
Image credit: TechNode/Eugene Tang
米・ワシントンDCに本拠地を置くデジタル商工会議所(Chamber of Digital Commerce、以下CDC)は中国人民銀行が84のデジタル通貨に関わる特許申請を実施したと報じた。同レポートでは、同国デジタル通貨を国家単位でいかに連携利用させていくかに関して触れられている。
重視すべき理由: 着実に進展を続ける中国のデジタル通貨導入に伴い、世界的にもデジタル通貨導入に関する議論が国家単位で始まっている。
- 中国人民銀行はデジタル通貨導入において、世界的にリードする立場である。
- しかし、同銀行は同国通貨人民元のデジタル化に関するタイムラインなどの詳細を明らかにしていない。
詳細:今回CDCが公開したレポートでは、84の特許資料から分析可能な、同国のデジタル通貨導入に関する詳細が示されていた。それによれば、特許資料には国内における銀行間取引のフレームワークや通貨発行と流通を制御することが可能なプロトコルデザインに焦点が充てられていたという。
- デジタル人民元(DC/EP) は大きく2つの利用が想定されている。1つは中央銀行と民間銀行間、次いで民間銀行と一般・法人利用だ。
- 特許ではデジタル人民元がいかに配布・管理されるかに関しても言及されている。デジタル人民元は中央銀行によって発行され、民間銀行を通じて国民に配布される。消費者・法人は自身のモバイルウォレットを利用して個人間で送金することも可能。
- 特許ではユーザーの個人情報法保護に対して言及されていたものの、デジタル人民元のシステム自体は通貨所有者・資産などに関わる取引データを追跡可能なものとなっている。しかし、個人間による取引では匿名性が保護されていると同資料で述べられている。
背景:デジタル人民元は既に5年の歳月をかけて開発・導入が進められている。昨年12月には、同システムの国内テスト利用が近く始まると報じられている。
- 今年1月には、デジタル人民元に対抗するかのようにカナダ、日本、スウェーデン、スイス、EU各国並びにイギリスがデジタル通貨に関するワーキンググループを発足した。
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