OLTAが新生銀と共同でクラウドファクタリング新会社「anew」設立、地銀の“新ビジネス”創出OEM拡大へ

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ニュースサマリ:一部報道があったとおり、クラウドファクタリングのOLTAと新生銀行は今日、共同事業の開始を公表する。

10時追記:正式に公表されました。

両社が約10億円を出資して合同会社「anew(アニュー)」を設立し、オンライン完結のファクタリング事業を開始するというもの。設立は1月15日でサービス開始は2月10日から。両社の出資比率や代表社員などの詳細は開示していない。

anewが提供するのは発生した請求書などの債権を買い取る「ファクタリング」事業。中小事業者の運転資金問題を解決するもので、OLTA自身が提供するサービスよりもより高い価格レンジの数百万円から1000万円ほどの債権買い取りに応じる。

OLTAは独自のAIスコアリングモデルにより、従来、信用担保が難しかった2社間ファクタリングのリスク発生率を激減させ、手数料を2%〜9%程度に抑えたことで一気に拡大した。OLTA単体での累計買い取り実績はサービス開始から1年半で150億円にのぼる。

また、外部事業者との連携も積極化させる予定で、その第一弾としてanewではオービックビジネスコンサルタントが提供する「奉行クラウド」との連携を開始する。

話題のポイント:凄まじい勢いで成長中のクラウドファクタリングOLTA、早くもOEM開始です。実はサービスインの時にこの構想はお聞きしていました。

武田:クラウドファクタリングを金融機関等のパートナー企業にホワイトラベルで提供し、弊社がAIモデルを含む審査やオペレーションを担うことで、パートナー企業の顧客基盤に対して、彼らのブランドで運転資金供給サービスを行うという「新たな金融商品の共同開発」構想です(創業2年で申込100億円超「クラウドファクタリング」の衝撃ーー請求買取のOLTAが25億円調達【創業者インタビュー】

新生銀行は株主なので当初からの計画だったのだと思いますが、まさかその最初の一発目を新会社設立でブチ込んでくるとは思ってませんでした。勢いある。なお、同社に確認しましたが、運営スタイルとしては共同設立したanewに対してOLTAが審査等のオペレーションを業務委託する形式で運営するということでした。

また、経緯からも当然ですがエクスクルーシブではなく、これをきっかけに地銀や他の金融機関とも連携してOEM拡大を目指すそうです。現在協議中の案件もあるということなので、この勢いが全国の地銀に広がるのか、また、新生銀行は以前からスタートアップ支援に積極的でしたが、今回はOLTAの株主としてだけでなく、金融機関としてどういったポジション取りをしてくるのか大変興味深いところです。

あとオービックとの提携も興味深い動きです。彼らは提携戦略を推進しており、これまでにもfreeeやChatworkなど、ターゲットとなる企業が利用するプラットフォームと連携してきました。オービックもその一環で、様々な切り口でチャネルを増やし、そのコアにOLTAの「ファクタリングAIエンジン」を据えることで大きなプラットフォームにしようという構想が見えてきます。

<参考記事>

少しイメージは先走りますが、もしOLTAが今後、APIを公開して各金融機関や関連事業者がこれを叩くだけで審査を完了させるようなことができれば、さらに事業はスケールしそうです。

一方、ファクタリングそのものについては従来から続くトラブルも増えているようでこういった風評被害に彼らがどう対処するのか、という点も注目です。

<参考記事>

また今後の動向についてもお知らせしたいと思います。

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