電子タバコ「Relx(悦刻)」、上海と北京に旗艦店を開設——ネット販売禁止でリアル店舗が増加、未成年者を自動排除する仕組みを実装へ

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RELX の上海旗艦店で E リキッドを調合するロボットアーム
Image credit: Relx

電子タバコ「RELX(悦刻)」を展開する中国スタートアップ RELX Tech(雾芯)は11日、上海と北京に2つの旗艦店を開設した。昨年11月、中国で電子タバコ製品のオンライン販売が禁止されたのを受けてのものだ。

重要視すべき理由:電子タバコ産業は、オンライン販売への厳格な規制や未成年者への販売を禁止するルールを受けて、売上を維持するためのオフライン販売への移行、コンプライアンスの遵守を行なっている。

詳細情報:RELX Tech は3年以内に世界で1万店舗を開設すべく6億人民元を投資する計画だと、Techode への e メールで明らかにした。

  • 旗艦店は18歳超の成人にのみ開放される。プレスリリースで、RELX Tech は「入店や購入時には、全ての顧客に厳格な年齢確認手順を求める可能性がある」と述べている。
  • プレスリリースによれば、旗艦店では、ブランド体験エリア、消費者啓蒙エリア、インタラクティブゾーン、喫煙具彫刻サービスが提供される。
  • RELX Tech のスポークスパーソンによれば、店舗ではそれぞれ2台のロボットを使って、喫煙具の彫刻サービスや E リキッドの調合サービスが提供される。
  • プレスリリースによれば、未成年者を自動的に排除するため、旗艦店では顔認識技術が採用されている。「Project Sunflower(向陽花系統)」というコードネームがついたこのプロジェクトは旗艦店で本格導入となる。小売事業者は、最初の違反時にに最大2万元(約32万円)の罰金が科され、違反が続いた場合は店舗の閉鎖を求められる。
  • RELX Tech は、Project Sunflower を今後3ヶ月以内に中国国内100店舗で展開予定。
  • RELX Tech によれば、同社は2019年1月に開設した1号店舗を筆頭に、中国全土300都市で1,400軒のリアル店舗を展開している。

背景:2018年1月に設立された RELX Tech は、中国市場で60%を超える市場シェアを有するとしている。投資家には、Sequoia Capital China(紅杉資本)、Source Code Capital(源碼資本)、IDG Capital といった有名テック VC が名前を連ねる。

  • 昨年12月、RELX Tech は未成年者の入店や電子タバコ製品購入を防ぐ顔認識プロジェクトを立ち上げた。この際のプレスリリースで、同社は店内カメラが顧客と ID データをマッチさせ、年齢を決定するとしていた。
  • 顧客は製品購入時、顔認識のために再び ID を提示する必要があり、その情報は ID データベースとの突合に使われる。
  • 中国政府は活況を呈する電子タバコ業界での規制を厳格化しており、未成年者への販売については、とりわけ厳しいものとなっている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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