モバイルに特化して開発された、iOS/Android組み込みで動くデータベース「Realm」。一般公開から9ヶ月経たずして、Realmは世界で2番目に多く導入されるデータベースへと成長しています。
2011年の夏のY Combinatorプログラムを卒業した同社は、Khosla Venturesを筆頭とするシリーズBで新たに2,000万ドルを調達したことを発表しました。Greylock、Redpoint、Andreessen Horowitzなどから、これまでに総額2,900万ドルを調達したことになります。
BuzzFeedやZynga、日本ではチャットワークなどが導入
Realmは、OracleやMySQL、MongoDBに類似したデータベースですが、現代のスマートフォンに最適化されて開発されました。サーバーサイドではなく、ユーザーのiPhoneやタブレットなどの端末で直接動作するデータベースで、これまでに1億台を超えるデバイスで稼働しています。
Realmを使うことでエンジニアにもたらされるメリットはいくつもあります。まずは、SQLiteなどと比べて、大量のコードを書くことから解放され、iOSとAndroidなどクロスプラットフォームで一つのデータモデルを構築できること。またサーバー台などのコスト削減や、ユーザーの個人情報を自社サーバーに保存せず、個々の端末上で扱えるといったセキュリティ面での利点もあります。
導入企業には、GrouponやBuzzfeed、Rite Aid、Zynga、Expensifyなどが名を連ねます。日本国内でも、「チャットワーク(ChatWork)」がそのAndroidアプリで、また転職相談アプリ「JOBKUL(ジョブクル)」がiOSとAndroidで導入するなど、導入企業が増えています。
日本人エンジニアも参画
![Realmのチームにジョインした岸川克己さん](https://i0.wp.com/thebridge.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/Realm-Katsui-Kishikawa-640x313.png?resize=640%2C313&ssl=1)
データベースが端末への組み込みで動くことは、ユーザーにとってもよりスムーズなユーザー体験を約束します。アプリの応答待ち時間が減り、またオフラインでも必要なデータにアクセスできるため、モバイルネットワークやWi-Fiがない状態でもアプリを使うことができます。
今回の資金調達についてお話を伺ったのは、Realmのエンジニアである岸川克己さん。同社のエンジニアが日本に来日した際に、知り合いを通じて彼を囲むミートアップを開催。その後、そのエンジニアから連絡が来て、何度かSkypeでの面接やプログラミングの課題を経てジョインすることに。現在は、日本にいながらリモートで仕事をし、Realmを活用する日本のエンジニアをサポートしています。
現在、20名強のメンバーから成るチームですが、2015年中にグローバルに採用し、人数を倍に増やすとのこと。また、iOSとAndroidに加えて、その他のモバイルプラットフォームにも対応していく予定です。
2月20日に開催されたという「Realm Tech Talk」の模様がこちらでレポートされているようなので、併せてご覧ください。
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