M&Aを成功に導くために、忘れるべきではない5つのこと

本稿は、Tasso Roumeliotis氏による VentureBeat への寄稿だ。

Tasso Roumeliotis氏は、Location Labsの創立者でありCEOである。Location Labs以前は、Claridgeで副社長を務めていた。Claridgeはワイヤレスおよびメディア関連で30億米ドルのファンドを運用する企業だ。彼はまたBain & Companyに勤務していたこともあり、そこでは最も高い評価を受けたこともある。

via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Mike_fleming“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

私が創設したモバイルセキュリティ企業Location Labsは先日、2億2000万米ドルでウイルス対策企業のAVGに買収された。私は会社を創設したその日から、自分の会社がいつか買収されるかもしれないと思っていたが、M&Aが成功した背景には確固たる戦略を保ってきたという点がある。

ゼロからビジネスを成功させたからといって、M&Aが簡単に運ぶとは限らない。それは全く別の世界だ。いまだ問うていない疑問はないだろうか? まだ話を聞いていない人はいないだろうか? 見逃している必要不可欠なステップは何か? 同じような冒険を始めようとしている人へ、もしくはただリサーチしているだけの人に、5つのアドバイスを共有したい。実際に足を踏み入れる前に、ぜひ以下の点を熟考してみてほしい。

1. 最高財務責任者は「とんでもない奴」でなければならない

具体的にいえば、戦略には全くもって抜かりがなく、途方もなく考えが整理されており、3~4ヶ月ぶっ続けで毎週100時間でも働けるような人間のことだ。こういう人材がいなければ、うまくいくことはない。CEOが財務のモデル作りをしているとしたら、交渉ごとやルール作り、取引関係の雑事に注げるエネルギーは少なくり、手の届く範囲でしかやれないだろう。M&Aまでの過程は、他人の仕事を優先してやる必要がないにしても、十分にストレスに満ちたものなのだから。

2. 法律事務所は非常に重要

M&Aを担当する法律事務所に十分な経験があることを確かめよう。そして相手方の会社の法律事務所も同じくだ。理想をいうと、この両社が過去に一緒に仕事をしたことがあるとよい。良好な関係を構築することに気を取られず、手元の取引に集中できるからだ。私たちは法律事務所を注意深く探し、Goodwin Procterを選んだ。彼らはFacebookによるOculus Riftの買収や、GoogleによるAdMobとNestの買収といった案件を担当しており、経験があるのは明らかだ。

3. 一目惚れではいけない

買収とは契約としての結婚であり、お披露目のウェディングではないということを肝に銘じること。買収が成功におわるには、興奮と熱狂程度のものでは全然足りない。必要なのは心からの誠実さと綿密な計画、そして詳細に渡る現実的な目標設定だ。ほぼ6ヶ月もの間、私たちとAVGの関係が前進を見せることができたのは、買収後の様相について明確なビジョンを持っていたからにほかならない。

まだ最近の話ではあるが、Twitterによるソーシャルネットワーク系企業Nicheの買収は、この点で賢明だったと思える。Twitterは2014年、アナリストによる収益予想やEPSの予想を上回ったものの、年末期の月間アクティブユーザは伸び悩みを見せた。端から見れば、Twitterはユーザを増やす方法を模索していたとなるだろうが、Nicheの方も実際に収益を伸ばせる可能性が高い。Twitterが期待するのは、Nicheが健全な雇用条件下で自社のチームを連れてきて、これまで良い結果を生んできた行動を続けることであるのは明らかだ。

4. 正直であること

物事をいち早く進めようと数字を大きく見せたくなる気持ちはわかるが、ぐっとこらえること。取引には想像以上の時間がかかるものなのだ。誇張された数字によっていつか痛い目を見ることになる。事実を伝え、飛躍しないことだ。例えば、商談に1年から1年半を要するとしよう。早い段階で期待に泳がされてしまうと、最後の最後になってから目標を見失い、泣きを見ることになる。まさに手中にしようとしていた商談が消えてなくなるのを目にすることだろう。約束はあくまで控えめに、結果は大きく残す。

5. 何でも7回繰り返して伝える

従業員にM&A交渉の発表をするのは一度きりで済む話ではない。継続した透明性は必要不可欠なものなのだ。いつでもどこでも何度でも、それこそ会議室でも、1対1の場でも、ばったり会った時にでも、訪れる変化が一人ひとりの日常生活とこれからにどのような意味を持つのか、はっきりさせておかなければならない。

私たちのもとには、Ciscoが買収した時にFlip Videoで働いていた者が2人いるが、彼らはひどい経験だったと言う。彼らの話を聞いて、これこそ反面教師だと思った。CEOがやってきて、会社が買収されたと伝え、そのまま何も連絡がなかったという。企業としての目標に対する現実的な計画も、従業員の役割がどうなるのかについても、何もなかったのだ。もちろん、数年後にはビジネスは立ち行かなくなり、全員を解雇した。このようになってはいけない。リーダーでいること。つまり、その場限りの仕事をしないことだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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