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在庫管理SaaS「ロジクラ」運営、STRIVEや三井住友海上キャピタルらから3.6億円を調達——ECフルフィルメントを強化

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<11日18時15分更新> 調達額に含まれるデットの調達先を訂正。 クラウド在庫管理 SaaS「ロジクラ」を運営するロジクラが、直近のラウンドで3.6億円を調達したことが明らかになった。このラウンドに参加したのは STRIVE と三井住友海上キャピタルで、調達金額には三井住友海上キャピタル日本政策金融公庫からの融資が含まれる。今回ラウンドは2017年6月のシード調達(推定調達額は数百万円程度)、2…

ロジクラの皆さん
Image credit: Logikura

<11日18時15分更新> 調達額に含まれるデットの調達先を訂正。

クラウド在庫管理 SaaS「ロジクラ」を運営するロジクラが、直近のラウンドで3.6億円を調達したことが明らかになった。このラウンドに参加したのは STRIVE と三井住友海上キャピタルで、調達金額には三井住友海上キャピタル日本政策金融公庫からの融資が含まれる。今回ラウンドは2017年6月のシード調達(推定調達額は数百万円程度)、2017年12月に実施したプレシリーズ A ラウンドでの5,000万円の調達、2020年に実施した1.2億円の調達に続くものだ。

ロジクラは2016年8月、福岡出身の長浜佑樹氏が設立(当時の社名は New Revo.)。起業当初は食品・日用品の即日配送アプリを運営していたがピボットし、在庫管理 SaaS「ロジクラ(当初の名前は、「Zaicos(ザイコス)」や「NR クラウド在庫管理」)をローンチした。ロジクラを使うと、入荷から在庫管理、受注オーダーの自動取り込みから出荷までの全ての物流オペレーションを一元管理し、倉庫業務を効率化することができる。

ロジクラは昨秋から「3PL(third-party logistics)パートナープログラム」を開始。倉庫探しに困っている EC 事業者向けにパートナー倉庫の無料マッチングを行い、これまでに全国100拠点以上の倉庫事業者と連携し、物流ニーズにマッチした支援を通販事業者に提供しているという。先月末には佐川グローバルロジスティクスと業務提携、東京・南砂の次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」を活用した国内最速・最大級の EC フルフィルメントサービス「XTORM」を共同で開始した。

<関連記事>

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コロナ禍で商品小売のオンラインシフトが進み、物流のニーズは大きく変化しつつある。そんな中で、EC 事業者にロジスティクス側が提供できる機能がフルフィルメントサービスだ。フルフィルメントと言えば「フルフィルメント by Amazon(FBA)」が有名だが、ロジクラが顧客としているのは、主に BASE、STORES、Shopify などで自前で EC 店舗を運営している事業者だ。XTORM を使えば、こういった自前 EC 事業者が FBA のようなサービスを受けることが可能になる。

XTORM では、お客さんから注文が入ると、ロボットに指示が伝わり自動で出荷が可能。Amazon を使っていない D2C スタートアップなどにも使ってもらうことができる。在庫さえあれば、自動的に出荷作業が進むので、60サイズまでなら1日最大で5,000点、1ヶ月で最大15万点の出荷を裁くことができる。今夏以降、関東圏では、未明2時までに入った注文を朝9時までに届けるサービスも可能になる。(長浜氏)

XTORM は特に Shopify を使って商品を販売する事業者をメインターゲットに据えているようだ。現在は、ロジクラを通じて XTORM に注文が伝わる仕組みだが、ゆくゆくは XTORM のアプリを開発し、Shopify 連携可能なアプリとして公開することも検討している模様。今回調達した資金は、そうした機能強化に使われるものと見られる。

今年3月にニューヨーク証取に上場した韓国の EC 大手 Coupang(쿠팡)は、ソウル首都圏を中心に、深夜0時までに入った注文を翌朝7時までに届けるサービスで Amazon にまさる UX を提供している。XTORM を使えば、日本でも同じようなスピード配達の提供が可能になる。楽天は日本郵便と物流領域における戦略的提携を行い、先週、JP 楽天ロジスティクスを設立した。ヤマト運輸は EC 向け新配送サービス「EAZY」を開始している。

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1年で1万倉庫獲得、物流をマケプレ化するロジクラがGVなどから1.2億円調達、オリコとは金融商品の開発も

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ニュースサマリ:物流倉庫の在庫管理SaaS「ロジクラ」を開発するニューレボは1月15日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先になったのはジェネシアベンチャーズ、マネックスベンチャーズ、オリエントコーポレーション、SGインキュベートの4社。調達した資金は1億2000万円で出資比率などの詳細は非公開。 今回の増資に合わせ、ニューレボとオリエントコーポレーションは業務提携も締結し、同社が運用す…

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ニューレボ「ロジクラ」開発・運営メンバー

ニュースサマリ:物流倉庫の在庫管理SaaS「ロジクラ」を開発するニューレボは1月15日、第三者割当増資の実施を公表している。引受先になったのはジェネシアベンチャーズ、マネックスベンチャーズ、オリエントコーポレーション、SGインキュベートの4社。調達した資金は1億2000万円で出資比率などの詳細は非公開。

今回の増資に合わせ、ニューレボとオリエントコーポレーションは業務提携も締結し、同社が運用するファンド「Orico Digital Fund」を通じて事業者向け金融商品や決済サービスの導入などの協業も進める。調達した資金でロジクラの販売拡大およびシステム開発を推進する。

ロジクラはEC事業などを手掛ける個人から中小企業を対象にしたクラウド型の在庫管理サービス。商品バーコードの読み取りを専用端末だけでなく、スマートフォンで代替しているのが特徴で、検品からピッキング、納品書や送り状の発行など、在庫の管理に必要な業務を効率化してくれる。3人までの利用は無料で、機能や利用人数によって料金プランが用意されている。

開発するニューレボは福岡拠点のスタートアップとして2016年に創業し、2017年にF Venturesからシード資金を獲得。同年に主にEC事業者の在庫管理を目的としたクラウドサービスを公開した。12月にはジェネシアベンチャーズを引受先に5000万円の増資を実施し、今回の調達はそれに続くもの。2018年11月に現在のロジクラのビジネスモデルをフリーミアム化し、導入事事業者数を100社から約1年で1万社にまで拡大させた。

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ロジクラ管理画面

話題のポイント:ニューレボさんは倉庫管理SaaSとして急成長する福岡発のスタートアップです。元々は代表で創業者の長浜佑樹さんが倉庫での実業務(検品など)の経験を背景に、その非効率を改善しようとスタートアップされました。ここ数年はフリマアプリなどの躍進もあって、個人が商品を販売する機会が増え、現在の拡大に繋がっているそうです。

<参考記事>

こういったSaaSビジネスはPMFをクリアすれば、堅調な積み上げを可能にする一方、「伸び」の部分でより高いレベルの事業成長を求められるようになります。例えば昨年上場したBASEはコマースだけでなく、早い段階で決済を2つ目の事業柱にして成功しました。

ニューレボもやはり同様で、在庫管理ツールとしての足元が固まりつつある今、拡大案を検証しようとしています。特徴的なのが過剰在庫に着目した「物流群戦略」というアイデアです。

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同社が保有する在庫は金額に換算すると2000億円分になるそうです。これらの商品は当然、全国1万の倉庫事業者に分散されており、所在もバラバラです。個々の事業者でこれら在庫の問題を考えると、大きくは需給問題(商品の売れ残り、もしくは不足)と資金問題(在庫の換金)を大なり小なり抱えることになります。今回の群戦略ではロジクラが管理する全ての事業者の在庫データをひとつの大きなマクロとして取り扱い、商品による需給予測、余った在庫の取引、在庫を担保とした金融サービスの実現でこれら課題解決を目指しているそうです。

これが実現すれば例えば、Aという静岡のお茶販売EC事業者が需給予測データを元に、どの銘柄のお茶がいつ売れるのかをロジクラの予測データを元に注文することができるようになります。また、それでも余ってしまった在庫はロジクラに登録されている別の事業者に販売することもできる、といった具合です。

金融商品については中国Alibaba(阿里巴巴)傘下の「MYbank(網商銀行)」などが提供するローン商品事例が参考になります。事業者は税務情報などのデータで信用力を示し、短期間で資金の獲得を実現します。オリコとの協業で販売する商品も在庫データ等を活用したものになるということでした。

こうやってロジクラを考えると、在庫管理ツール屋さんというよりは日本の倉庫をクラウド化した巨大なマーケットプレースが目に浮かんできます。その入り口となる在庫データをフリーミアムモデルで獲得した、というわけです。実際に過剰な在庫が減少し、適正な流通が実現するとどういった体験や価値が生まれるのか、次のタイミングではその辺りも聞いてみたいと思います。

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意外にデジタル化が進む「倉庫事業」について語っておこう

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今年を振り返ると人手不足に端を発した効率化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の話題が増えたなと思います。言わずもがな労働力不足の傾向はこれからも続き、2030年には約7000万人の労働力需要に対して650万人の不足が発生する、という調査報告も出ています。 私たちが事業を手掛ける物流業界もまさにその対象です。物流は大きく分けて「陸送」と「倉庫事業」に分かれるのですが、ECの成長で話題になった…

men going around a warehouse
Photo by Alexander Isreb on Pexels.com

今年を振り返ると人手不足に端を発した効率化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の話題が増えたなと思います。言わずもがな労働力不足の傾向はこれからも続き、2030年には約7000万人の労働力需要に対して650万人の不足が発生する、という調査報告も出ています。

私たちが事業を手掛ける物流業界もまさにその対象です。物流は大きく分けて「陸送」と「倉庫事業」に分かれるのですが、ECの成長で話題になった「再配達問題」などは記憶に新しいかと思います。

同人に倉庫で発生している人手不足も顕著です。例えばフリマアプリなどの個人間売買が拡大したことで理解しやすいと思いますが、流通する荷物のサイズが小さくなっているのですね。結果、倉庫作業が煩雑化することで人手に対する負担が増えている、といった課題が発生しているのです。

ただ、このように書くと「倉庫ってなんだかアナログで非効率そう」と思われるかもしれませんが、実はこの人手不足の問題はかねてからの懸念材料で、Amazonによる「倉庫のロボット化」を筆頭に、効率化は着々と進んでいる分野でもあります。

私たちは個人事業主から中小企業を対象にしたクラウド型の在庫管理ソフト「ロジクラ」を通じてこれらの課題解決に取り組むスタートアップです。本稿では、どこにまだ非効率があるのか、少し分解して解説してみたいと思います。

実は着々とロボット化が進む倉庫

なかなかマニアックな図ですが、これが倉庫事業を俯瞰した業務フローになります。この中でデジタライゼーションが進んでいる領域とそうでない部分があります。

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例えば、倉庫に関わる仕事内容で「倉庫内の人が直接作業する領域」(ピッキング作業や検品作業など)に関しては、これまでにも人手不足が囁かれていたので改善が進んできています。分かりやすいのがAmazonの倉庫ロボです。今年春に、国内でもその全貌が報道陣に向けて公開されていました。

それに対して「倉庫内の人が直接作業しない領域」、例えば受注して倉庫に出荷の指示を送ったり、在庫を確認したりするといった事務作業に関しては、まだまだ改善が進んでいないかもしれません。

つまり、図で言うところの「倉庫内の人が直接作業する領域」を水平的改善とすれば、こちらはマテハン機器(運搬や荷役作業を助ける機器)によって改善が随分と進んだわけです。一方、「倉庫内の人が直接作業しない」垂直的改善はまだ余地が残っています。私自身、倉庫での実務を通じてこの点の課題を感じてきた一人でもあります(なので創業したわけですが)。

なぜ進まない倉庫のソフトウェア化

ではなぜ倉庫のソフトウェア化が進まないのでしょうか。

冒頭でも記述した通り、近年はECの成長が著しく、経済産業省の調査では2018年の国内ECは9.3兆円、小売全体の6.3%を占めるようになりました。注目すべきは成長率で、前年比8%強と勢いが止まりません。

Screenshot 2019-12-13 at 1.10.02 PM
電子商取引に関する市場調査・経済産業省、平成30年調査より

当然ですが、この中には個人間売買や小規模な事業者も含まれます。フリマアプリやBASE・STORES.jpといったコマースプラットフォームの拡大は、データと取引情報の「細分化」生み出します。つまり、多種多様な事業者に倉庫側が対応しなければならなくなったのです。

さて、これら大量に持ち込まれる荷物のデータ、どのようにして管理していると思いますか?

人なんです。受発注データをアウトプットし変換、倉庫システムへインプットするのです。

というのも、これらECサイトや受注データをとりまとめるソフトウェアは、年々増加し機能も改善されていますが、やはり基幹システムや受発注システム同士の連携はハードルが高く、ここが一つの課題になっています。

さて、いかがだったでしょうか。

業界バーティカルでの効率化は今、まさにDXというキーワードで話題になっています。その一方、「人手不足」と一言で括っても、どこに非効率があるかによって必要な人材や解決方法は変わってきます。正しいポイントを見つけて取り組むことが肝要なのではないでしょうか。

<参考情報>

本稿は個人事業主から中小企業を対象にしたクラウド型の在庫管理ソフト「ロジクラ」を提供するニューレボ代表取締役、長浜佑樹氏(@yuki_nagahama)によるもの。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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需要予測で物流の過剰在庫を解消せよーービジネス効率化の旗手たち/ニューレボ代表取締役・長浜氏 #ms4su

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本稿は日本マイクロソフトが運営するスタートアップインキュベーションプログラム「Microsoft for Startups」による寄稿転載。同プログラムでは参加を希望するスタートアップを随時募集している。今回インタビューに答えてくれた長浜氏は6月14日のミートアップにも登壇予定 前回からの続き。本稿では、エンタープライズSaaSやインダストリークラウドに注目したサービスを展開するスタートアップにイ…

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本稿は日本マイクロソフトが運営するスタートアップインキュベーションプログラム「Microsoft for Startups」による寄稿転載。同プログラムでは参加を希望するスタートアップを随時募集している。今回インタビューに答えてくれた長浜氏は6月14日のミートアップにも登壇予定

前回からの続き。本稿では、エンタープライズSaaSやインダストリークラウドに注目したサービスを展開するスタートアップにインタビューし、どのような生産性向上の取り組みがあるのか、その課題も含めてお伝えしています。

本稿ではスマホをベースとしたバーコード読み取りで、検品や物流管理が行えるソフトウェア「ロジクラ」を開発するニューレボ代表取締役でCEOの長浜佑樹氏にお話を伺いました(太字の質問は全て筆者)。(取材・編集:増渕大志

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ニューレボが解決していること:無料で使える在庫管理ソフト「ロジクラ」を活用し、物流業界における過剰在庫に対するソリューションを提供している。また、今後はAIによる需要予測や動産担保融資による在庫の現金化、在庫売買のマーケットプレイスなど「ロジクラ」をベースにビッグデータの活用施策を提供予定

この連載では「ビジネス効率化の旗手たち」として、効率化を図っているクラウドサービスを取材しています。手掛けられているサービスは、物流業界における「過剰在庫」へのソリューションということですが、具体的なサービス内容について教えていただけますか

長浜:無料で基本機能が利用できることをコンセプトに、在庫管理ソフト「ロジクラ」を提供しています。商品の入荷、在庫、受注から出荷までの物流管理をSaaSの形で利用することが可能です。

スマホのカメラからバーコード読み取りによる、入出荷処理や在庫確認が可能な点や、プラットフォームを利用し、複数ユーザーや複数拠点における在庫管理が可能なことが特徴になっています。長期的にはビッグデータを蓄積し「AIによる需要予測」を通した事業者コスト削減、過剰在庫の削減に挑んでいきます。

物流市場でなぜ、過剰在庫が発生するのでしょうか

長浜:現場で過剰在庫が発生する理由はシンプルに「需要の予測が出来ていないから」です。現在庫数が把握できていないことによる、過発注や配送リードタイムを考慮したオーバーストックが大きな背景になっていますね。単に発注担当者の感や経験に頼った発注フロー、競合の進出によるマーケットの変化など、様々な背景があるのも事実です。

日本国内における過剰在庫に関する市場規模はどのぐらいあるのでしょうか

長浜:まず、日本国内の流通販売額(卸売・小売の合計年間販売額)は約455兆円と世界的に見てもかなり大きいです。ただ、それに比例するように「過剰在庫」市場も拡大を続け、経済産業省の調べでは2017年において約54兆円といわれています。

当たり前ですが、在庫過多の状態が続くと、会社のキャッシュフローを圧迫し資金繰りの悪化を招きます。私たちニューレボは、そのような大きな社会問題の解決を目指しています。

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需要予測ができないことで過剰在庫が発生する、ということでしたが、この課題がこれまで解決されなかった理由はどこにありますか

長浜:物流市場において「バーコード」はデータを正規化させ、物流管理をするためのインフラ的役目を果たしています。このバーコードは数字のデータしか保有してませんが、それを商品情報と結びつけることで商品の管理をすることが可能です。

ただこのバーコード、読み取るためのハンディーターミナル赤外線端末の導入コストは非常に高く、一般的に1台40万円ほどのコストがかかるとされています。そのため、物量が安定しない状況で導入を進めることが容易ではありません。つまり、バーコードの有効活用が出来ていない、というより有効活用を進める段階にも立てない状況下だったというのが現実でした。

なるほど、それでスマホでバーコードを利用できるようにしたんですね

長浜:そうです。まず、その観点で事業者の初期投資におけるコストを大幅に削減することに成功できたと感じています。入出荷検品のみならず、出荷指示もできます。

フリーミアムのビジネスモデルを選択した理由は

長浜:今後3つのデータ活用事業を進めるにあたり、在庫・販売データを大量に蓄積するという観点からフリーミアムモデルを採用しました。実はこの事業領域でフリーミアムを採用しているサービスは少ないんです。

2018年11月の無料版リリース以降、毎月700社の新規アカウント獲得ペースで累計5000社の法人事業者に利用して頂いています。このことからも、顧客の潜在ニーズを大きく引き出せたと感じています。今後は様々な通販システムやOMS(受注管理システム)との連携機能など、市場の需要に応じて有料版の導入を検討中です。

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では、具体的にどのようにして過剰在庫の問題を解決していくのでしょうか

長浜:ロジクラで蓄積したデータを活用し、以下3つの事業領域に進出を考えています。

1) AIによる需要予測(適正在庫量の算出)
2) 動産担保融資による在庫の現金化(在庫の換金化)
3) 在庫売買のプラットフォーム(在庫の流動性)

「AIによる需要予測」は、過剰在庫に対する直接的ソリューションです。これまで現場の勘や経験に頼ってきたことで、引き起こされた過発注をAIによる需要予測により限りなく0に近づけていきます。

AIで需要予測できてしまえば、今回の問題は解決に向かいそうな気がしますが

長浜:その通りです。小売大手企業で、過去の販売データを時系列分析し人間よりも精度の高い需要予測を行なっている企業はすでに存在します。ただ弊社では、これをパッケージとして提供し全ての企業がAIの恩恵を受けられるようにするという考え方です。需要予測が大衆化される世界観を作り上げることを目指しています。

他に挙げている2つは

長浜:しかしそれでも過剰在庫は発生します。そこで「動産担保融資」は需要予想の上で生じる、過剰在庫の「出口シナリオ」の一つとして在庫を換金化できる環境を想定したものです。さらに「過剰在庫のマーケットプレイス」は、それら在庫に流動性を持たせるための仕組みとして、B2Bの形で在庫売買プラットフォーム構築を考えています。

在庫予測してそれでも余ったものについて企業間でマッチングして売買するマーケットプレイス的なものはイメージつきやすいのですが「動産担保融資」とは具体的にどのようなものですか

長浜:これまで企業が融資を受ける際の価値評価としては不動産担保がメインでした。しかし近年諸外国では、新しい企業評価の一つとして在庫などの動産担保が注目され始めています。これもIT化による、販売ビッグデータが蓄積されてきた事による、市場の移り変わりであると捉えています。

なるほど、全て在庫データで可視化されているので、資産として評価しやすい

長浜:はい、今後当社では、在庫(棚卸し)データに加えて登録商品が実際にいくらで、どの程度売れているのかの販売データを加えることにより「在庫評価」を行うエコシステムを作り上げています。これまでは、実際に人間が現場に赴き行なっていたプロセスを、ITとビッグデータ活用することで、スピード感並びに信頼価値の向上を目指していきます。

在庫売買のプラットフォームも理想的ですが、既存の流通エコシステムでも在庫処分などの仕組みがあるのではないでしょうか。ロジクラが手がけることによるメリットは

長浜:現状、事業者が在庫を多く抱えてしまった場合、セールを行い定価より大幅に値下げをし過剰在庫を処理するフローが一般的とされています。それでも余った商品は二次流通に流させる、または破棄をするしかないというのがリアルな実情です。

当社では、日ごろから物流管理として利用して頂く「ロジクラ」に、そのままB2Bマーケットプレイスを構築することで、シームレスに在庫流動性を作り上げることが出来るのではと考えています。

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データを一元管理しているのでやりやすい

長浜:加えて、在庫売買にはもう一つ大きなハードルが存在しています。商品マスタの整備と呼ばれ、いわゆる「商品情報を1つ1つ作成する」という作業です。EC事業者など商品マスタを整備(商品名や商品画像など)しなければならない事業者にとってはそれほどハードルでもないですが、商品マスタが整備されていない事業者にとっては在庫売買を行う前段階で大きな整備コストがかかります。当社はこの領域を在庫データと商品データのビッグデータ活用により進めることを考えています。

最後に、今後の物流市場のアップデートへ向けた期待があれば

長浜:「AIによる需要予想」というと、販売データを大量に持っているAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングがやれば良いのではないか、と考える方が多いかもしれませんがそれは違うんです。

Amazonも楽天も、小売も卸も、全てのデータを把握することで物流における「AIによる需要予想」は可能だと考えています。販売チャンネルに依存する販売データではなく、バイアスを取り除いたデータが物流には集まり、そのビッグデータこそが物流市場に眠っている現状活用されていない「情報」だと信じています。

将来的には、社会全体で10%の過剰在庫削減を目指していきます。過剰在庫を削減し、企業のキャッシュフローを向上させ、中小企業が持続的に生存・成長していける社会的土台を作り上げること、これが私たち事業の社会的意義だと思っています。

ありがとうございました!(取材・編集:増渕大志

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物流・流通を最適化する「ロジクラ」運営のニューレボ、プレシリーズAでジェネシア・ベンチャーズから5,000万円を調達——AI人材採用を強化

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福岡/東京を拠点に、物流や流通最適化ソリューションを開発・提供する New Revo. (ニューレボ)は20日、プレシリーズ A ラウンドでジェネシア・ベンチャーズから5,000万円を調達したことを明らかにした。これは New Revo. にとって、今年6月に実施したシードラウンドで F Ventures からの資金調達(調達額非開示)に続くものだ。 New Revo. は2016年8月、福岡出身…

左から:New Revo. 共同創業者兼エンジニア 久野裕司氏、CEO 長浜佑樹氏、web エンジニア 榊間浩人氏

福岡/東京を拠点に、物流や流通最適化ソリューションを開発・提供する New Revo. (ニューレボ)は20日、プレシリーズ A ラウンドでジェネシア・ベンチャーズから5,000万円を調達したことを明らかにした。これは New Revo. にとって、今年6月に実施したシードラウンドで F Ventures からの資金調達(調達額非開示)に続くものだ。

New Revo. は2016年8月、福岡出身の長浜佑樹氏が設立。彼は学生時代に教師の勧めで渡米し、Uber を目にしたことがきっかけで起業した。起業当初は食品・日用品の即日配送アプリ「FASTMART(ファストマート)」を開発。同年11月に Fukuoka Startup Selection のピッチコンテストで「Global Challenge賞」を受賞したが、スケーラビリティに限界を感じてピボットし、在庫管理アプリ「NR クラウド在庫管理(リリース当初の名称はザイコス)」が生まれた。今年実施された Open Network Lab の Seed Accelerator Program 第15期に採択され、プログラム期間中にさらにピボットし、デモデイで「ロジクラ」を披露。この「ロジクラ」で、New Revo. はオーディエンス賞を獲得した。

ロジクラは、54兆円に上る中小企業の過剰在庫の問題の解決を支援するプラットフォームだ。企業における発注担当者は、勘や経験で発注を行なっていることが多く、これが過剰在庫を生み出している。ロジクラでは、景気動向、天気、競合情報、破損率などをもとに需要予測を行い、データドリブンな発注環境を提供する。国内には在庫管理から需要予測までを一気通貫で提供するサービスがまだ存在しておらず、ロジクラはこの点で優位性を確立する考えだ。

ロジクラ
Image credit: New Revo.

同社がターゲットとするのは、国内過剰在庫54兆円のうちの30%に相当する16兆円、1社平均1,200万円とされる市場。ロジクラの本リリースからはまだ1ヶ月半ほどだが、これまでに50社以上からの問い合わせが寄せられているそうだ。今後、各種システムとの API 接続を強化し、返品データ、在庫データ、出荷データの一元管理だけでなく、仕入れのリードタイム、売れ筋情報、販売データなどを弾き出せる包括的な物流・流通支援プラットフォームに育てていきたいという。

今回調達した資金を使って、New Revo. が最も注力するのは AI 人材の採用だ。同社によれば、前述した需要予測の機能を一定の精度で提供するには約2年間分のデータを蓄積する必要がある。今年本格的に事業を開始した New Revo. では、十分なデータ量が集まり需要予測の提供を開始できる時期として、2019年をターゲットに掲げている。顧客開拓やデータ収集と並行して、需要予測のアルゴリズムなどを確立するため、機械学習分野のエンジニアの募集を始める。

ロジクラの利用には取扱件数に応じて月額1万円からの基本料金と、出荷オーダー数あたりの件数料金が必要。ただし将来、需要予測のビジネスがもたらす付加価値が大きなものになれば、在庫管理システム自体は需要予測の元となるビッグデータのためのデータ収集エンジンと位置付けられるので、料金体系がより柔軟なものに変化する可能性もあるようだ。同社では、物流・流通課題を持つ中小企業4万社の獲得を当面の目標に掲げている。

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バーコード管理SaaS「NRクラウド在庫管理」開発元、F Venturesからシード資金を調達しβ版をローンチ

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福岡に拠点を置くスタートアップ New Revo. は5日、F Ventures からシードラウンドで資金調達を実施したことを発表した。調達金額は明らかにしていないが、数百万円程度とみられる。New Revo. は、バーコード管理 SaaS「NRクラウド在庫管理」を開発しており、5日から同サービスをβ版として提供開始した。 New Revo. は2016年8月、福岡出身の長浜佑樹氏が設立。彼は学生…

福岡に拠点を置くスタートアップ New Revo. は5日、F Ventures からシードラウンドで資金調達を実施したことを発表した。調達金額は明らかにしていないが、数百万円程度とみられる。New Revo. は、バーコード管理 SaaS「NRクラウド在庫管理」を開発しており、5日から同サービスをβ版として提供開始した。

New Revo. は2016年8月、福岡出身の長浜佑樹氏が設立。彼は学生時代に教師の勧めで渡米し、Uber を目にしたことがきっかけで起業した。起業当初は食品・日用品の即日配送アプリ「FASTMART(ファストマート)」を開発・運営。11月には、Fukuoka Startup Selection のピッチコンテストで「Global Challenge賞」を受賞したが、スケーラビリティに限界を感じてピボット。そこから生まれたのが、在庫管理アプリの「仮称・Zaicos(ザイコス)」だ。Zaicos は「NR クラウド在庫管理」と名を変え、現在に至る。

「NR クラウド在庫管理」は、在庫管理に必須となる高価なバーコードスキャナと専用システムが無くても、スマートフォンのカメラでバーコードをスキャンし、そのデータをクラウドに転送することで在庫管理が行える小売業界・EC 事業者向けの SaaS だ。JAN コードの EAN-13、EAN-8、UPC や ISBN コードの読み取りに対応しており、EAN-13 のバーコード作成も Web 上で行える。「NR クラウド在庫管理」は3月から開発に着手し、すでに15社の限定ユーザに導入がなされている。

F Ventures は2016年4月に設立された、福岡にフォーカスしたシードラウンドのスタートアップ向けの投資ファンドだ。これまでに F Allianceスタートアップ投資部など起業家を創出・発掘する活動にも注力しており、4月には、福岡発の VR/AR スタートアップ Cynack にシードラウンドで500万円を出資している。

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