THE BRIDGE

タグ Y Combinator

Y Combinator、中国アクセラレータの創設計画を断念

SHARE:

Airbnb、Reddit、Dropboxを輩出したシリコンバレー拠点のシードアクセラレータ「Y Combinator(YC)」は、11月21日、中国に同アクセラレータ支部を創設する計画を断念すると発表した。これにより、Baidu(百度)の元役員Lu Qi氏との正式な提携関係も解消される。 重視すべき理由:Y Combinatorにとって中国支部は米国外に設けられる初の拠点として、中国の起業家が世…

high rise buildings during nighttime
Photo by Irina Iriser on Pexels.com

Airbnb、Reddit、Dropboxを輩出したシリコンバレー拠点のシードアクセラレータ「Y Combinator(YC)」は、11月21日、中国に同アクセラレータ支部を創設する計画を断念すると発表した。これにより、Baidu(百度)の元役員Lu Qi氏との正式な提携関係も解消される。

重視すべき理由:Y Combinatorにとって中国支部は米国外に設けられる初の拠点として、中国の起業家が世界で最も成功しているサポートチームの支援を受けながら成長できる機会を提供するはずだった。

詳細情報:同社の声明によると、最近になって経営陣が交代したこともありYCは戦略を見直したとのこと。シリコンバレー本社で「現地および世界のスタートアップを着実に支援する方法」を採用するとしていた。

  • Sam Altman氏は2019年5月にプレシデントの座を降り、元Yahoo上級幹部Geoff Ralston氏が新プレシデントに就任した。
  • Lu氏はMiraclePlusという別のプログラムに注力することとなり、「将来的にYCが支援・協業していく」対象となるかもしれないとのこと。
  • 広報担当がTechCrunchに語ったところでは、「YCとMiraclePlusもしくはQi Lu氏などとの関係は消滅するほか、中国の現地拠点もなくなる」という。
  • 声明では、Lu氏が同アクセラレータの非営利ラボラトリー「YC Research」所長にとどまるか否かは明言していない。同氏自身、この役割をYC Chinaの設立CEOとみなしていた。だが会社発表によると、Lu氏とYCの協力関係は終了することが示唆されている。

背景:Y Combinatorは2018年8月、中国でプログラムを開設する計画を発表していた。かつてMicrosoftとBaiduで役員を務めていたLu氏がこの取り組みを主導することになった

  • 設立場所、時期、この新たな取り組みへの投資規模などに関する情報は公表されていなかった。Sam Altman氏は2018年当時、「当社にとって中国は未完成のパズルを埋めるピースです」としたうえで、Y Combinatorは「シリコンバレーと中国、両地域における最高の部分を組み合わせるという長期的視野を持った現地組織となる」と話していた。
  • ウェブサイト情報によると、Y Combinatorが投資する上位企業の時価総額は1,550億米ドルを超える。これまでに1社あたり1億5,000万米ドル超の時価総額を有する企業102社と協業してきた。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

----------[AD]----------

“学校を100均”にした未来投資型スクール「Juno College」の事業ポテンシャル

SHARE:

ピックアップ: All 84 startups from Y Combinator’s S19 Demo Day1 8月20日、米国の著名アクセラレーター「Y Combinator」が2019年サマープログラム・デモデイを開催しました。約170のピッチの中で教育分野スタートアップが意外に多く登場していたのが印象的でした。その中でも筆者の興味をそそられるスタートアップの1つが「Juno …

ピックアップ: All 84 startups from Y Combinator’s S19 Demo Day1

8月20日、米国の著名アクセラレーター「Y Combinator」が2019年サマープログラム・デモデイを開催しました。約170のピッチの中で教育分野スタートアップが意外に多く登場していたのが印象的でした。その中でも筆者の興味をそそられるスタートアップの1つが「Juno College of Technology(以下Juno College)」。

Juno Collegeは1ドルで通学できるプログラミング学校。2012年にカナダで創業した「HackerYou」を前身としています。ターゲットはエンジニア職を手にしたいが未経験、スキルを取得するお金もない転職希望者。

8週間の集中学習コースを提供しており、5万ドル/年の職を得るまで授業料は免除されます。授業料前払いの余裕のある人は1.4万ドルを、後払いを選んだ学生は1.8万ドルの支払いが発生。

学生は2年間で収益の17%をJuno College側に支払い続ける「ISA (Income Share Agreement)」を締結する必要があります。仮に失職した場合(月間4,166ドルの収益を失う)、支払いは停止されます。同校の年間収益は2019年内に300万ドルを達成予定。87%の学生がコース履修しているとのこと。

「学生を証券化」する事業ポテンシャル

筆者が他社スタートアップ事例を交えながら考察したものですが、最も興味を引かれたJuno Collegeが持つ事業ポテンシャルに証券ビジネスへの進出があります。

事例として住宅スタートアップ「Loftium」を挙げさせてください。同社は2016年にシアトルで創業し、累計250万ドルの資金調達に成功している不動産スタートアップ。

住宅購入希望者に頭金約5万ドルを提供。これは住宅ローンではなく、借入金ではないため返済義務は発生しません。その代わり、12〜36か月の間、Airbnb向けに部屋を貸し出し、収益分配をLoftium側とする必要があります。

どの程度の期間、いくつの部屋を貸し出すのかは各地域のAirbnb需要と料金をもとに算出します。一定の利益が出ると事前予測データから判明したら、機関投資家から頭金5万ドル相当の投資を募り、オーナーへと渡る仕組みになっています。この点、LoftiumはAirbnbを活用したいわば「住宅証券会社」であり、5万ドルを負担する必要がありません。

Juno CollegeもLoftiumのようにビックデータに基づいた貸付ローンを展開するとどうなるでしょう。

機関投資家による学生への投資が実行されると同時にJuno College側に入金されるため、収益を学生が就職後に返済するまで待つ必要がなくなります。キャッシュフローが回り続けるため継続的な拡大が可能になります。

証券事業へと手を伸ばすと想定した場合、Juno Collegeは教育機関としての機能だけでなく、ソーシャルレンディングプラットフォームとしての役割も持ちます。レンディング市場も視野に入れると、P2Pレンディングサービスで上場を果たした「LendingClub」規模への成長も見えてくるかもしれません。

こうした巨大なフィンテック市場まで展開可能なポテンシャルを持つのがJuno Collegeだと言えます。社会的に学生の未来に投資するスタイルに批判が集まるかもしれませんが、あくまでも投資と割り切り、一歩進み出したい人に応援資金を出すクラウドファンディングとしてのメッセージ性を持たせれば市場からもポジティブな反応が出てきそうです。

オフライン授業でスケールできるのか?

Juno Collegeに代表される仕事を手にすることを確約した「キャリア報酬型」の教育スタートアップは複数存在します。

競合大手として2017年にサンフランシスコで創業した「Lambda School」が挙げられます。累計調達額は4,810万ドルに達成。6カ月間のプログラミングコースを提供しています。

Lambda Schoolでは100%オンライン授業の形式にしていることから世界展開が可能。加えて履修完了率は86%。一方、Juno Collegeはフルタイムの対面授業にすることでコース履修期間を圧縮。学習効率を上げることで生徒が中だるみしないようにしています。

履修完了率を比較するとJuno CollegeもLambda Schoolもほぼ同率。Juno Collegeは期間をLambda Schoolの1/4にしていることからプログラムを4倍速で回せる計算になります。この点、世界展開は難しいですが、学生数をオフライン授業でありながら最大化させる工夫をしています。

しかし問題点が2つ。1つは9週間の短い期間で就職できるまでのスキルを手にできるのかという点。過去に同じY Combinatorのプログラムを卒業したプログラミング学校「MakeSchool」は12週間のコースから、2年制の大学へと業態を変えています。これは短期間では良質な卒業生を輩出できないと判明したからだと考えられます。

累計調達が1.1億ドルに及ぶエンジニア・PM向けスクール「General Assembly」も3カ月間のコースを提供。対面授業を提供する次世代スクールは総じてJuno Collegeの倍以上の期間を費やしています。

Juno Collegeの収益が年間300万ドル上がっているということは、年間9,000ドルの授業料を返済する卒業生が333人ほどいる計算になります(300万ドル/9,000ドル)。こうした数値から一定数の就職成果が出ていると思われますが、キャンパスを多数展開した際に卒業生の獲得スキルのクオリティを保てるのかが課題となるでしょう。必ずや拠点毎に教育の質のアンバランス感が出てくると思われます。

もう1つの問題がスケールに関して。現在、2,000人が収容できる土地を購入したようですが、北米を中心にキャンパスを拡大にするには多額の初期コストがかかります。不動産事業のボトムネックを持つことになり、スタートアップ的なスケールを狙えるのか疑問に思えてしまいます。

上記2点の課題はありながらも、「教育の民主化」はY Combinatorも注目する領域。今回のデモデイでは奨学金返済サポートサービス「GradJoy」「Blair」「ScholarMe」の3社が登場しており、教育系スタートアップへの熱い視線を感じました。日本でもJuno Collegeモデルのように授業料を先に負担することで、学生の未来へ投資する教育業態が現れそうです。

----------[AD]----------

10年で倍増するアフリカ外貨取引ーーYC卒業生「VertoFX」はアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)の波に乗れるか

SHARE:

ピックアップ:VertoFX raises $2M for its African and EM currency trading platform ニュースサマリー:新興国市場に特化した外貨マーケットプレイス「VertoFX」がシードラウンドにて210万ドルの資金調達を公表している。リード投資家はAccelarated Digital Venturesが務めた。同社は、アフリカを中心とした新興国…

animal africa zoo lion
Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップVertoFX raises $2M for its African and EM currency trading platform

ニュースサマリー:新興国市場に特化した外貨マーケットプレイス「VertoFX」がシードラウンドにて210万ドルの資金調達を公表している。リード投資家はAccelarated Digital Venturesが務めた。同社は、アフリカを中心とした新興国に本拠地を置く企業に国際支払いを提供するフィンテック企業。Y Combinatorが実施しているアクセラレータープログラムの卒業生でもある。

同社創業者のOla Oyetayo氏は元々ナイジェリアの銀行に勤めていたバックグラウンドを持つ。そんな同氏によれば、アフリカ大陸では小規模・中規模企業による国際取引が年間4000億ドル発生しているが、テクノロジーを駆使したフィンテックサービスが用いられることはまだまだ多くなく、SWIFTを利用した従来手法の国際送金が取られることが主だという。現在同プラットフォームでは19カ国の通貨に対応しており、米ドルや日本円も含まれている。

Capture
SWIFT

話題のポイント:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(SWIFT)が、アフリカ大陸における国際取引に関するデータを公開しています。それによれば、2007年から比較して取引高は2017年で212%増を記録し、アフリカにおけるビジネス機会の増加、逆に言えば世界からのアフリカに対する注目が着実に進んでいることが伺えます。

ではそれらの資金はどの地域に流れているのか。同じくSWIFTが調査したデータによれば、基本はユーロを軸とした国家へ向けた取引であることが分かります。また、もちろんアフリカ国内間での外貨取引も活発で、APACへ向けた取引実績も数多くあります。

Capture.JPG
SWIFT

さて、そんな中アフリカでは国内市場で大きな動きが起きています。アフリカ国内における貿易を活性化させようと、アフリカ連合(AU)加盟国により関税を最小限に留める自由貿易圏となる「アフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)」が設立されることが決定的になりました。

Capture
World Economic Forum

上図は世界経済フォーラムが公開したアフリカ大陸の国家におけるGDP比率を表したもので、自由貿易に参加か否かを色別に表しています(現在はナイジェリアは自由貿易協定に署名済み)。

現在アフリカでは、共通通貨を生み出そうとする取り組み「ECO」などの動きも見られますが、少なくとも現時点では各国ごとの通貨をベースに取引を行うのが一般的です。上図のGDPを比較しても分かる通り、共通通貨が難しい根本的にな理由にはアフリカといって一括りにすることはできない経済格差があることも起因しているようです。

最大のGDPを誇るナイジェリアが約4兆ドルを誇っているのに対し、最下層のサントメ&プリンシペでは4億ドルにとどまっています。

ただ、AfCFTAによって国内でも商用取引が活発化され、更に外国資本が参入してくればアフリカ通貨の世界におけるプレゼンスも向上することは確実です。その需要を裏付けるかのように、「VertoFX」によれば、既に同プラットフォームでは700万ドルほどの取引ボリュームを記録しており、アフリカにおける外貨の流動性の高まりが感じられるようになっています。

同社は現在、外貨マーケットプレイスをサービスの主体としていますが、今後アフリカの各銀行・政府機関と共同でプロジェクトを進めていく可能性はさらに高まりそうです。

 

----------[AD]----------

自宅裏庭をAirbnbに改造して代行してくれる「Rent the Backyard」ーー住宅不足にスタジオアパートメントの可能性

SHARE:

ピックアップ:Rent the Backyard wants to build a studio apartment in your yard Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加中のスタートアップ「Rent the Backyard」が問題視しているのは、サンフランシスコやシアトルなど米・西海岸に多く見られるIT企業の住宅価格押し上げ問題です。 <参考記事> S…

Screen Shot 0001-07-22 at 9.41.09.png

ピックアップ:Rent the Backyard wants to build a studio apartment in your yard

Y Combinatorのアクセラレータープログラムに参加中のスタートアップ「Rent the Backyard」が問題視しているのは、サンフランシスコやシアトルなど米・西海岸に多く見られるIT企業の住宅価格押し上げ問題です。

<参考記事>

同社はこの問題に対し、既存住宅の利用していないスペース(裏庭など)へ新たに「家」を建設し、Airbnbのような収益エコシステムを作ることで解決を狙おうとしています。

具体的な仕組みはこうです。まず、裏庭に家を建てて収益化を図りたいユーザーに対して建設に至るまでのすべてをマネジメントしてくれます。前金や面倒くさい作業はなく、ただ場所を提供するだけでOK。また、建てるための費用は後払いや分割払いなどが選択できるようになっています。これは、同社が建設会社とパートナシップを組むことで実現しているようでした。

また建設が終了してからも同社のサービス提供は終わりません。建設後のAirbnbなどへのリスティングや賃料の徴収や管理等を引き続き代行してくれます。利用代金は賃料の50%でこれには建設費用も含まれており、支払いを完了すれば自宅の所有権率も完全移行されるようです。

同社サイトによれば、このモデルで保有オーナーは年に1万ドル程度の収益が得られると試算しています。

Capture.JPG

では、ここまで大きな問題になっている中、なぜこのようなモデルが出てこなかったのでしょうか。そもそも住宅保有者が自身でこういったレントハウスを裏庭に作ってAirbnbで利益を生み出すことも考えられるわけです。この点について同社共同創業者のBrian Bakerman氏は、TechCrunchのインタビューにこのような回答をしています。

“In places like the Bay Area … people are spending a ridiculous amount on their homes.(ベイエリアのような地域ではもうすでに凄まじい金額を家に払ってるんだ)”

つまり、そもそも住宅価格が高騰しているエリアでは新たに住居を建設する金銭的余裕がない、ということらしいです。

また「Rent the Backyard」では敢えて一人部屋(スタジオアパートメント)に特化している面も特徴的です。Airbnbのように「デザイナーズで、広くて、高い」とは少し異なり、元々住居スペースの課題解決ですから、デザイナーズ性はそのままに「ミニマリスト感、そこまで高くない」という方向性を持っています。

もちろんAirbnbが自らそういった市場を生み出すために動く可能性もありますが、今の所、同社には社会問題というWhyとブランディングによる優位性があるため、市場からの需要も多くありそうです。世界的ミニマリズムへのムーブメントや、競合他社を考えてもスピードが勝負になってくるエリアではないでしょうか。

----------[AD]----------

ライドシェアはリワード7倍、スタートアップ特化型クレジットカード「Brex」が1億ドルをデット調達ーー2017年のYC卒業生

SHARE:

ピックアップ:Brex, the credit card for startups, raises $100M debt round ニュースサマリー:サンフランシスコ拠点のフィンテック企業「Brex」が4月16日、1億ドルの資金調達を発表した。Barclay Investment Bankからのデットによる調達。同社はスタートアップに特化した法人クレジットカードを提供。スタートアップ向けのリワー…

Capture

ピックアップBrex, the credit card for startups, raises $100M debt round

ニュースサマリー:サンフランシスコ拠点のフィンテック企業「Brex」が4月16日、1億ドルの資金調達を発表した。Barclay Investment Bankからのデットによる調達。同社はスタートアップに特化した法人クレジットカードを提供。スタートアップ向けのリワードプログラムや、クレジットスコアを必要としない審査基準などが特徴。

2017年にY Combinatorのアクセラレータープログラムを卒業している。また、先月にはYCアクセラレータープログラムに参加していたブロックチェーン企業の「Elph」をDemoDayの1週間前に買収するなどしている。

話題のポイント:スタートアップにとっての鬼門が法人クレジットカードの作成です。例えば国内では時間もさることながら、創業間もない企業には審査が通らないなどの問題がよくありました。Brexが提供するクレジットカードは、個人のクレジットスコアーやデポジットを必要としないため、スピーディーに利用を開始することが出来ます。また、認証後には即バーチャルカードの利用が可能となり、3〜5日の間にカードが届くそうです。

ただこの程度のサービスでスタートアップ向けというだけでは差別化はできません。彼らの特徴は特出したリワードプログラムにあります。

Capture.PNG

例えばライドシェアサービスでは通常獲得できるポイントから7倍、旅行では4倍、レストランでは3倍、サブスクサービス利用で2倍獲得できる設計になっています。まさに、スタートアップ特有のエリアにおける利用を想定したエコシステム設計といえます。

また、スタートアップ企業が利用する頻度の高い企業とのパートナーシップを進めており、一例を挙げるとAWS, WeWork, Google Ads, Zendesk, DoorDashなどで決済を利用することで割引を受けることが可能です。WeWorkの場合であれば、6か月間15%オフで入居することもできます。

また、頻繁に発生するビジネストリップについては、プラットフォーム内にBrex Travelといった旅行に関わる全てをひとまとめに予約・管理できるサービスを組み込み、圧倒的なシームレスな体験を提供しています。

同社のポイントもそのまま利用できるため利便性も高そうです。リワードの倍率による「お得感」はもちろんですが、こういう導線設計ひとつで差別化要因になるという事例ではないでしょうか。

----------[AD]----------

「長いタームシートに注意せよ」のワケーー500澤山氏に聞く「YC公開・標準的タームシート」から日本のスタートアップが学ぶべきポイント

SHARE:

ピックアップ:A Standard and Clean Series A Term Sheet コラムサマリー:Y Combinatorが1月28日の公式ブログで「A Standard and Clean Series A Term Sheet(シリーズAにおける標準的な投資条件の概要書・タームシートの見本)」を公表している。同社のJason Kwon氏、Aaron Harris氏によって手掛けら…

women s in gray turtleneck sweater pointing white contract paper
Photo by rawpixel.com on Pexels.com

ピックアップA Standard and Clean Series A Term Sheet

コラムサマリー:Y Combinatorが1月28日の公式ブログで「A Standard and Clean Series A Term Sheet(シリーズAにおける標準的な投資条件の概要書・タームシートの見本)」を公表している。同社のJason Kwon氏、Aaron Harris氏によって手掛けられた。

彼らはタームシートの公開に至った経緯として、接してきた創業者に共通した課題を挙げている。それは「良いタームシートとは何かに関して無知である」という点である。

「人生で初めてタームシートを目にするのだから、無知であるのは当然。一方でVC側は毎日のように見ているわけで彼らとの間に知識レベルでの乖離が生まれ、結果として創業者はディスアドバンテージを背負ってまう」。

話題のポイント:種類株などの特殊なエクイティ・ファイナンスは国内でも一般的になりました。ここで避けて通れないのが投資内容の条項をまとめたタームシートや投資契約のチェックと締結になります。YCが公表したタームシートでは、特に創業者が注意すべきポイントを4つにまとめています。

  1. Board Control(取締役会のコントロール)
  2. Liquidation Preference(残余財産優先分配権)
  3. Cumlative Preference(累積配当権)
  4. Warrant Coverage(保障面での権利)

「Board Control」は取締役会の構成への気配りについて。創業した会社を乗っ取られることが起きてしまったら元も子もありません。「Liquidation Preference」は会社清算に関する取り決めです。優先株主となる出資者の株式持分を清算時にどう扱うかを規定するため、M&Aなどのみなし清算時も含まれます。

3つ目の「Cumlative Preference」は株式配当について。ここが累積なのか非累積なのかで、企業そのものが短期的に利益体質にならざるを得なくなるため、プロジェクト推進における株主の圧力を左右する箇所になる、と留意点が指摘されていました。

最後の「Warrant Coverage」は保障面です。特に弁護費用に関する取り決めは重要で、一般的に支払額の上限を3万ドルにすべきとしています。

ちなみに筆者的には3つめの配当に関するポイントは気になりました。例えばブロックチェーンのようなまだ市場ができていないテーマでは、すぐに利益を生み出せといわれても選択肢の幅が狭まります。条件次第では、数年先まで開発ロードマップを引くようなプロジェクトには向かない条項になる、というわけです。

日本のスタートアップがYCのタームシートから学べること

ところでこのタームシート、少しでもこの辺りの国内事情を知ってる方であれば日本とは違うと感じたかもしれません。当然ながらこれは米国における”スタンダード”としてまとめられています。日本で起業する場合は市場規模やEXITサイズも違いますし、またVC間の競争も異なりますからそのまま鵜呑みにする必要はありません。

では、日本の創業者は何を学べばいいでしょうか?

この疑問について、国内スタートアップ投資のエキスパートである500Startups Japan、マネージングパートナーの澤山陽平さんにお聞きしました。YCが基準としているからといって、すべてを日本の市場に転換できるかについては議論が必要とする一方、「タームシートのシンプル化」には同意されています。

「間違いなく日本でも共通なのは、タームはできるだけシンプルにまとめる、というところです。なぜタームが長くなるのか?の裏には、『契約書』に各VCのそれこそ今までの経験、主に苦い思い出が詰まっていることがあるからです。そういうことがあるたびに、それをカバーするための条項が増える。そうすると、どんどん複雑化するといったことになりがちなんです」(澤山氏)。

以下のTweetでも示されている通り、タームシートで細かく企業をバインドしすぎると柔軟性がなくなり、短期的な運営が楽になったとしても長期的な価値創出は難しくなるからだとしています。

ただ現在、日本のいわゆるタームシートと呼ばれるものはかなり複雑なものもあったりします。これに対し、澤山さんに以下のような見解を示してくれました。

「米国は株式会社の大原則である所有(株主)と経営の分離がしっかりしていて、取締役が株主の代行者として経営者を監督するというのが明確なんです。そういう背景があるからこそタームで細かく定めるのではなく、取締役会という存在が尊重されるという流れになる。一方、日本は所有と経営のあたりがまだ入り混じっていて、今すぐ取締役会で全て決める体制を整えよう、といってもすぐに行動に移すのは難しいでしょうね」(澤山氏)。

こういった現実があるとはいえ、今回YCが旗振り役としてシンプル化を提唱した、ということは大いに意義があると評価されていました。

あと最後に、ブログには「シリーズAのタームシートの重要性」について言及があったのでそちらもまとめておきます。

シリーズAは将来的な調達ラウンドを考えたうえでも、条件などの面で最も参考にされるシリーズになります。つまり、シリーズAのタームシートは長期的に企業運営を考えたときの基礎となるドキュメントになる可能性が高いのです。

最も大事なのはここで「完全」を求めすぎないこととアドバイスしています。たとえ通らなかった条件があったとしても、創業者である限りそれらを変更できる可能性は残ります。

そして精一杯の交渉をしつつも

“Closing Fast and Getting Back to Work”(とっとと終わらせて作業に戻ろうぜ)

することが最終的なゴール達成のためには大事なんだよ、と。

国によるルールの違いはありますが、双方通じてシンプルにする、という観点を忘れずに交渉することが重要な学びになりそうです。

----------[AD]----------

Y Combinatorで評価が高い企業は?トップ10をおさらいしてみる

SHARE:

ピックアップ:Top Companies List – 2018 via Y Combinator TikTok擁するBytedanceが30億ドル調達して未公開企業として世界一の評価額になったそうです。まあ、評価額っていうのはあくまで特定投資家が株式公開前に付ける価格なので、本当の勝負は市場に出てからですが参考値としては重要です。 調べ物によく使っているものとして、CB Insigh…

athletes running on track and field oval in grayscale photography
Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップ:Top Companies List – 2018 via Y Combinator

TikTok擁するBytedanceが30億ドル調達して未公開企業として世界一の評価額になったそうです。まあ、評価額っていうのはあくまで特定投資家が株式公開前に付ける価格なので、本当の勝負は市場に出てからですが参考値としては重要です。

調べ物によく使っているものとして、CB Insightsのユニコーンリストがあるのですが、つい最近、Y Combinatorにも卒業生を対象とした独自のリストがあることを知りましたのでご紹介します。第三者機関が提供するものは公開情報(企業のリリースや報道、公的開示資料など)からリストを作成するのが一般的ですが、YCの場合は投資家としての関係性もあるので、より正確な情報と思っていいでしょう。(なので両リストの数字には微妙に差があったりします)

トップ10にはこういう企業が並んでいました。(※かっこの中は参加バッチ。S:夏、W:冬)

  • Airbnb(W2009):バケーションレンタルサービス。評価額は300億ドル以上
  • Stripe(S2010):決済インフラ。評価額は200億ドル以上
  • Cruise(W2014):自動運転システムで2016年にGMが買収した。140億ドル評価
  • Dropbox(S2007):コラボレーションプラットフォーム。評価額は100億ドル以上
  • Coinbase(S2012):暗号通貨取引所。評価額は80億ドル以上
  • Instacart(S2012):オンデマンドの買い物代行。評価額は70億ドル以上
  • Machine Zone(W2008):「Game of War」などゲーム開発。評価額は50億ドル以上
  • DoorDash(S2013):オンデマンドのフードデリバリー。評価額は40億ドル以上
  • Zenefits(W2013):人事管理ツール。評価額は20億ドル以上
  • Gusto(W2012):給与支払いツール。評価額は20億ドル以上

リスト読み込むだけでも傾向が整理できるので、スタートアップを考えている人であれば一度、これら100社を読み込んでみるのをお勧めします。

----------[AD]----------

中国にY Combinatorが正式上陸、中国人起業家のプログラム卒業、成功事例は増加中

SHARE:

本誌中国語版にてお伝えした通り、シリコンバレーを拠点とするスタートアップインキュベーターY Combinator(YC)が正式に中国本土にやってくることとなった。 同社は中国への進出計画を発表し、コンセプトステージ、プロダクトのテストフェーズ、急成長ステージのいずれの段階にもかかわらず、すべてのフェーズでスタートアップの参加を歓迎するとしている。Y Combinatorは、より多くの中国起業家と共…

WeChat-圖片_20180425101409
Y Combinatorがスタートアップスクールを北京に立ち上げる(Image Credit:Y Combinator WeChat 投稿より)

本誌中国語版にてお伝えした通り、シリコンバレーを拠点とするスタートアップインキュベーターY Combinator(YC)が正式に中国本土にやってくることとなった。

同社は中国への進出計画を発表し、コンセプトステージ、プロダクトのテストフェーズ、急成長ステージのいずれの段階にもかかわらず、すべてのフェーズでスタートアップの参加を歓迎するとしている。Y Combinatorは、より多くの中国起業家と共に働くことを期待しているとし、5月19日には北京清華大学でStartup Schoolの立ち上げも公表している。

このプログラムの参加者は、YCパートナーであるサム・アルトマン氏をはじめ、AirbnbやStripeのようなYCが投資する米国の新興企業の創業者たち、中国生まれのRaven TechやStrikinglyと協業するチャンスを得られる。

ちなみに中国のAIスタートアップであるRaven Tech社は、2017年にBaiduに買収されている。 2005年に設立されたY Combinatorは、Airbnb、Dropbox、Redditなどをはじめ、1400社を超える著名企業に投資してきた。

_20180425103629
Y Combinatorの投資企業一覧(Image Credit:Y Combinator)

YCの共同設立者であるEric Migicovsky氏はここ数年、中国の起業家や投資家と緊密に連絡を取り合っているそうだ。その中で同社は、初めての中国人起業家がプログラムを卒業した2013年バッチ以降、同様の卒業や成功事例は増え続けていることを明らかにしている。

【原文】

【via Technode】 @technodechina

----------[AD]----------

Y Combinator、スタートアップが適切なタイミングで適切なVCにピッチできるよう支援するプログラム「シリーズA」をひそかにローンチ

Y Combinator(YC)が最近、スタートアップによるシリーズ A の資金調達を改善するのに役立つプログラムをローンチしたことを VentureBeat は耳にした。紛らわしい名前ではあるが「シリーズ A」というプログラムを統括している YC パートナーの Aaron Harris 氏は、11月のローンチを認めた。 彼によると、このプログラムには主に2つの目的があるという。まずは、YC の企…

Y_Combinator
Y Combinator via Flickr by Paul Miller

Y Combinator(YC)が最近、スタートアップによるシリーズ A の資金調達を改善するのに役立つプログラムをローンチしたことを VentureBeat は耳にした。紛らわしい名前ではあるが「シリーズ A」というプログラムを統括している YC パートナーの Aaron Harris 氏は、11月のローンチを認めた。

彼によると、このプログラムには主に2つの目的があるという。まずは、YC の企業がうまくシリーズ A の調達を完了すること。次に、ラウンドの質を向上させること。

VentureBeat への e メールで彼はこう伝えてくれた。

このプログラムにより、長期的に見て成功する確率が有意に高まると思います。

YC によると、YC 輩出企業は昨年62件のシリーズ A で5億5,000万米ドル超を調達した。しかしながら、各ラウンドを見ると、マイルストーンやタイミングといったベストプラクティスが欠けている点が共通した課題となっていることに気付いたという。

YC スタートアップに向けた内部フォーラムに Harris 氏は次のように投稿している。大きな問題は、設立者が誤った目標を追求しているうちにエンジェルラウンドで得た全資金を使い果たすことが多いことだという。つまり、シリーズ A のプロセスを開始したときには、計画されていたマイルストーンを達成したかどうかに関わらず、キャッシュがなくなっている状態に陥っているのだ。

YC の Sam Altman 社長も同じ意見のようだ。パリの Station F スタートアップキャンパスとの最近のインタビューの中で、有名なプログラム出身のスタートアップが全て、資金調達の準備ができているとは限らないと述べていた。

Y Combinator 輩出企業であることについては、ある種の権威があると思います。そこで、調達すべきでない資金も調達してしまっているわけです。(中略)資金を調達するというのは本当の意味でのコミットメントですし、現在取り組んでいることがその方向に向かう前にもうまくいっているという証拠が欲しいのです。

YCombinator-Sam-Altman-TechCrunch-Disrupt-NY-2014
YC president Sam Altman.
via Flickr by TechCrunch

というわけで、YC はシリーズ A のプロセスを科学的なものに変える試みを行っている。ただ、3ヶ月間のアーリーステージプログラムとは異なり、YC はシリーズ A をバッチモデルとしては運営しないと思われる。

Harris 氏はこのように説明する。

プログラムはバッチで運営したいのですが、一群になると企業はシリーズ A のマイルストーンに到達できないことがわかっています。企業が助けを求めているときに私たちが手助けするようにしたいのです。それが一番いい手助けの方法です。そうするとプログラムを継続的に運営できるでしょう。

このプログラムの最も活発な期間は1~3ヶ月だという。その時期、企業が最適なプロセスを進む手助けに集中する。それは、話をする適切な投資家を見分け、ピッチを構成して仕上げ、交渉中に助言をすることだ。

こうした YC 出身の設立者らは大学を卒業したばかりの20代の若者であることもあり、シリコンバレーにいるトップクラスの VC へのアプローチ方法やピッチの方法を知っているとは限らない。

Harris 氏はフォーラムへの投稿で次のように述べている。

VC が適切な人から、適切なタイミングで、適切なピッチを聞けるようにしたいと思っています。実は何を求めているのか十分に認識していない起業家によるピッチからは半分しか収穫がないという不満を多くの投資家が抱いているのを聞いています。それは皆にとって不幸なことです。

スタートアップがシリーズ A で調達すると、YC の Continuity Fund は最初の分け前を得るかと聞かれた Harris 氏は、それを否定した。成長ラウンドに焦点を当てているからだ。実際、Continuity Fund は12月にレイトステージスタートアップ向けの成長プログラムをローンチした。これは、従業員50~100人のシリーズ A ラウンドを終えた設立者向けに設計されたものだ。

この10年以上の間、YC はシード資金の提供や、デモデイでスタートアップらがきちんとピッチできるようアドバイスを行ってきた。今回シリーズ A プログラムができたことで、YC は成長中のスタートアップらの面倒もみたいとしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------

Sam Altman氏「あまりに多くのY Combinator輩出スタートアップが資金を調達してしまっている」〜パリStation Fでのインタビューから

SHARE:

シリコンバレー拠点の Y Combinator はスタートアップシーンにおいて絶大な影響力を誇っている。しかし、Y Combinator のプレジデントである Sam Altman 氏は、同アクセラレータプログラム輩出企業を取り巻く過度な盛り上がりについて少々心配しているようだ。 パリのスタートアップキャンパス Station F の Rachel Vanier 氏との最近のインタビューにおいて、…

Y Combinator Sam Altman 氏
Image credit: Station F

シリコンバレー拠点の Y Combinator はスタートアップシーンにおいて絶大な影響力を誇っている。しかし、Y Combinator のプレジデントである Sam Altman 氏は、同アクセラレータプログラム輩出企業を取り巻く過度な盛り上がりについて少々心配しているようだ。

パリのスタートアップキャンパス Station F の Rachel Vanier 氏との最近のインタビューにおいて、Altman 氏はこう話している。

有名なプログラムから輩出されるスタートアップのすべてが必ずしも資金調達にふさわしい、または資金調達の準備ができているというわけではありません。

Y Combinator の有名なデモデイイベントと誰が資金提供を受けられるのかという質問に対し、彼は次のように答えている。

すべてではありませんが、確実に多くのスタートアップが資金提供を受けます。実際にはおそらく多すぎるほどです。本当は調達すべきでない資金を調達させてしまう、Y Combinator 輩出スタートアップを取り巻く過度な盛り上がりがあるのではないかと思っています。

それぞれのデモデイは多くの著名なベンチャーキャピタルを集めることからシリコンバレーの中でも注目すべきイベントとなっている。Y Combinator の実績と影響を考えると、Dropbox や Airbnb、Stripe のようなユニコーン企業が歩んだ道のりをたどりたいとするスタートアップを後押しする意欲については疑う余地はない。

公式には Y Combinator はこれまで1,464ものスタートアップに資金を提供し、これらスタートアップは総額800億米ドルもの価値があると発表している。しかし、投資家や起業家はこういった成功を見て盲目になるべきではないし、Y Combinator を卒業する日がスタートアップにとって資金調達に適切なタイミングであるとみるべきでもない。

Altman 氏は次のように述べた。

資金を調達することで重大な責任が生まれるのです。道を定める前に、自分が取り組んでいることが実際にうまくいくと証明できるエビデンスを持っておくべきです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------