「つなぎのラウンドでは評価額を上げるんじゃない」ーーVCが語る資金調達とお金の使い方に関するアドバイス

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Image Credit : fire eater / robwiss on Flickr

<ピックアップ> 12 things we learned as a new VC fund

先日もベンチャーキャピタルの経験談としてこのような記事を掲載しましたが、またひとつVentureBeatに載ってましたのでご紹介。あるある話から、結構具体的な感想まで12の項目にまとめてくれてます。

<参考記事>

寄稿しているのは韓国でハードウェア系のシードアクセラレーター「SparkLabs」なども運営するSparkLabs Global Venturesの共同創業者でゼネラル・パートナーのBernard Moon氏。ハードウェアを手がけるだけあって、「Hardware is really hard(ハードウェアはマジきつい)」なんて体験談も最後に掲載していました。

で、私が気になったのが7と8の項目ですね。書いてあるのはいわゆるバリュエーションのとバーンレートのお話です。実はここ数カ月、いや、1年ぐらいですかね、この評価や資金難に関する話題が本当によく出てくるようになりました。

最初の内容としては評価額を最適化(optimize)するな、というものです。資金調達のラウンドにおける評価額というのは回を重ねると前回よりも企業が成長しているという前提に立つので、(評価額が)上がるというのが通常の考え方です。しかし、当然ながら企業の成長というのはそんなに単純なものではありません。実際は計画よりも低い成長率なんていうのはザラにあります。

ここで出てくるようになった考え方がブリッジラウンド、つまりつなぎの資金調達なのですが、ここで評価額を「形式的に」上げるなというのが彼のアドバイスです。上げることで企業の実態と評価額が乖離し、次の投資家が付かなくなるのを避けるためです。当然、起業家側の株式比率は下がりますが、このようにアドバイスしています。

If you are in need of a bridge round, keep it at the same valuation or a very small bump because speed is essential, not your ownership percentage.(つなぎのラウンドが必要になったら同じ評価額かすごく小さいアップに留めるようにしろ。スピードこそが本質であり、お前の株式比率など知ったことではない)

起業家と投資家というのはよく私たちも「良きパートナー」とか「竹馬の友」的な表現でお伝えしていますが、その実態はリスクだらけの事業計画で無茶をする側と、強烈な優先株式などのツールを使ってLPから預かる資金の権利を守る側のセットだというのがよくわかります。

評価額というのは市況や企業、投資家の思惑、出口戦略などにも影響されて、実態の企業経済とは違うところで決まったりすることも多いのですが、最終的に起業家と投資家をつなぐ唯一無二の定量情報であることは間違いありませんので、将来的な道筋に対して整合性が取れるように設計することをオススメいたします。

あともう一つがバーンレートの件ですね。これは主にシリコンバレー方面での話題に多いのですが、とにかく大量に資金調達して大量に燃やすUberスタイルが目立ちすぎたために出ている警鐘なのだろうなと思っています。この件は昨年もこんな話題がありました。

<参考記事>

Low versus high burn rate?(バーンレートは高いほうがいいか低いほうがいいか)という質問の答えは「ケースバイケース」。まあ、当然といえばそうなのですが、Bernard氏はゲームなど当たるかどうか時間のかかるものは低く、ハードウェアなどのそもそも資金がかかるものは大量に調達しておいて準備、フィンテックやコマースなんかはスピード勝負だから燃やせ、とアドバイスしています。

ところで先日、ある国内投資家と会った際に男性起業家は金使いが荒くて困る、という話を聞きました。少々成功した程度で接待交際費をやたらと浪費する、というのです。

スタートアップにとってお金というのは時間であり、バロメーターです。資金がどのように集まり、どのように燃えるのか、この分析というのはその企業の健康状態を測る上で重要な指標になるのではないでしょうか。

via VentureBeat

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