Alex 氏: Internet Coin Offerings(ICO)とは銀行や投資会社のような旧来の金融機関を経ることなく、企業が資金を集めることができる新しい方法です。ICO は旧来の証券取引所の外でコインやトークンの取引を可能にします。それによって、はじめて、99%が1%に先んじて新たな富の創造にアクセスすることができるようになるのです。
Alex 氏: 今日、どのプロジェクトが成功しどのプロジェクトが失敗するのかという判断は困難です。市場が成熟するにつれそれらの企業を幅広く受け入れるようになるでしょうし、おそらくプロジェクトの90%以上は失敗に終わることでしょう。ICO の相場と展開は飛躍的に成長を続けています。今は数千ですが将来的には数百万の企業が ICO を使用したこの新たな方法で資金調達を行うようになるということもあり得ない話ではありません。普及と使用という点で少数のアプリが市場を支配するアプリストアと似たパターンを、現在の ICO エコシステムにおいても見ることができます。
4: 今後5年間でブロックチェーンはどのように発展していくと思いますか?
Alex 氏: スピードとコストに関する現在の課題は、プルーフオブステークとプルーフオブアセットの発達で解消されるでしょう。またこれによって今日我々が処理時間で目にするスケーリング問題も解決されると思われます。さらに、特定の業界の問題を解決することで、限定された参加者へ向けた多くのプライベートブロックチェーンが成功することも期待できます。
Alex Mashinsky 氏の率いる「Celsius」 Image credit: Celsius
Alex 氏: Ethereum の ERC-20を基にした仮想通貨は、特定の高度な機能が可能なスマートコントラクトを利用できます。それにより次は、企業が特定の問題に対して旧来の集中型のシステムよりもローコストな新たな問題解決方法に専念することができるようになります。新しい形態のトークンはクラウドストレージやコンピュータ処理、セキュリティや貸借まわりの問題を解決しようとしています。仮想通貨が増えるほどに、特定の産業が独占しコントロールすることができなくなり、自然な競争が可能となります。
Y Combinator(YC)が最近、スタートアップによるシリーズ A の資金調達を改善するのに役立つプログラムをローンチしたことを VentureBeat は耳にした。紛らわしい名前ではあるが「シリーズ A」というプログラムを統括している YC パートナーの Aaron Harris 氏は、11月のローンチを認めた。
彼によると、このプログラムには主に2つの目的があるという。まずは、YC の企業がうまくシリーズ A の調達を完了すること。次に、ラウンドの質を向上させること。
VentureBeat への e メールで彼はこう伝えてくれた。
このプログラムにより、長期的に見て成功する確率が有意に高まると思います。
YC によると、YC 輩出企業は昨年62件のシリーズ A で5億5,000万米ドル超を調達した。しかしながら、各ラウンドを見ると、マイルストーンやタイミングといったベストプラクティスが欠けている点が共通した課題となっていることに気付いたという。
YC スタートアップに向けた内部フォーラムに Harris 氏は次のように投稿している。大きな問題は、設立者が誤った目標を追求しているうちにエンジェルラウンドで得た全資金を使い果たすことが多いことだという。つまり、シリーズ A のプロセスを開始したときには、計画されていたマイルストーンを達成したかどうかに関わらず、キャッシュがなくなっている状態に陥っているのだ。
YC の Sam Altman 社長も同じ意見のようだ。パリの Station F スタートアップキャンパスとの最近のインタビューの中で、有名なプログラム出身のスタートアップが全て、資金調達の準備ができているとは限らないと述べていた。
Y Combinator 輩出企業であることについては、ある種の権威があると思います。そこで、調達すべきでない資金も調達してしまっているわけです。(中略)資金を調達するというのは本当の意味でのコミットメントですし、現在取り組んでいることがその方向に向かう前にもうまくいっているという証拠が欲しいのです。
スタートアップがシリーズ A で調達すると、YC の Continuity Fund は最初の分け前を得るかと聞かれた Harris 氏は、それを否定した。成長ラウンドに焦点を当てているからだ。実際、Continuity Fund は12月にレイトステージスタートアップ向けの成長プログラムをローンチした。これは、従業員50~100人のシリーズ A ラウンドを終えた設立者向けに設計されたものだ。
この10年以上の間、YC はシード資金の提供や、デモデイでスタートアップらがきちんとピッチできるようアドバイスを行ってきた。今回シリーズ A プログラムができたことで、YC は成長中のスタートアップらの面倒もみたいとしている。