起業家をエンジェル投資家へと変身させるスカウト・ファンドとは?ーーNaval氏創業の「Spearhead」 第3号ファンドを組成

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ピックアップSpearhead will give $1M to 15 founders to invest freely

ニュースサマリー:スカウト・ファンド「Spearhead」が1億ドル規模の第3号ファンド組成を検討しているとTechCrunchが報じた。同ファンドは、アーリーステージ向け投資ファンド「Accomplice」創業者のJeff Fagnan氏と、起業家・エンジェル投資家を繋ぐプラットホーム・サイト「AngelList」創業者Naval氏によって創業された。

Spearheadは複数の起業家に(投資の度に)100万ドルを提供し、起業家自身が選択した創業初期の有望スタートアップに投資してもらうと同時に、彼らをエンジェル投資家としてそのスタートアップに参画させる。つまり、既にある程度の実績や経験を持つ起業家のネットワークとその経験値を利用し、投資戦略にレバレッジをかけることが狙いだ。

同時にエンジェルとなる起業家に対しても、複数人のトップ投資家による経営教育や、他の起業家とのネットワーク提供などの形で、一つのプログラムとして知識の蓄積やキャリア面でのサポートを提供する。

Spearheadからスタートアップへと渡った資金利益(キャピタルゲイン)のうち、15%は起業家へと渡る設計となっている。VCとしては、有望筋のスタートアップの発見・経営支援する役割をアウトソースでき、また起業家側も、投資資金リスク・ゼロで、自分が好むスタートアップに参画・経験値を得られる点でWin-Winの関係を構築できているといえる。

Image Credit: Home – Spearhead

話題のポイント:近年、スタートアップエコシステムの拡大に伴い、VC市場への資金流入が増加。競争環境の激化によって、VCの投資戦略にもイノベーションが求められるようになっています。

そんな中、上述したスカウト・ファンドと呼ばれるスキームを取るVCは2017年頃から米国で増加しており、現在では1つのトレンドとなっています。「スカウト」というのは、ファンドへの直接的関与なしに、ファンドに代わって少額の資金を投資する個人投資家を指します。

Singularity Holdings VCのNeil Devani氏によれば、2012年にSequoia Capitalがスカウト・プログラムを始めて以来、今や「Accel Partners」「CRV」「Founders Fund」「Index Ventures」「Lightspeed」「Social+Capital」「Spark Capital」「Flybridge Capital」および「First Round Capital」など、多くのVCが同様のプログラムを持っているそうです。

では、Spearheadは、上記のスカウト・ファンドスキームとどのように異なるのでしょうか。その答えは、同社のHPのFAQに記述してありました。

一般的なスカウト・プログラムにおいて、その資本は単一の機関により調達され、かつ意思決定をする際は同機関の承諾を必要とします。しかしSpearheadは、資本のコントロール権を起業家らに全て委任しています。資本はいかなるベンチャー・ファームによっても所有されておらず、起業家は投資の際に新たな投資家を招いたりすることもできます。

つまりSpearheadの特徴は、資金提供者による圧力がなるべく起業家にかからない環境を設計することで、より起業家の意思決定を尊重し、柔軟な投資を促しているのです。分権的な制度が、同社の実績の所以だということができるでしょう。

実際、既に2,500万ドル規模の第一号ファンド、3,500万ドル規模の第二号ファンドを運営しており、これまで同スキームは好調な成績を収めているのだと見受けることができます。今回は第3号ファンドとして1億ドルの資金調達と、新たに15人のエンジェル投資家(起業家)を募集しているSpeahead。今後誕生するエンジェル投資家らと、その支援先であるスタートアップの動向には注目が集まります。

Image Credit : Spearhead

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