東京スター銀行、外国人起業家ビジネスコンテストのデモデイを開催——3DVRの「3DNest」、ビザオンライン取得の「one visa visit」らが入賞

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18日、東京スター銀行が都内で外国人起業家を対象としたビジネスコンテストを開催した。東京スター銀行は以前、アメリカのバイアウトファンドであるローンスターが経営権を有していたことに名前を由来する第二地銀だが、2013年7月に台湾の商業銀行大手である中国信託商業銀行が完全買収した。そのような背景から、このビジネスコンテストには、日本中華総商会日本台湾商会連合総会(日本台湾商工会議所)といった台湾系や華僑系の組織が協賛し、応募者の6割超を中華圏(中国・台湾・香港など)出身者が占めるユニークなイベントとなった。

このイベントは日本に居住する外国人起業家と投資家とのマッチングを意図しており、会場には10社以上のプライベートファンドやベンチャーキャピタルから投資家が招待されていたほか、東京都や福岡市、日本貿易振興機構(JETRO)などの海外スタートアップを招聘する組織らが後援し、税制優遇や起業支援の実例などについて説明していた。応募者の総数については明らかにされていないが、一次審査を通過した7社がファイナリストとして、この日のイベントでピッチ登壇した。本稿では入賞者のサービスを中心に確認したい。

このイベントで審査員を務めたのは次の方々だ。

  • 厳浩氏  (日本中華総商会 会長、EPS ホールディングス 代表取締役会長)
  • 徐志敏氏 (ジェー・シー・ディ 代表取締役社長、タイ CP グループ日本正大光明 CEO)
  • 濱田裕子氏(日本台湾商会連合総会 名誉総会長)
  • 平岡英雄氏(西京銀行 代表取締役 頭取)
  • 佐山展生氏(京都大学経営管理大学院 客員教授)
  • 佐藤誠治氏(東京スター銀行 代表執行役頭取)

【最優秀賞】3DNest

副賞:賞金100万円

北京に本拠を置く 3DNest(衆趣)の日本法人である 3DNest は、自社開発の 3D Pro カメラ(ハードウェア)と 3D データ編集システム(ソフトウェア)で構成される、低コストで高速処理が可能な 3D モデリングのしくみを披露した。主な用途としては、賃貸不動産、ホテルや民宿、売買不動産の疑似体験だ。

近年の人民元安が中国人の海外不動産投資に拍車をかけ、現地訪問せず、一定条件に合った不動産を遠隔で購入する事例は一般化しつつある。販売対象の不動産を 3DNest のしくみを使ってオンライン閲覧できるようにすれば、商圏を大きく広げることができるわけだ。技術に詳しくない不動産会社の担当者が、手早く撮影できる点も評価を得た一因のようだ。

【優秀賞】one visa visit by one visa

副賞:賞金30万円

外国籍社員のビザ管理サービス「one visa」を昨年ローンチし、Incubate Camp 10th で総合順位2位、Infinity Venture Summit 2017 Spring in Kobe で4位の座を獲得した one visa だが、今年5月に新サービス「one visa visit」をクローズドβ版として公開している。one visa visit は、対象ユーザを日本人の個人にまで広げ、彼らがビザを必要となる地域に海外渡航する際に、日本語入力のみでビザ申請を完結できるサービスだ。

one visa visit はまもなくクローズドβ期間を終了し、9月にはオープンβ版として機能が一般ユーザに公開される予定。年間667万人に上るとされるビザが必要な地域へ渡航する日本人の取り込みを狙う。今後は、one visa visit をパスポートの弱い国(外交関係の都合などから、ビザを必要とする渡航先が多い国)へ展開、ビザ取得で得られる情報をもとにした独自与信による金融サービスや就職斡旋サービスなども視野に入れる。

【日本中華総商会 特別賞】JCCD Studio by 華和結(かわゆい)

副賞:賞金50万円

華和結は、クールジャパンに代表される日本のクリエイティブコンテンツノウハウを、オンライン動画教材の形態で海外向けに提供する e-learning サービス「JCCD Studio」を展開。もともと、華和結では日本の〝カワイイコンテンツ〟を中国などを中心に海外輸出する事業を行ってきたが、コンテンツのみならず、人材育成のためのノウハウも輸出することにした。

作曲家、色彩研究の権威、漫画家、食卓文化研究家、有名イラストレーターなどを講師に迎え、非常に高品質な動画教材を提供できるのが特徴だとしている。YouTube や優酷(Youku)などで動画インフルエンサーがノウハウを無料で伝授する種類のものとは、一線を画しているそうだ。これまでに43カ国の生徒にサービスを提供している。


入賞しなかったものの、ファイナリストに選ばれたスタートアップは次の通り。

  • オーロラ……モバイルバッテリシェアリング
  • 日本美食……飲食店を対象としたインバウンド向け集客支援と決済
  • ヘカバイオ……国内未承認薬、治療法の日本導入支援
  • ヘルスバンク……籾殻から生体由来(非結晶型)ケイ素を抽出し商業化
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