プロモ動画で火がつき3,400万ドルの事前予約を集めた「Lily Camera」が廃業と同時に告訴される

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<ピックアップ> What happened to the Lily Camera drone?

多くの人が事前予約の形でその期待を表したカメラドローン「Lily Robotics」。2015年半ば、未来を彷彿させる「ドローンが人を追いかける」プロモ動画をリリースし、話題を呼んだ。

金額にして3,400万ドルの事前予約が殺到し、またトップクラスの投資家から1,500万ドルの調達にも成功した。しかし、たび重なる出荷遅延の後、今年1月12日にたった一台も出荷することなく店じまいすることを発表した。

創業者はそのブログで、製造ラインを確立するための調達に臨んだが失敗に終わったと書いている。また、事前予約していた顧客への返金の準備を進めているとある。

いっぽう、廃業を発表した同日、Lilyは告訴されている。カリフォルニア州の住民を代表するという訴訟は、同社がプロモ動画を用いて顧客を意図的に欺いたと訴える。プロモ動画は、GoProとLilyの競合にあたるドローンを専門家が操ることで撮影された、と。

サンフランシスコの地区検事事務所の担当者は、Lilyを何ヶ月にも及んで調査してきたことを明かした。プロモ動画が上述のような形で撮影され、それを意図的に隠したことを認める内容のEメールを入手している。動画を撮影した時点では、Lily Cameraのプロトタイプすら存在しなかったというのが地区検事の見解だ。

さらに、サンフランシスコでは出荷に30日以上の遅延が生じる場合、遅延しても製品を受け取りたいかの確認が法的に義務付けられている。顧客がNOと答えた場合、また返信がない場合は、直ちに返金する必要がある。Lilyは遅延にまた遅延を重ねたにも関わらず、この確認を怠った。

問題の動画は以下のものだ。

via. Recode

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