中国の配車サービス大手Didi(滴滴出行)が自動運転車の研究所をアメリカに開設、世界展開がますます現実的に

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Image credit: Didi Chuxing(滴滴出行)

中国の配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)が世界で大きなことを計画しているのは誰もが知っていたが、これまでの動きはすべて、各地域での提携や投資を通じてのものだった。同社は中国以外にオフラインの拠点を設けることはなかった。しかし、これで状況は変わるだろう。

昨年 Uber の中国事業を買収した同社は本日、中国以外で初となる実体のあるオフィス、DiDi Labs をアメリカ・カリフォルニア州マウンテンビューに開設したと発表した。

Didiはこれまで提携や投資を通じて、インドの Ola、東南アジアの Grabアメリカの Lyftブラジルの 99 など世界中の主要プレーヤーを網羅するグローバルな配車ネットワークを構築してきた。Uberとはそれぞれの地域で競合し、また展開地域も異なっていることから、多くの人はこのネットワークを冗談めかして「反 Uber 連合」などと呼んでいた。

しかしながら今回の動きは、ただ競争に打ち勝つためというよりは、もっと戦略的な意味がある。主に人工知能をベースとするセキュリティとインテリジェントな運転技術に注力することになる新しい研究所には、新たな分野、すなわち自動運転に対する同社の取り組みが現れている。研究所をマウンテンビューに置いたことにより、世界の自動運転車大手企業のトップ人材が集まるこの場所に同社が拠点を構えることの意味にも注目したい。

Image credit: Didi Chuxing(滴滴出行)

Didi Labs を率いるのは Fengmin Gong(弓峰敏)博士。自身の会社 AssureSec が昨年 Didi によって買収されたのち、Didi Research Institute(滴滴研究院)のバイスプレジデントになっていた人物だ。

多くの有名なデータサイエンティストや研究者がこのチームに加わっている。その1人は Charlie Miller 氏で、彼は試験走行における自動車の安全問題で世界でトップクラスの評判を持つ。その試験では、Chris Valasek 氏とともにジープの運転システムを遠隔でハッキングして、車を完全制御したという。

研究所の現在のプロジェクトは、クラウドをベースとするセキュリティ、ディープラーニング、人とマシーンのインタラクション、コンピュータビジョン、画像認識のほか、インテリジェントな運転技術など広範囲の分野に及ぶ。

他方、Didi Labs は、幅広い Didi の研究ネットワークと二人三脚で、世界戦略の推進、研究の知見による製品・サービスへの応用、都市がスマートな輸送インフラを構築する手助けを実施していく。Didi は今後一年で、米国を拠点とするサイエンティストやエンジニアのチームを急速に増やしていく予定だという。

Didi Labs の開設は、同スタートアップの自動運転車に対する取り組みを公に示すものだが、それは、Didi が世界のモバイル輸送プラットフォーム大手になるという計画の一部にすぎない。同社に近い人物が TechNode(動点科技)に語ったところでは、Didi は電気自動車も開発しており、ドライバーにとって経済的で環境にも優しい手段として、将来はさらに電気自動車を増やす意向だ。

Didi Chuxing の創業者であり、CEO 兼会長の Cheng Wei(程維)氏は次のように語っている。

世界の輸送・自動車業界では、広範囲にわたる変化が起きています。世界最大のモバイル輸送プラットフォームとして、Didi は世界中でこの業界の5つの会社に投資してきました。豊富なデータと急成長しつつある AI アナリティクスを基盤として、当社は都市や街と協力つつ、未来に向けたインテリジェントな輸送エコシステムを構築していきたいと思っています。

当社はさらに多くのコミュニティに優れたサービスを提供しようと努めているところですが、Didiの国際的なビジョンは、同業の中でも最高の国際的な研究ネットワークを構築し、革新的なリソースを活用することでグローバルな輸送革命を進めていくところまでに至りました。Didi Labs の開設は、グローバルなイノベーションの関係性を作る上で画期的な出来事です。

【via Technode】 @technodechina

【原文】