以前は存在していなかったエコノミーを作り出し、新しく刺激的な方法でプロジェクトに資金を提供できるように、テクノロジーの世界はブロックチェーンや仮想通貨に目を向けているようだ。しかしエコノミーが既に存在していたらどうなるだろうか。

母親のための世界的なソーシャルネットワークとメッセージのアプリで、100万人以上のユーザを持つ mom.life は本日（原文掲載日：2月20日）、既存の報酬を現実世界で価値を持つトークンに変換することができるデジタルエコノミーをローンチした。

2015年に設立され2,500万米ドルの資本を持つ mom.life は世界中の母親が子育ての知識をシェアし、互いにサポートし合うための無料のモバイルアプリである。本日の発表以前は、2017年7月に始まった「Bloom」による報酬を母親たちはお互いに送り合っていた。アプリの最初の2週間で15万の Bloom が送られ、今では月に50万のBloomが送られている。実際に、アクティブな閲覧者の3分の1はこのトークンシステムを通じて、コンテンツ作成やその補助の見返りを得ている。

Bloom を本物の仮想通貨へ変換することは透明性の一般的なメリット、つまり元帳の分散化を mom.life にもたらすだけではなく、Bloom に現実世界での価値を与えることにもなる。では7月からずっと得てきた Bloom はどうなるのだろうか。

mom.life の共同設立者で CEO の Sergey Shenderov 氏は語った。

変換は自動的に、シームレスに行われます。

mom.life のユーザはデジタルエコノミーの開始以前に仲間からの報奨として得た Bloom をそのまま保持できます。開始時の価格は 1Bloom あたり0.015米ドルになると私たちの経済モデルでは考えています。

トークンがリストに載せられれば、Bloom は現実世界における価値を獲得するが、アプリ内での機能も以前と同じく持ち続ける。

トークンは仮想通貨取引のリストに載り、市場価値がつき、他の仮想通貨や法定通貨との取引が可能となります。

段階的に導入されるデジタル商品やプラットフォーム内のサービスに対する支払い機能も持つことになるでしょう。（Shenderov 氏）

推奨すると受け取ることができるインセンティブに現実の価値が提供されると、人はシステムに勝負を挑み金儲けを目指す場合がある。mom.life はどのようにしてコミュニティの既存の価値を維持し、詐欺から守っているのだろうか。

それぞれの電子ウォレットは特定のスマートフォンと紐付けられています。

個々のユーザが生成できるトークンはコミュニティの報奨として、質や一貫性、コミュニティの反応などを勘案して個々の貢献をアルゴリズム的に合算したものを基にしたプラットフォームの報奨として、そして第三者からの広告やコンテンツエンゲージメントへの報奨としてです。これらはすべてユーザがコントロールすることができないものです。他のユーザに過剰に報奨を与えることは不可能なようにデザインされています。トークンは有限で第三者から報奨として受け取ることしかできませんから。（Shenderov 氏）

では mom.life の次の段階とは?

私たちは投資家へのトークン販売、および既存のユーザと将来的なユーザへのトークンの配布に取り組んでいます。これによりデジタルエコノミープロジェクトの拡張を開始し、プラットフォームを可能な限り早く構築するための財務的な準備を整えることができます。

開始までの準備期間に、私たちはエキサイティングな一連のパートナーシップに取り組んでいます。技術面では、私たちが既に行っている1日に数百万件の少額取引を維持できるようブロックチェーンのインフラを実現するために、そして社会的な面では世界規模で女性のためのサポート、女性に対する投資という理念を共有できる相手とです。私たちは既に世界中で100以上の市場に参加しています。今はマーケティングに専念し、その活動のコアとして公式にコミュニティを立ち上げているところです。世界中のユーザに向けて、強力な財政的インセンティブや共通の経済的な利害関係ができる予定ですから。（Shenderov 氏）

mom.lifeの新たなデジタルエコノミーは本日から開始される。詳細は専用の仮想通貨ウェブサイトで確認できる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】