福岡/東京を拠点に、物流や流通最適化ソリューションを開発・提供する New Revo. (ニューレボ)は20日、プレシリーズ A ラウンドでジェネシア・ベンチャーズから5,000万円を調達したことを明らかにした。これは New Revo. にとって、今年6月に実施したシードラウンドで F Ventures からの資金調達(調達額非開示)に続くものだ。 New Revo. は2016年8月、福岡出身…
同社がターゲットとするのは、国内過剰在庫54兆円のうちの30%に相当する16兆円、1社平均1,200万円とされる市場。ロジクラの本リリースからはまだ1ヶ月半ほどだが、これまでに50社以上からの問い合わせが寄せられているそうだ。今後、各種システムとの API 接続を強化し、返品データ、在庫データ、出荷データの一元管理だけでなく、仕入れのリードタイム、売れ筋情報、販売データなどを弾き出せる包括的な物流・流通支援プラットフォームに育てていきたいという。
今回調達した資金を使って、New Revo. が最も注力するのは AI 人材の採用だ。同社によれば、前述した需要予測の機能を一定の精度で提供するには約2年間分のデータを蓄積する必要がある。今年本格的に事業を開始した New Revo. では、十分なデータ量が集まり需要予測の提供を開始できる時期として、2019年をターゲットに掲げている。顧客開拓やデータ収集と並行して、需要予測のアルゴリズムなどを確立するため、機械学習分野のエンジニアの募集を始める。
東京に拠点を置くコグニティは19日、プレシリーズ B ラウンドで約1.5億円を調達したと明らかにした。このラウンドのリードインベスターはグローバル・ブレインで、三井不動産(東証:8801)が参加した。これはコグニティにとって、2016年に実施したシリーズ A ラウンド(グローバル・ブレイン、アルプス電気、beBit UCD Ventures、リバネス子会社のグローカリンク、人材コンサル大手のアクティブアンドカンパニー、SMBC-VC が出資に参加。調達額非開示)に続くものだ。
エンジェルラウンド、シリーズ A ラウンド、プレシリーズ B ラウンドを通じて、同社がこれまでに調達した合計総額は約2.8億円。今回の調達を受けて、コグニティはコアメンバーの採用により組織体制の強化を図り、来年以降の海外展開準備に備えるとしている。また、今回の調達とあわせ、ソニーやソニーエリクソンを経て、DeNA でソーシャルゲームのスマートフォン向けプラットフォーム開発に携わり、本社執行役員・欧米子会社 DeNA West の VP を歴任した近藤和弘氏を取締役 COO に迎えたことを明らかにした。
〝伝え方の見える化〟で、企業の売上向上に貢献
UpSighter Image credit: Cognitee
コグニティは、代表取締役の河野理愛氏が学生起業、ソニーのビジネス戦略部門や DeNA を経て2013年に設立。認知バイアスを取り除き、従業員のトレーニングやモニタリングに役立てることができる企業向けサービス「UpSighter(アップサイター)」を開発・提供している。UpSighter は、スピーチ、セールストーク、プレゼンテーションなどを解析・数値化し、より人に伝わりやすいコミュニケーションを提案するサービスだ。
話している内容(インプット)から、解析・数値化されたアセスメントシート(アウトプット)までには、10人以上のリモートワーカーが中間生成物をリレーしていく。ある担当者は自分のタスクに関する To Do は理解しているが、それ以外のタスクについては知識を求められない。このしくみのおかげで、UpSighter には専門知識を持ったコンサルタントが必要なく、主婦の在宅ワーカーに1ヶ月間研修を受けてもらい、テスト合格を経て本作業に入ってもらえるのだという。
AI で典型的なラーニングをするにはビッグデータが必要だし、そもそも人間がよくわかっていないものを、いきなり AI にやらせるというのも無理。(近藤氏)
昨今の、なんでもかんでも AI な状態において、これはなかなか、目から鱗が落ちるようなアプローチだ。AI を導入するにも、その AI を実装したり、チューニングしたりするのに一定のコストや時間がかかる。何より教師データが必要だ。UpSighter では、業種や業態に依存せず3件(例えば、3人の正式優秀なセールスパーソンの話す内容)があればモデルケースの抽出が可能で、そこから他の社員のアセスメントを始めることができる。
また、一般的に人に依存するタスクはスケーラビティを確保しにくいが、作業工程に FA やリモートワーカーの考え方を持ち込むことで、UpSighter のビジネス拡大には青天井で対応が可能になる。さらにデータが蓄積されれば、必要に応じて、工程単位で作業を人から AI にリプレイスしていくことも可能だろう。