中国のインフルエンサープラットフォーム「Ruhnn(如涵)」、IPOに関連し複数の米国企業から訴えられる

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Image credit: Ruhnn(如涵)

中国のインフルエンサープラットフォーム「Ruhnn(如涵)」を運営する Ruhnn Holdings(如涵控股) が、4月のIPOに関連する開示規則に違反した可能性があるとして10社以上のアメリカ企業から集団訴訟を受けている。

重要視すべき理由:Ruhnn(如涵)は成長が見込まれる中国テック企業のリストに名を連ねている。このリストには他にも Alibaba(阿里巴巴)や New Oriental(新東宝)、そして投資家から不正行為の疑惑が指摘されているフィンテックプラットフォーム「Yirendai(宜人貸)」が含まれており、中国資本市場がますます減速する中で投資家心理を冷え込ませている

  • 中国のインフルエンサー・ブロガー業界は競争が非常に激しい。マーケティングプラットフォーム「Parklu(帕克街)」のデータによると、インフルエンサーを管理するプラットフォームは少なくとも200にのぼるという。
  • 批評家らによると、Ruhnn は少数のインフルエンサーに過度に依存しているという。中でも Zhang Dayi(張大奕)氏はここ3年間で同社の総売上のほぼ半数を稼ぎ出している。
Image credit: Ruhnn(如涵)

詳細情報:訴訟では、Ruhnn が企業に関する重要な情報を開示しなかった証券詐欺を犯し、投資家の損失を招いたとされている。

  • IPO 時点で Ruhnn のオンラインストアの数が約40%落ちており、フルサービスのインフルエンサーの数が44%減少していたにもかかわらずそれを開示しなかったことが、今回の告発の核になっていると投資家の代理となっている法律事務所の1つ Bernstein Liebhard が声明で語っている。
  • これら2つの数値が Ruhnn の e コマースとインフルエンサー管理サービスの収益の源泉となっており、同社のパフォーマンスを見る上で重要な指標となっている。
  • Ruhnn の株価は、10月7日時点で7.03米ドルだったが、11日の終値は5.89米ドルと16.2%下落しており、IPO時点の12.50米ドルと比較すると半値以下になっている。
  • Ruhnn が中国メディアに語ったところでは、同社は関連するすべての開示規則に従っているという。また同社のアメリカ担当弁護士が今回の問題の対応にあたっているという。「当社の日常業務は通常通り行われており、影響は特にありません」と現地メディアが情報提供元の発言を引用している。

背景:アメリカの競合企業同様、中国企業もインフルエンサーを市場価値のある製品やサービスとして売り出している。しかし、アメリカのインフルエンサーやブロガーがソーシャルメディアプラットフォームから見返りを得られるのに対して、中国のインフルエンサーは自身の e コマースビジネスでマネタイズを行っている。このような構造が、インフルエンサーの e コマースストアの管理やソーシャルメディアのマーケティング、ビジネス上の決定を支援するインフルエンサー管理プラットフォームの隆盛を後押ししている。

  • 目論見書によると、Ruhnn の設立者 Feng Min(馮敏)氏が同社の株式の29.3%を保有しているのに対して、Alibaba が支援する Taobao China Holdings(淘宝中国控股)が8.56%を保有している。
  • Ruhnn は2016年から中国の NEEQ(全国中小企業股份転譲系統、通称「新三板」、日本のマザーズに相当)に上場していたが、損失が止まらず上場を廃止した。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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