KLabが新たにKLab Venture Partnersを立ち上げ、フィリピンと東南アジアへ進出

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日本を拠点とするベンチャーキャピタル企業 KLab Ventures の投資活動が、新たな企業 KLab Venture Partners に取り込まれることが今日(原文掲載日:10月21日)、発表された。KLab Ventures は、ソーシャルおよびモバイルゲーム企業であるKLabと日本の金融サービス企業グループSBIに共同で所有され、ポートフォリオ活動の支援を継続する予定だ。一方、今回の新しい KLab Venture Partners にはSBIからの投資の予定はなく、KLab の完全子会社となる。

ローンチにあたり新たな資金が必要になるが、同社は年末までに調達できることを見込んでいる。現在、同資金におけるリミテッド・パートナーシップ(LP)候補を検討している。また、「成長中の国内外のあらゆるIT企業」への投資に関心を寄せているという。まずは日本で投資する計画であるが、アメリカおよび東南アジアへも目を向けるだろう。

フレッシュスタート

CEOの長野泰和氏は、KLab Venture Partners と KLab Ventures の投資対象のスタートアップ選定方法には、はっきりとした違いはないという。KLab Ventures は以前、マルチメディア、ソーシャルネットワーキング、企業向けソフトウェアのスタートアップへの投資経験がある。顕著な違いの1つとしては、KLab Venture Partners はこれからシードステージのビジネスへより目を向けるということだろう。

KLab の完全子会社として、新しい VC は親会社のリソース、技術、そしてネットワークを最大限に活用することができると長野氏は指摘する。割り当てられた資金を投資していた以前のVCである KLab Ventures にとって、完全に KLab 傘下にありながら新しい会社を始めるのには適した時期である。

彼は、この新会社が主なリードインベスターになるのか、それとも他の投資ラウンドに参加する形になるのかは明らかにせず、これはケースによると述べる。同様に、各スタートアップへの投資規模と株式についてはスタートアップの段階により決定される。

KLab Venture Partnersは2016年に、フィリピンの首都マニラで支店を開設することを計画している。これにより、同社の東南アジア市場への進出が期待できる、と長野氏。同社はフィリピン市場の持つ可能性、そして現在多くのVCがまだないことに対する期待を抱いている。

長野氏は KLab Venture Partners を切り離すために、KLab のサポートとリソース、そして KLab Ventures の過去3年半の業績を頼りにしている。アメリカの教育会社 EnglishCentral に買収された英語学習スタートアップの Langrich など同VCのポートフォリオ会社は、シードラウンド後のさらなる投資、そして成功を期待している。

15時更新:前バージョンの本記事は、KLab Venture Partners が KLab Venturesに代わるものであり、Utagoe が KLab に買収されたという誤った記載がありましたが、修正されています。

KLabのフィリピン進出は、フィリピンのエコシステムにとって朗報だろうか? コメント欄で皆さんの考えを聞かせてほしい。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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