スマホが普及した日本市場に狙いを定める、欧州発のモバイルウォレット「Yoyo Wallet」——シェア20%の獲得を目指す【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


Image credit: Yoyo Wallet

ヨーロッパで最速の成長を見せるモバイルウォレット・プロバイダ Your Wallet は、世界市場への展開を検討しているが、現在は特に日本を中心にアジア太平洋地域での展開に集中している。ロンドンを拠点に創業から4年目を迎える Yoyo Wallet は、2ヶ月前にシリーズ B ラウンドでの資金調達を実施したばかりだ。最近シンガポールに試験拠点を開設したように、Yoyo はアジアで強力なパートナーを見つけるのに十分な資金を獲得したことになる。また、同社は海外における状況把握の観点から、(まだステルスのようだが)ニューヨークオフィスを通じて市場の下調べを続けており、Yoyo Wallet の共同創業者で CEO の Alain Falys 氏は今週、楽天 FinTech カンファレンス2017に参加するため東京にいた。Falys 氏は昨年にも日本を訪問している。

Image credit: Yoyo Wallet

楽天 FinTech カンファレンス2017には、連続起業家の Falys 氏だけでなく、イギリスの金融プロバイダ PremFina の CEO Bundeep Singh Ranger 氏(カナダのマギル大学、コロンビア大学ジャーナリズム校卒業で、メディアからも注目を集めている)や、ブロックチェーン活用を主とするスタートアップ Wyre の共同創業者兼 CEO の Michael Dunworth 氏(以前はシドニーを拠点とする資金移動の専門家だったが、現在はサンフランシスコを拠点とする起業家)が登壇。ホテルニューオータニを会場に9月27日開催された同イベントで、フィンテックにおけるイノベーションについて語り合った。このカンファレンスには、一橋大学名誉教授である野口悠紀雄氏(筆者が以前、雑誌「BP Navigator」に寄稿していたとき、彼も寄稿者だった)などの著名人も参加し、ブロックチェーンやデジタル経済について語った。

Image credit: Yoyo Wallet

Falys 氏は以前、グローバルな電子請求会社 OB10(現在の Tungsten Network)を創業した人物だ。CEO の Falys 氏によれば、Yoyo Wallet はこれまでにもあったスマートフォンユーザ向けのモバイルウォレットというだけでなく、小売店舗が Yoyo のプラットフォームを通じてシンプルで素早く魅力的なしくみを活用し、ePOS を強力なビジネスジェネレータにできるツールだ。簡単に要約すると、このモバイルアプリを使えば、ユーザは電子的なポイントカードとして特典を獲得できるとともに、店舗には買い物に来た顧客がどのような嗜好を持っているかを知らせてくれる。ローンチからわずか3ヶ月で、ヨーロッパで650店舗のカフェチェーンを展開する Caffè Nero での支払総額の5%が Yoyo Wallet 経由になっていることかわもわかるように、消費者が Yoyo Wallet を利用する意欲はさらに高まっているようだ。

Image credit: Yoyo Wallet

Falys 氏は、Yoyo Wallet が持つ顧客への特典付与機能が、ドイツ人の購買傾向と同じく、日本人の支払に現金を好む傾向を変えると見ている。Yoyo Wallet では、税金の請求も取り扱えるデジタルマネー特化型(現金を扱わないタイプ)への移行も可能だ。同社のイギリスでの事業は、学生がアーリーアダプターだった大学業界を中心に展開されたが、日本の学食はイギリスのそれとシステムが異なることもあり、Yoyo Wallet は日本では小売業界をターゲットとする可能性が高い。Yoyo Wallet は日本で適切な地元企業をパートナーとすることで、モバイル決済市場の20%のシェア獲得を目指している。Falys 氏はセキュリティや懸念点を明確に述べていたことから、彼と彼の会社が日本市場に参入するできることを願っている。