タイの旅行スタートアップPenguinT、2017年のSPARK Demo Dayで優勝——イスラエルのGoogle Launchpadへのチケットを獲得

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今日(5月25日)バンコクで開催された SPARK Global Accelerator Demo Day で PenguinTが優勝し、イスラエルでの Google の Launchpad プログラムに参加するチケットを手に入れた。

バンコク郊外のノンタブリーに拠点を置く PenguinT は、Expedia のような情報収集型ウェブサイトよりも安い価格でサービスを提供できるよう従来の旅行代理店を活用しようとしている。

準優勝企業は、企業が最適なイベント会場を見つけるプロセスを短縮できるマーケットプレイス Event Banana。

そして、中小企業が現金を得るために投資家にインボイスを売ることができるマーケットプレイスの Talad Invoice だ。

タイ国家イノベーション庁長官の Pun-Arj Chairatana 博士は本イベントの開会挨拶として次のように述べた。

昨年、私たちは「Unite Rise(団結、上昇)」というモデルを採用しました。しかし今年はテーマがスケールアップに移ったので、「Scaleup asia(スケールアップ・アジア)」としました。これは、タイのスタートアップを世界に羽ばたかせたいという思いを込めたものです。

しかし、コンペの勝者というのはいつも主観的だ。なので、2017年の SPARK Accelerator プログラムから羽ばたいていった12社を全て見ていこう。

ConvoLab

ConvoLab は業務用 AI チャットボットサービスである。クライアントのニーズに合わせて AI チャットボットの設計、ビルド、デプロイを行う(数年前のアプリ開発企業を思い出すとよいだろう)。これまでのところ18件の契約を交わしており、クライアントには Google も含まれている。

ConvoLab はトランザクションごとにかかるライセンス料と、導入時に一回限りかかる手数料からマネタイズしている。

Event Banana

Event Banana はイベントを開催するのに打ってつけの場所を見つけ出すワンストップショップを目指している。同社によるとイベント会場は大体いつも空いており、彼らの空き時間を埋める手助けをしたいと考えている。

ローンチ以来7ヶ月で毎月30%の成長率を記録している。プレミアムリスティング料金のほか、小規模なイベント会場に対して15%の手数料を課している。

同社のネットワークを使って海外の人がタイでもっとイベントを主催できるようにする、というのが彼らの求める面白い戦略だ。

JabJai For School

JabJai はタイの学校向けオンライン内部管理プラットフォームである。米国やシンガポールのような国では教育インフラはオンラインに移行したが、タイではいまだに紙に大きく依存しており、この傾向は特に農村部で顕著である。

同社はシステム全体を構築しており、代理店を通じてタイ全土に同社の製品を広めている。現在までに5校のクライアントがおり、さらに4校がデモ段階にある。

FindYourSpace

大半の不動産スタートアップは従来の代理店をディスラプトしようとしているが、FindYourSpace は従来型代理店に力を与えようしている。タイの不動産ブローカーはオフラインで業務を行っているが、FindYourSpace はそういったブローカーに対しコンテンツやリード、通知を管理する CRM や、ポータルリスティングやソーシャルメディアセールスを管理できるウェブサイトを提供している。

この SaaS(サービス型ソフトウェア)はサブスクリプション料金からマネタイズしており、2018年1月までには損益分岐点に達するとみている。日本のベンチャーキャピタルである Re.A.Pra Ventures は先日同社にシード投資を行った。

MyCloudFulfillment

O2O スタートアップ MyCloudFulfillment はクラウドベースのサプライチェーン管理システムで、中小企業向けに商品を保管する倉庫と製品を管理するソフトウェアの両方を提供している。中小企業側は在庫管理や注文、売上のチェックが可能だ。中小企業が成長率を最大化しながら最も効率的に運営を行う方法を探り出すありとあらゆる支援を行っている。

事業主が午前8時までに配送指示を出せば、商品はその日のうちに発送される。同社は Pick and Pack サービスも提供している。越境 e コマース物流を行うために資金を調達中だ。

PEAK

PEAK はオンライン会計スタートアップで、クライアントの納税申告書類の作成を支援しつつ、特定のタスク(データ入力など)を自動化するシステムを構築した。また、API を利用してトランザクションを記録し、情報を利便性の高い SaaS システムに自動的に持ち込んで、事業主が自社の財務状況を把握できるといった支援も行っている。

ますます多くのタイ企業がインターネットを活用しているため、オンライン起業家もターゲットにしている。

PenguinT

現代の面白い点は、世界の至る所で Expedia のような旅行情報まとめサイトが利用されている一方で、従来のオフライン旅行代理店がもっとお得な旅行プランを提供している場合が多くあることだ。PenguinT は世界中のオフライン旅行代理店や旅行業者と消費者をつなぐことで、こういった代理店をオンラインの世界に導こうとしている。

PenguinT はシステムを導入して設定するのに数週間しかかからないため、どの国でもかなり簡単に取り入れることができる。また、ユーザが問題に遭遇したときのために、システム内にカスタマーサービスアプリも備わっている。現在35万米ドルのシード投資を求めているところだ。

QueQ

行列に並んで待つことは、珍しく世界の至る所で見られる面倒事だろう。列に並ぶのが楽しいとは誰も思わないが、かなりよく見られる光景だ。QueQ はリアルタイムで列に割り込めるようにしている。事前に時間を予約する代わりに、QueQ はある場所に来て順番待ちの列を目にする人を対象に、アプリを使って「場所取りできる」ようにしている。そして待ち時間の間その場所を離れてアクティビティを楽しんだりできるのだ。

このアプリが成功すれば、ユーザがどこに行きなぜ並んでまで待つのかを知ることができるため、含蓄のあるデータが得られるだろう。

System Stone Lab

System Stone Lab は工場の機械管理を改善できるようにしている。工場では、稼働停止といったダウンタイムやほとんどの内部品質保証が Excel で維持されているという理由から、設備が十分に活用されていないことがよくある。Stone Lab はこれを一つのアプリで解決しようと考えている。

SAP のような競合他社もいるが、System Stone Lab は他社の6分の1の安さだという。タイのインキュベータ True Incube からシード投資を受けており、現在は同国での拡大を目指して20万米ドルの投資を求めている。

Talad Invoice

資金不足に悩まされている中小企業の「卵が先か鶏が先か」問題といえば、資金は必要だがその資金をちゃんと返済できることを投資家に納得させる必要がある、というものだ。VC モデルはこの考え方には沿っていないが、従来の産業は沿っている。小口投資家に一口乗ってもらえるよう説得する方法の一つとして、彼らにインボイスや発注書、契約書などを保証として売ることが挙げられる。

Talad Invoice は投資家と中小企業がこういった書類を売買できるマーケットプレイスである。

ZeekDoc

ZeekDoc はオンラインのヘルスケア発見・予約プラットフォーム。チームはカスタマーレビューを排除するという思い切った戦略をとっているが、最高の医師を見つけるメトリクスは大量に保持しているという。というのも、レビューは大げさに書かれていたり、非現実的で肯定的あるいは否定的である場合が多いことに彼らは気づいたからだ。

バンコクとプーケットの提携病院には B2B 紹介料を、小規模診療所にはサブスクリプション料を課している。

Zort

Zort は e コマースの在庫管理スタートアップ。同社が解決しようとしている問題は、小規模事業主が管理業務に時間をかけすぎている、というものだ。アーリーステージの代理店や小売業者をターゲットにしている。

各企業に年360米ドル請求しており、2018年1月までに3,500社のクライアントを獲得したいとしている。現在20万米ドルを調達中で、地域拡大を目指している。

【via e27】 @e27co

【原文】

※レビュアー注:「Talad Invoice」のリンク先がDB接続エラーとなってしまい、開けませんでした。ご確認お願いいたします。

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