中国で業務が再開される中、新型コロナウイルスから身を守る通勤手段としてレンタル自転車が人気

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Didi(滴滴打車)運営のレンタル自転車サービス「Qingju(青桔単車)」のメンテナンススタッフ
Image credit: Qingju(青桔単車)

中国では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々が公共交通機関よりも自転車で出勤することを好むため、自転車レンタル市場が再び盛り上がりつつある。

重視すべき理由:Quest Mobile(貴士信息)のデータによれば、中国政府が中国全土の省に課した閉鎖政策の影響によって、春節期間中の配車サービスや地図アプリなどのデイリー・アクティブ利用者数は平均で36%低下したという。そして人々の仕事が再開して以降、自転車レンタルへの需要が拡大している。

  • レンタル自転車は、中国の人気健康アプリ「Dingxiang Doctor(丁香医生)」で、最も安全な交通手段の一つだとランク付けされている。バスや地下鉄、ライドシェア、バイクは感染リスクが高く、ランク下位に位置付けられているという。

詳細:Didi(滴滴打車)が提供するレンタル自転車アプリ「Qingju(青桔単車)」の利用者件数は、業務再開初日の2月10日から、それまでの休日期間比べ急上昇している。また広東省南部の地域では、先日月曜日の自転車乗車件数は2月10日に比べ30%高く、バス停や地下鉄の駅、スーパーマーケット周辺では50%の上昇が見られたという。

  • Hello Global(哈囉出行)の利用ピークは2月10日で、北京、上海、広州、深圳などでは63%〜104%の増加が見られた。
  • 中国城市公共交通協会は17日、レンタル自転車産業において共通の衛生規格を設定する旨の草案を発表した。同ドラフトは、旧 Mobike(摩拜単車)を運営する Meituan(美団)や Hello Global、DiDi の Qingju など業界大手らにより共同で作成される予定で、3月末に公開される見込みである。
  • 産業内の大手企業らにより感染防止措置が取られる。各企業の運営・管理チームは、中国全土の100を超える都市で、どの企業の自転車かにかかわらず消毒を実施していく見通しである。
  • Meituan は2月14日に「非接触バイク構想(無接触騎行倡議書)」を打ち出し、ドライバーに保護具の着用を促し、かつ安全と健康のために自転車に消毒を実施する。
  • 一般的に、天候に左右されがちなレンタル自転車業界にとって、冬は利用者が減少するシーズンなため、現在の利用増加は稀に見る事件だと言える。

背景:中国の他のテック大手同様、中国のレンタル自転車企業らは救援物資の寄付や無料利用の提供、雇用の実施などの活動を通しウイルス対策に貢献している。

  • 中国のレンタル自転車企業らは、長らく続く収益減少とキャッシュフローの鈍化に対抗する形で、昨年末、手数料の引き上げを実施している。
  • Hello Global は1月に公開された2019年の年間レポートの中で、同社が3億人以上の登録者を抱える中国最大の自転車交通アプリケーションであると主張している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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