「来るべき不況に備えよ」——Y Combinatorが投資先に伝えた10のアドバイス

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Image credit: Y Combinator

<ピックアップ> Investment company Y Combinator advises startup founders that ‘we should prepare for the worst during a recession’

世界的にスタートアップの投資市況が良くない。昨年、膨大な資金がスタートアップに流れ込んだのとは対照的に、市場は連日悪化している。グローバルアクセラレータの Y Combinator が投資先スタートアップに、電子メールでこのような景気後退状況で対応するための10のアドバイスを伝えた。

これは、多くの投資先が現在の状況に基づいて、資金調達ラウンドについて計画を変更する必要があるかどうかを尋ねたことに対する回答だ。 Y Combinator は、景気後退はしばしば会社の考え方を変え、事前に計画することを促す機会となるなど、起業家にとってチャンスにもなると述べている。

1. 先行きは暗い

景気がどの程度悪くなるかは誰も予測できないが、良い方向に進むとは思えない。

2. 将来の計画を立てる

Y Combinatorは、「安全な手は最悪の事態を計画することだ」とし、今後30日以内にコストを削減し、現金不足のランウェイ期間を延長するべきだとした。支出が一定で利益が伸び続ける「デフォルト・アライブ」の状態を目指すべきとしている。

3. 早急に資金調達に動くべき

デフォルト・アライブに達する前に資金が枯渇しそうで、既存投資家や新規投資家からの投資を期待する場合は、早期の資金調達に動くことを検討すべきとしている。

4. 今後2年間を生き抜くために

Y Combinatorは、起業家に対して、今後24ヶ月間、資金がなくても生き残れるようにすべきだと伝えている。

5. テック企業の業績不振が悪影響を及ぼす

さまざまなテック大手の業績不振は、投資するベンチャーキャピタルの投資戦略にも影響を与える。不況下では、資金力のあるベンチャーキャピタルも資本展開を鈍らせ、小規模なベンチャーキャピタルは投資を中止したり倒産したりする。その結果、すでに業績の良い企業に資本が集中しやすくなり、スタートアップへの新規投資は件数、金額ともに減少する。

また、投資総額の減少に比例してミーティングに参加する投資家の数が減るわけではないので、「ミーティングがたくさん開催されているから、積極的に投資している」という推測は間違っていると指摘している。

6. これまでの資金調達環境は、常識では考えられない

好況期の過去5年間に創業した起業家は、これまでの資金調達環境が常識ではなかったと考え直す必要がある。あなたの資金調達の経験は異常であった可能性が高く、今後の資金調達はより困難になるだろう」と Y Combinator はメールで述べている。

7. 資金調達ラウンドがスローダウンする

スタートアップが事業の初期段階でシリーズ A ラウンドを完了した場合、引き続き、資金調達ラウンドは発生しないと考えるべきだろう。

8. 資金調達プランの変更

「今後6~12ヶ月の間に資金調達を予定している場合、不況のピーク時に資金調達を行うこともできるだろう。しかし、その可能性が非常に低く、会社がうまくいっていても難しいということを忘れないように。計画を変更することをお勧めする」と、Y Combinator は述べている。

9. 生き残りを最優先する

不況の中、多くの企業はよく計画を立てずに多くの支出を続け、次の資金調達を始めようとしたときに失敗したと理解している。Y Combinator は起業家らに「不況下では、生き残るだけで大きなマーケットシェアを獲得できることが多い」と語り、不況下では会社の生き残りを重視すべきであると述べている。

10. 以下の動画をチェック

起業家で Y Combinator のパートナーである Dalton Caldwell 氏と、Y Combinator のマネージングディレクターである Michael Seibel 氏による、起業家に向けた動画「不況時にスタートアップを守るには?」も見てほしい。

via Engadget

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