#WebSummit 2018のピッチ・コンペティション、英国発・自動運転のためのフルスタックソフトウェアを開発するWayve(ウェイヴ)が優勝

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.11.9

優勝した Wave の共同創業者で CTO の Alex Kendall 氏
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、WebSummit 2018 の取材の一部である。

リスボンで開催されていた WebSummit 2018 で、4日間に及ぶイベントのクライマックスとなるピッチ・コンペティションで、イギリスの Wayve が優勝した。本稿では優勝した Wayve を含む、ファイナリスト3チームを紹介する。

コンペティションには、世界中からスタートアップ1万社がエントリし、WebSummit 開催期間中に会場内で断続的に予選が繰り広げられた。準決勝では8社から3社へ、決勝ではその3社がガチンコで戦いを挑んだ。奇しくも、決勝に残った3社中の2社が自動運転に関するスタートアップで、また全チームとも AI を提供サービスの柱に据えるスタートアップとなった。

WebSummit CEO でホストの Paddi Cosgrave 氏(最左)と審査員の皆さん
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ピッチの審査条件は、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点。決勝は、Bedy Yang 氏(500 Startups)、Tom Stafford 氏(ST Global)、Holly Liu 氏(Y Combinator)が審査員を務めた。

Wayve(イギリス)

Alex Kendall, Co-founder and CTO of Wayve
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Wayve(ウェイヴ)は、自動運転のためのソフトウェアを開発している。自動運転のために地図、ルール、センサーを開発するプレーヤーがそれぞれ独自の進展をしてきた。これは非効率であり、費用の高くつくと考えた Wayve は、すべてのレイヤーでデータドリブンに機能する自動運転のためのソフトウェアを、フルスタックで開発することにした。これにより、それぞれのセンサー単体が何かを検知しているのではなく、自動運転車そのものが何を検知しているかを判断できるようになる。

Wayve
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自動運転のための地図がまだ無い場所についても、従来の方法よりも少ない最低限のデータと地図だけで、正確で安全な自動運転が可能になることが、これまでの試験で確認されている。手書きコーディングされたルールや高画質の地図だけ依存しすぎない自動運転技術でスケールを目指す。Wayve のチームはロボティクスと機械学習の専門家で構成されており、これまでに数々の論文も発表している。

lvl5(アメリカ)

lvl5
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lvl5(レベルファイブ)は、自動運転用の映像分析ソフトウェアを開発するスタートアップだ。自動運転を実現するための地図製作車には LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging、光検出と測距)装置が搭載されるケースが多いが、これは平均8万ドルと効果で、スケーラビリティには適さない。lvl5 は数十ドル程度のカメラでも適切な映像分析をすることによって自動運転に利用できるソフトウェア技術を開発した。

Andrew Kouri, Founder and CEO of lvl5
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5年前の iPhone でも十分に機能し(計測誤差20センチ未満)、一般自動車による自動運転のための地図製作対応の大量生産が可能になる。同社では映像分析ソフトウェアそのものはコモディテイ化するので無料で提供し、毎日変化するマップデータを車1台あたり1ヶ月10ドルのサブスクリプションモデルで提供する。現在、世界最大の自動車会社と試験中で、道路品質モニタリングの分野で Rubicon Global と提携している。

FACTMATA(アメリカ)

Dhruv Ghulati, Founder and COO of Factmata
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フェイクニュースは、政府や PR 業界のみならず、社会全般にとって大きな恐怖となっている。FACTMATA(ファクタマター)は、コミュニティを使って、報じられた記事やプレスリリースの内容について、事実かどうかを判断する手立てを提供する。政策提言グループ、科学者、研究者、調査報道専門のジャーナリストをネットワーク化し、課題となった記事について、彼らの評価を仰ぐ。スコアリング合計により、その記事がフェイクニュースか事実かを評価する。

Factmata
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自然言語解析に加え、人工知能エンジンが過去の評価データを学習することで、リアルタイムに評価結果を出せるシステムも開発している。独自アルゴリズムにより、判断の正確度は現時点で93%を達している。報道機関などにが記事化や報道を急ぐ際に、時間をかけずに半自動でファクトチェックができる環境を提供できる。今年2月、FACTMATA はシードラウンドで100万米ドルを調達している。

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