中国、EV充電インフラに年内100億人民元(約1,520億円)を投資予定

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EV(電気自動車)のチャージャー
Image credit: Pixabay

中国は、EV(電気自動車)普及の世界競争でリーダーシップを維持する方向で、すでに世界最大となった EV 充電ネットワークを拡大するために今年100億人民元(約1,520億円)の投資を計画している、と政府高官が9日に述べた。

重要視すべき理由:政府機関からのさらなる投資は、苦戦する自動車メーカーの負担を軽減し、EV 充電をより身近なものにすることで、販売台数の減少の傾向を逆転させる可能性がある。

  • この動きは、北京が 5G ネットワーク、データセンター、EV 用充電設備に焦点を当てた技術投資に力を入れていることを受けたもので、今年に入って中国のトップリーダーたちが「新しいインフラ建設(新基建=新基礎設施設)」と呼んでいる。

詳細情報:中国は今年、EV の展開促進のために国内の充電ネットワークを50%拡大する目的で100億人民元(約1,520億円)を投資すると、中国国家発展改革委員会(NDRC)産業開発局副局長の Cai Ronghua(蔡栄華)氏が北京で開かれた記者会見で述べた。

  • 新華社の報道によると、今年は合計60万カ所の充電ポイントが建設される予定で、その3分の2を民間の充電ポイントが占める。中国は2019年時点で、120万カ所以上の充電ポイントを有する世界最大のEV電源ネットワークを運営している。
  • Cai 氏は、高速道路や都市道路沿い、地方で利用できる公共の充電器が20万台以上、充電ステーションでは48,000カ所以上が新たに設置されると予想している。
  • 充電インフラが普及することで、潜在ユーザの「連続走行距離に関する不安」が軽減されると期待されている。中国は2015年、2020年までに500万台の EV を路上で走らせるために480万カ所の充電ポイントの全国ネットワーク構築を計画していたが、そのうちの4分の1しか達成できていない。
  • EV メーカーは取り組みを強化している。中国メディアは1月、Tesla が年内に中国全土に4,000台のスーパーチャージャーを新設する計画であると報じており、これは現在の約2倍の数だ。
  • しかし、Nio(蔚来)は今年、バッテリ交換ネットワークを40%拡大し173ステーションにする計画だ。現在運営しているのは25のスーパーチャージステーションだが、ユーザがアプリ上で30万台以上の公共充電スポットにアクセスできるようにしている。
  • 資金繰りが厳しい Nio は、充電サービスネットワークに20億人民元(約304億円)を費やし、昨年半ばから外部資金を求めて EV 充電サービス部門「Nio Power」の分社化を模索していると報じられているが、その後新しい情報は明らかにされていない。

背景:中国は、世界最大の EV マーケットとしての地位を確固たるものにしようと、補助金の2年間延長や EV 購入への減税など、一連の政策を発表している。

  • ドイツがこの状況をキャッチアップしようとしている。メルケル首相は11月、EV 補助金を中国のほぼ2倍となる1台あたり6,000ユーロ(約70.1万円)と50%増額し、今後10年間で充電ポイントを100万カ所設置するよう業界の参加に協力を呼びかけた

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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