レベルをデザインすることです。コンピュータ上で実際にデザインする前に一つ一つのレベルを紙に描いてデザインしました。あとレベルのデザインはなかなか手強い部分でもあって、新しいレベルを生み出すのが時にすごく大変だったりもしました。」

だが、彼女はその後また作業を続け、最終的には彼女自身が満足できる場所にたどり着いたのだ。

「多くのレベルのデザインを完了させた時点でCrazy Blockをリリースしようと思いました。何度も繰り返しテストを重ねました」と彼女は述べた。

「Google Play上でリリースしたとき、本当に嬉しかったです。2年もかけて開発を続けてきたので、 信じられない気持ちでした。自分のゲームをストア上で見て、自分のことを本当に誇りに思いました。」

実際にやってみて学ぶ

今のところCrazy Blockは「ヒット」と呼べるレベルには到達していない。現在インストール数はおよそ150だと彼女は教えてくれた。同ゲームには広告が掲載されているが、広告収入は全くないという。だが彼女はそんなことは気にも留めていない。

「ゲーム制作から学んだことはお金よりも価値のあるものですから」と彼女は述べた。

彼女が学んだこととは? 彼女の説明を聞いてみよう。

「私にとってCrazy Blockを制作することはすごく良い経験でした。ゲーム制作を始めたとき、私はプログラミングの知識がなかったのでとても難しかったです。毎回エラーが発生するたび、何をしたらいいのかわかりませんでした。一度はゲーム制作を諦めようとさえ思いましたが、チュートリアルの動画を見たり、インターネット上からヘルプを得て、Crazy Blockができあがったのです」

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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