デジタルファブリケーションの作品コンテスト「YouFab」が応募受付中

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デジタルファブリケーション領域の優れた挑戦を表彰するグローバルクリエイティブアワード「YouFab Global Creative Awards 2015(YouFab)」がスタートした。YouFab は、デジタルファブリケーション領域の価値向上と活性化をクリエイティブという側面から推進している、2012年から毎年開催されているグローバルの作品コンテストだ。

デジタルファブリケーションのテクノロジーの進化は、プロダクトそのものを変えるだけでなく、デザインのあり方を変え、生産のあり方を変え、流通のあり方を変え、 産業構造や社会構造のあり方までも変えようとしている中、鍵になるのが「クリエイティブの力」。

「すぐれたイノベーションも、発明も、何をクリエイトするのか、どうクリエイトするのかの視点なくしては人々の心を魅了することもない」という信念のもと、YouFab が取り組まれている。

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2014年度のYouFabでは、世界27ヵ国から143作品の優れた作品が集まり、グランプリ作品は、AKI INOMATAさんの「やどかりに「やど」をわたしてみる」。やどかりのやどをスキャンし、都市のデータを加えて3Dプリントした上で、やどかりが気に入れば引っ越してもらうという作品。

今年の審査員は、慶應義塾大学SFC准教授 田中 浩也氏、クリエイティブキュレーター 四方 幸子氏、ライゾマティクス 齋藤 精一氏、ほか台北やバルセロナ、バンコクを代表するクリエイターや識者ら。

審査員の慶應義塾大学 SFC 准教授/FabLab Japan 発起人である田中浩也氏は、

言うまでもないかもしれませんが、いかにも「3Dプリンタでつくりました!」とか「レーザーカッターでつくりました!」というものではなく、これまで全く見たことがないような、別の質を備えた衝撃的な物体を見たいと思い、審査員をお引き受けしました。

グローバリズムが進み、世界のどこへいっても、似たような音楽が流れ、似たような映像が流れ、似たような3Dプリンタから似たようなオブジェクトが生まれている昨今ですが、そうした「均質化」を超えるための、人間の多様なクリエイティビティ、芸術的本能こそが、いま切実に問われているのだと思います。

あらゆる技術は「諸刃の剣」ですが、デジタルファブリケーションも典型的な「諸刃の剣」です。この剣の意味を深く掘り下げる機会になればと思っています。

とコメントしている。

エントリー受付期間は、2015年7月1日から2015年9月30日まで。

応募対象は、3Dプリンター、レーザーカッター、CNCミリングマシンなどに代表されるデジタル工作機械によって生み出されたもの、またはモノを生み出す機械そのもののクリエイティブ全域が対象で、企画書、設計図など構想段階ではなく、具体物として完成していることが条件だ。

応募カテゴリーは、「PRODUCTS(デジタル工作機械によって作り出される製品)」「ART(デジタル工作機械によって作り出されるアート、インスタレーション、アート活動、パフォーマンス、LIVE)」「MACHINES(ユニークなデジタル工作機械そのものの発明、開発)」「HACK(既製品をハックしてつくられたもの)」「BEYOND(上記のどれにも当てはまらないもの。もしくは上記のどれかを組みあわせたもの)」。

グランプリ受賞者には、トロフィーと賞金1,000ドルが贈呈される。

我こそはというクリエイター、スタートアップは応募してみたらどうだろうか。

※情報開示:筆者は当イベントの運営元と契約関係があります。

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