
配車大手の Didi(滴滴出行)は、企業やデベロッパーが人工知能(AI)機能にアクセスできるスマート交通向けのオープンプラットフォームをローンチした。
同社 CTO の Bob Zhang(張博)氏は5月9日、会社の公式 WeChat(微信)アカウントでの声明で次のように述べた。
開かれた協力関係のおかげで、インテリジェントな移動の開発がより早く、より優れたものになります。
Didi は機械学習サービスと AI プラットフォームへのアクセスを提供することになる。これには音声、画像、自然言語処理が含まれる。他のアプリケーションには、情景知覚、マッピング、移動の安全も含まれる。このプラットフォームがローンチされたのは、9日に中国東部にある蘇州市で開催された Global AI Product Application Expo(全球人工智能産業品応用博覧会)でのイベントだった。
同社は、このサービスが利用されるのは都市交通、物流、金融セクターなどだろうとコメントした。
このシステムは、都市交通管理会社、企業、自動車業界の上流・下流パートナー、デベロッパーに対し、Didi のスマートな交通サービスを提供することを目指している。
Zhang 氏によると、Didiは「世界で最も優れた交通データ」を有しているという。同社は以前、Gaia の施策で暗号化された移動データや計算リソースを研究者に提供していた。Didi の学術的な提携関係については最近、アメリカを拠点とする Berkeley DeepDrive (BDD) Industry Consortium と提携したことで拡大した。
同社は配車サービスのリスクを軽減しようとしている中、市場での地位を確保するために複数の新たな製品をローンチしてきた。昨年には同社プラットフォームを利用した運転手が2人の乗客を殺害した事件が世間の注目を集め、監視と規制が厳しくなっていた。
こうした問題は決算にも影響し、報道によると、2018年度は約110億人民元(約1,755億円)の最終赤字を計上した。また、最近、手数料収入の3分の1を2018年第4四半期に運転手への補助金に支出したと発表している。
4月には、中国の自動車リースやフリートカンパニーに対し、オンラインの金融管理システムをローンチした。同社によると、このシステムは2019年末までにネットワークにいる約1,500のリースパートナーに対してサービスを提供するという。このプラットフォームを活用すると、Didi の自動車パートナーはリース顧客や金融商品を管理できるほか、リスク分析やデータ分析ツールにもアクセスできる。
1月には、アプリ内で中国にいる利用客向けに金融サービスの提供を開始した。これには重病保険、資産管理、個人信用、融資サービスが含まれる。Didi ではユーザ向け自動車ローンのソリューションも拡大した。以前には、プラットフォームで運転手と自動車保有者しか利用できなかったサービスだ。
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