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今更聞けないノーコードの基本:開発と運用の実務(4/4)

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です ノーコードによる開発/運用の実務 (前回からのつづき)ここまで、ノーコードの特徴を説明しつつ、どのように既存の開発/検証方法を変え得るか実例を交えてご紹介してきました。 ただ、ノーコードはある程度の制約があるがゆえに、導入/運用時には留意すべき事項も出てきます。本節では、ノーコードプロダクトを企業が導入するにあたり、実務上遭遇する…

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

ノーコードによる開発/運用の実務

(前回からのつづき)ここまで、ノーコードの特徴を説明しつつ、どのように既存の開発/検証方法を変え得るか実例を交えてご紹介してきました。

ただ、ノーコードはある程度の制約があるがゆえに、導入/運用時には留意すべき事項も出てきます。本節では、ノーコードプロダクトを企業が導入するにあたり、実務上遭遇するであろう事柄をご紹介することで、ノーコードプロダクトの活用をご検討されている方々の一助になればと思います。

まずわかりやすい点として、デザインは難易度が高い部分になってくるかと思います。

企業が発信していきたいブランドイメージ、コンテンツの整理、それらの訴求方法、紙や店舗とは異なる見せ方やレイアウトなど検討事項は様々です。そのため、まずはアプリで達成したい目標を考え、部署間調整をし、調整結果からコンテンツを決定していく必要があります。また、自社のコンテンツをアプリのコンテンツとして、大きさや効果の付け方など、どのように落とし込んでいくか検討することも、アプリ制作未経験の場合、難しい作業になるでしょう。ページの階層、ボタンの配置や大きさを考えるなど、それなりのノウハウが必要になってくることは言うまでもありません。

もちろん個人や小規模で使用するアプリであれば、テンプレートをそのまま利用することでデザインに関する課題は解決されます。ただ一方で、企業が導入する場合は完成度を高めるために、上記の検討事項が開発フェーズ、運用フェーズに渡ってついて回ります。つまり、企業の導入に関してはノーコードだからと言ってデザインにかかる手間を省くことは難しく、プロジェクトの先頭に立って目標値の設定や社内調整を行う人材、専任のデザイナーの確保、ノウハウの蓄積や継承していく仕組みづくりなどが必要となります。

Yappliの管理画面

運用においては、特にコンテンツの更新が最も手間のかかる作業であり、かつ重要な作業でもあります。

ユーザーのDL数や継続率を上げ、購買やロイヤルティ向上につなげるためには高頻度のコンテンツ更新が必須の要素となります。一部業務系アプリで当てはまらない場合はあるものの、BtoCアプリでは更新頻度を上げることがある意味常識であるため、誰がどのように行い、キャンペーンページなど通常運用とは異なるページをいつどのように表示するか検討も必要です。

さらに、コンテンツによっては公開日時や期間を細かく設定すべきものもあり、運用のユースケースごとに細かな設定ができるノーコードプロダクトを選定すべき企業もあるかと思います。こういった細かな仕様は運用フェーズに入って初めて気づくことでもありますが、担当者の稼働時間や誤操作へ直接影響する部分でもあるため、導入時にある程度把握しておくことが必要となります。

種々のマーケティングツールとの連携実績も検討材料の一つに上げておく必要があります。アプリはリリースしてからどのようにDL数や継続率を上げていくか検討を重ねる必要があることは前述した通りですが、計測/解析すべき数値はまだまだ他にも存在し、導入以降に取得する数値が変わることは十分考えられます。そのため、導入時点で、計測/解析の自由度がある程度担保されることは確認すべきでしょう。また、柔軟に計測/分析を行うことができる専用のマーケティングツールとの連携実績を確認することも重要です。

他にも、運用を行う上では様々な課題が次から次へと出てきます。

例えばセキュリティ強化のために二要素認証を導入しようとした場合、自社が採用したいツールやAPIと組み合わせることは可能か、障害が発生した際の運営側からの説明や具体的な対応連絡はあるか、等々運営側でないと分からない情報があるはずです。そのため、利用者の立場では調査が難しい部分について、提供されるサポートの種類や対応時間、導入/サポートチームの体制なども見逃せない要素となります。

ただし、ノーコードプロダクトの場合、利用者が積極的に情報収集をコミュニティの中で行うことが一般的であり、一から開発を委託した場合などと比較すると、サポートが十分とは言いにくい場合があります。もちろんコミュニティによるノウハウの蓄積はプロダクトの発展のために必要ではあるものの、迅速且つ正確な回答が継続的に行われるためには、運営側の体制がある程度整えられるべきでしょう。こういった観点もノーコードプロダクト導入時には知っておくと良い情報かと思います。

ヤプリでもこれらには十分留意したプロダクト開発、組織づくりを行っており、様々なコツやサポートをクライアントに提供しています。また、作って終わりではなく、モバイルアプリの運用や計測/分析による助言、日々の問合せに対応することで、クライアントのモバイルアプリ開発/運用をあらゆる側面からバックアップしています。

ノーコードを始めるには

ここまで見て頂くと、ノーコードプロダクトに対する大まかな活用イメージが湧いてきたかと思います。ノーコードプロダクトのいくつかは無料プランを用意しているため、手軽に使い始めることが可能です。基本機能は無料プランでもかなり網羅されているため、本格導入の前段として十分な検討を行うことで、契約したけれど使わなかったという事態を避けることができます。メールアドレス、もしくはSNSアカウントを持っていれば誰でも登録できるものが多いため、今からでもスタートすることが可能です。

また、途中開発を行う上でつまずくこともあるかと思いますが、ノーコード特化のYouTuberや、オンラインサロン、Udemyなどのオンライン学習サービスなど開発を行う上で手助けとなる情報源も充実しているため、プログラミングによる開発よりも圧倒的にスムーズな開発を行うことができます。特に前述したBubble, Webflow, Adalo, glideは紹介動画を世界中の開発者がアップしているため、世界中の情報にアクセスすることができます。

ただし冒頭でもご紹介したように、デザインなどのノウハウもある程度必要となってくるため、幅広い知識を獲得する、もしくはチームでの開発が理想的と言えます。また、プログラミングを伴うカスタマイズ手法は情報が少ない場合もあるため、注意が必要です。これらの手間を省く方法として、ノーコードの受託開発を始める個人、SIerも増えてきているため、開発委託を検討するのも良いかもしれません。

今更聞けないノーコードの基本:ビジネスモデルと具体的な事例(3/4)

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です ビジネス上のカテゴライズ (前回からのつづき)こちらも大別すると、BtoC(Customer)、BtoE(Employee)、両方に対応するノーコードプロダクトに分かれます(ここでBtoEとは業務系アプリを指します)。 BtoCはさらに、マーケティング利用に特化したものやEC、メディアに特化したものに分類することができます。マーケ…

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

ビジネス上のカテゴライズ

(前回からのつづき)こちらも大別すると、BtoC(Customer)、BtoE(Employee)、両方に対応するノーコードプロダクトに分かれます(ここでBtoEとは業務系アプリを指します)。

BtoCはさらに、マーケティング利用に特化したものやEC、メディアに特化したものに分類することができます。マーケティング特化のプロダクトではスタンプカードや情報発信用に記事を書く機能が備わっており、テンプレート化されたそれらの機能を用いることで簡易にアプリを制作することができます。

EC特化のプロダクトでは、商品の登録や売り上げの管理が簡易にできるようになっており、決済機能も備わっています。ただし、テンプレートからの変更が難しい場合も多く、リッチなUI/UXの実現を阻害する要因にもなってしまいます。前述したBubbleなどのプロダクトでは、柔軟なUI/UX開発が可能ではあるものの、作り込みに苦労することもあるため、導入時には十分な検討が必要です。

BtoEはさらに、情報伝達・勤務管理・エンゲージメント強化、業務・物品・進捗管理/連携などに分類することができます。情報伝達・勤務管理・エンゲージメント強化に特化したプロダクトでは、各拠点で働く従業員へのお知らせや勤怠管理の機能が備わっており、さらに双方向のコミュニケーション機能(いいね、メッセージなど)が拠点の離れた従業員同士を繋げる役割を担っています。

業務・物品・進捗管理/連携に特化したプロダクトとしては、Googleが買収したAppSheetが代表格として挙げられます。

Googleが買収したノーコードプラットフォーム「AppSheet」

AppSheetでは、外部のスプレッドシートやAirtableなどをデータベースとして用いてスマートフォンアプリにデータを表示することができ、アプリ上でのデータ編集結果を同期させることも可能です。そのため、離れた場所で物品の管理をする場合などに有効です。

中にはワークフローの設定が可能なものや、ウェブアプリとスマートフォンアプリ両方で設定したデータの閲覧が可能なものなど、バリエーションが様々で、用途や業務スタイルによって適切なプロダクトを選択する必要があります。一方で、個別にデザインを設定することが難しく、企業イメージをデザインに反映することができないため、物足りなさを感じることがあるかもしれません。

使い方にもよりますが、両方に対応するプロダクトとしては、前述したBubbleやAdaloなどは十分対応可能かと思います。ただ、業務に特化した機能開発が行われていないがために、作り込みが難しくなることが予想されるため、どの程度の開発・運用規模になるか学習していく必要があります。

一口にノーコードと言っても、開発方法、ユーザーのビジネス形態により様々な特徴があります。そのため、ユーザーの用途によってマッチするプロダクトが何かをある程度調査する必要があります。結果的にプログラミングを伴う開発が適しているケースもあり得るため、ノーコードが常に正でないことは留意しておく必要があります。

プランと価格帯

ほとんどのプロダクトにおいて、3から5つのプランがあり、BtoCの場合、利用顧客のターゲットに応じて、月数万円から数十万円までのサービスなど様々です。BtoEプロダクトは1従業員につき数百円程度の金額が設定されるものもあり、使用する規模や必要性に応じた導入の検討が求められます。ただ、Proプランや代理店プランなど、より高価なプランがあるのも特徴の一つであり、サポート体制の充実や外部への制作委託により手間を省いて開発を進めるという選択肢も用意されています。

ノーコードプロダクトを用いたアプリ開発

モバイルオーダーの「SmartDish」はノーコード事例/提供:CARCH

ノーコード自体はここまで紹介した通り、プログラミングを伴わない開発手法として大きく注目を集めるトレンドとなっていますが、このトレンドをうまく自社サービスの開発や業務に取り入れている企業も、もちろん多く存在しています。

飲食店の事前注文ができるSmartDishでは、Adaloによる開発を中心として、アプリで事前に注文・会計を済ませることを可能としています。コーディングは一切せず、利用者用や飲食店用、運営用のアプリを1〜2カ月という圧倒的なスピードで完成させており、開発後には検証によるフィーバックをすぐに改善へと繋げる理想的な運用を実現しています。この開発スキームにより、最短でMVP検証を行うことができ、飲食店との関係性も深めることができたそうです。

開発はあくまでAdaloがメインであり、実務でのコーディング経験は全くないメンバーが作り上げたとのことで、コーディングにとらわれずノーコードプロダクトをMVP検証に綺麗に組み込んだ、パイオニア的スタートアップということができるかと思います。今後はさらなる作り込みや、データベースの速度改善のためコーディングによる開発に移行するとのことです。

この例はプロダクトを検証するフェーズにおいて、ノーコードプロダクトが高速な検証に効果的であることを示しており、今後のアプリ・サービス開発における一つのトレンドとなる可能性を秘めています。

世界では、ノーコードプロダクトで作り上げたサービスが買収される事例も出てきており、特殊な機能を導入しない限り、ノーコードプロダクトだけでも十分なサービス開発が可能であることが証明されています。

ただし、機能の制限や仕様によって、サービスとの相性に良し悪しがあるため、十分な事前調査を行う、もしくは制限された仕様でいかに機能を実現していくかを考える必要があるのもまた事実です。

今後は、ユーザーの声がさらに取り入れられることでノーコードプロダクトが改善され、それらを利用する各社のノウハウが共有されていくことで、さらなるノーコードの盛り上りが予想されます。(開発と運用の実務につづく)

今更聞けないノーコードの基本:代表的なプロダクトたち(2/4)

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です (前回からのつづき)ここからは、ノーコードプロダクトに関する基礎知識を網羅的にご紹介していきます。 注目されているノーコードプロダクト Webアプリの制作では、よく振興の注目株としてBubble、Webflowが挙げられます。ドラッグ&ドロップで直感的にコンテンツや地図などを設置することができるためUI/UXの設定に優れています。…

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

(前回からのつづき)ここからは、ノーコードプロダクトに関する基礎知識を網羅的にご紹介していきます。

注目されているノーコードプロダクト

Webアプリの制作では、よく振興の注目株としてBubbleWebflowが挙げられます。ドラッグ&ドロップで直感的にコンテンツや地図などを設置することができるためUI/UXの設定に優れています。データベース構築も可能で、ユーザーが入力したデータの格納や、逆に取り出すことでデータを表示することもできます。

また、他サービスとAPIを介したデータ連携もできるため、かなり自由度の高いウェブアプリ開発が可能となります。ただし、カスタマイズの程度によっては実現できない機能もあるため一定の制限はかかってきます。ウェブアプリよりも簡易なホームページを作成する用途には、WIXSquarespaceなどが知られており、リッチなデザインを実現してくれます。

モバイルアプリの制作では、よくAdaloglideが挙げられます。これらのプロダクトもドラッグ&ドロップで設定し、簡単にUI/UXや機能を作ることができます。リンクの送付で他者へ制作物を共有することや、少なくともAdaloではプログラミングによりカスタマイズ機能の開発ができるため、自由度の高いモバイルアプリ開発が可能です。ただ、パフォーマンスや細かな設定をし切れないこともあるため、それらが今後の改善課題とも言えます。

弊社が開発・運営しているYappliもドラッグ&ドロップで簡易にアプリ開発・運用ができ、大企業や有名ブランドでも採用されています。

開発方法によるカテゴライズ

スプレッドシート型の代表例:Airtable

開発方法はビジュアル型、スプレッドシート型に大別されます。

ビジュアル型は、ドラッグ&ドロップで機能を一つずつ設定していくイメージで、上述の4社がこれに当たります。画像のインポート、効果や色味の設定、ページ遷移などもドラッグ&ドロップでできてしまうので、使い方に慣れてしまえば高速に開発ができます。ただし、他社APIの利用や、データベースを構築する際はある程度の知識が必要となるため、ビジュアル型と言ってもビジュアル操作だけではない点に留意する必要があります。

一方でスプレッドシート型ではAirtableが最も有名なプロダクトです。一見、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートのようにも見えるのですが、セルに直接画像、動画などのファイルを投入することができ、カンバン表示やカレンダー表示を簡単に切り替えられるなど、これまでのスプレッドシートでは難しかった表現が可能です。特定の列を抽出して共有でき、他サービスと連携することでデータベースとして利用することもできるなど、これまでのスプレッドシートの概念を拡張したようなプロダクトです。

プロダクト構成

通常これらのプロダクトはウェブで制作画面とプレビュー用の画面が用意されており、都度完成イメージを確認しながら開発を進めることができます。また、アプリ開発のノーコードプロダクトの場合、プレビュー用のアプリが無料で公開されている場合も多く、実機での見た目を常に確認することができます。

プログラムによりカスタマイズできる機能が備わっているものもあり、自身で機能を拡張、もしくは他者の拡張開発を自身のサービスに取り込むこともできます。また、API連携機能により各種サービスと連携し、機能を拡張することが可能なものも標準的な構成の一つになりつつあります。(ビジネスモデルと具体的な事例へつづく)

今更聞けないノーコードの基本:ノーコードとはなにか(1/4)

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です ヤプリ・コネクト部(アプリプラットフォームYappliとクライアント様のシステムをつなぐ設計等)に所属している北村康裕(きたむら やすひろ)と申します。今回は、私の本業であり趣味でもあるノーコードについての基本をお伝えしていきたいと思います。 最近、GAFAをはじめとするノーコードプロダクトのM&A、大型調達が目立ってきて…

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

ヤプリ・コネクト部(アプリプラットフォームYappliとクライアント様のシステムをつなぐ設計等)に所属している北村康裕(きたむら やすひろ)と申します。今回は、私の本業であり趣味でもあるノーコードについての基本をお伝えしていきたいと思います。

最近、GAFAをはじめとするノーコードプロダクトのM&A、大型調達が目立ってきており、実際多くの企業・個人がノーコードプロダクトを利用してウェブアプリやモバイルアプリを開発しています。海外では、ノーコードが流行から新たな常識として浸透しつつある中、国内でも様々な産業領域でノーコード系スタートアップが勢いを増しており、ノーコードプロダクトを用いてMVP検証をするスタートアップも登場してきました。

ただ一方で、毎日のように各メディアで取り上げられるようになった結果、情報が散在し、体系的な理解が追いついていない方も多いかと思います。ノーコードという大きなトレンドを正しく理解するためにも、本連載では、ノーコードにまつわる各種情報の整理を行い、ポイントとなる部分を理解いただきつつ、実際の利用イメージ、留意点について知って頂ければと思っています。また、今回はアプリを作成するプロダクトに絞って紹介をさせていただきます。

ノーコードとは?

Yappliはコードを書くことなくアプリを開発・運用できる(画像:ウェブサイトより)

本連載では、様々なノーコードにおける基礎知識を紹介していくのですが、まずは、そもそものノーコードの定義付けをしておこうと思います。私の中では、(基本的には)プログラミングを一切行わずサービス開発ができることがノーコードだと考えています。一方でローコードという概念は、ノーコードと比較してプログラミングを伴う作業が多いものを指します。

ちなみに、(基本的には)という注釈を加えたのは、一般的にノーコードと呼ばれるプロダクトであったとしても、ユーザーがプログラミングによりカスタマイズすることができたり、運営元が特注でカスタマイズすることがあるからです。ややこしい説明になってしまいましたが、場合によってはプログラミングを伴うものもノーコードに含まれます。

ただしノーコード=全くの素人でも完成度の高いアプリができる、ということではなく、ある程度のIT、デザイン知識は必要となります。プロダクトによってその程度は全く異なりますが、データを扱う際に多少データベースの知識を求められるものもあります。また、作ってみて初めて気づくのですがデザインは非常に難易度が高い部類に入り、色味やボタンの大きさ、クリエイティブの作成など、独自性を持たせた上で美しい見た目を整えるにはある程度ノウハウが必要となります。

個人使いのアプリを作成する程度であればこういった観点は問題になりませんが、ビジネスのツールとしてノーコードを選択する場合は、複数のノウハウが必須と言えます。また、ノーコードプロダクトはそれぞれ癖があるため、その点も多少のハードルにはなってきます。(代表的なプロダクトたちへつづく)

ノーコードで世界は変わる

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です ノーコードという言葉をご存知でしょうか。 言葉の通り、ノーコード(プログラミング不要)でアプリケーション開発のハードルを下げることを指します。今、このノーコードが様々な業界のビジネスや仕組みに影響を与えはじめています。私たちヤプリもまた、数多くの事例を手がけることでその効果を企業のみなさんと分かち合ってきた一社です。 見えてきた世…

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ヤプリCTO 佐野将史

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

ノーコードという言葉をご存知でしょうか。

言葉の通り、ノーコード(プログラミング不要)でアプリケーション開発のハードルを下げることを指します。今、このノーコードが様々な業界のビジネスや仕組みに影響を与えはじめています。私たちヤプリもまた、数多くの事例を手がけることでその効果を企業のみなさんと分かち合ってきた一社です。

見えてきた世界観は次のようなものです。

  • 非エンジニアの能力を拡張し、想像力を高め、アイデアを実現させることができる
  • 組織にスピードを与え、ユーザードリブンなプロジェクト推進を可能にする

本稿ではノーコードがもたらす変化、この先にある世界についてみなさんと共有できればと思っています。

広がるノーコードの世界

※動画は2015年当時のYappli

改めて、ヤプリで開発を担当している佐野将史と申します。創業からずっとアプリプラットフォーム「Yappli」の開発に携わってきました。7年近く経過した今、大手ブランド中心に導入社数は400社を超えて今も伸びています。

現状では「マーケティング支援」と我々が呼んでいるジャンルが顧客の大半を占めている状況です。背景としては、企業のモバイルマーケティング強化の文脈で自社アプリ利用が進んでおり、具体的にはアパレルや通販、商業施設、飲食などの業界(インダストリー)がアプリを通じて集客強化をしているケースが多いです。

ポイントカードやスタンプ、クーポン、ECがよく使われる機能で、オンラインのみならず、オフライン店舗への誘導などにも貢献し、利用企業の売上や集客に一定の効果が認められるようになりました。顧客の成長がそのまま私たちの成長につながっています。

一方、利用シーンにも広がりがあります。

例えば商品カタログや研修動画です。社内や取引先に配布するB2Bアプリで大手のメーカーさんに採用いただいてます。また、ユニークな例では青山学院大学さんが大学と学生間でのコミュニケーションを目的に利用されているケースもあります。

従来のオフライン(紙媒体など)や、ウェブで管理や共有していたものが、より接点の近いアプリに置き換わっているわけです。このようにインダストリーを問わない形で企業のモバイル投資が進んでおり、大きなチャンスが広がっているのがこの、ノーコードの市場になります。

ノーコードで社会はどう変わるのか?

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Photo by Simon Matzinger on Pexels.com

では、本題です。ノーコードは世界をどう変えるのでしょうか。アプリが簡単に作れるだけ、今までのコストが圧縮できて利益が出るようになったーー。もちろん即時的な効果は前述した通りです。

しかし、私たちはもっと幅広い可能性があることに気がつきました。

例えばノーコードの世界観ではエンジニアや外注するベンダーのスキルは各社平等になります。各社(特に非情報産業系の企業)エンジニアリングのレベルは極めて平坦になります。一方、特色が出るのがデータです。価値のあるコンテンツやデータはそれぞれの企業の特色を表現し、よりこれら魅力的なデータをどうやって集めるか、という点が重要になってきます。

これまでは腕のよいエンジニアを雇い、より良い見せ方、より個性的な表現に高いコストを支払っていたわけですが、ノーコードの世界ではより企業のブランドの保有する資産(データ)という、本質的な競争環境が生まれると予想されます。

ではエンジニアは不要かというともちろんそんなことはありません。

ノーコードの世界では、量産可能なアプリを作る技術はどんどん不要とされていきます。反面、オリジナリティ(尖った・面白いもの)のあるエンジニアはより高い評価を受けることになります。言い換えれば、量産っぽいつまらない仕事が減り、クリエイティブな仕事ができるので優秀な人はどんどん活躍できるわけです。もちろんですが、エンジニアの知識があれば、ノーコードツールを活用する方法も、そして企業がどのようなデータを集めればより競争力が付くかも想像しやすくなります。

つまり、企業はより資産となるデータやコンテンツの独創性が競争力となり、かつ、エンジニアもより高い次元で企業と仕事ができるようになる。そんな世界観が今、実際にやってきていると考えています。

ノーコードの思想

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現在提供しているYappliは今年7月にCMS刷新した

当然ですが、まだまだ道は半ばです。

エンジニアの方であれば理解いただけると思うのですが、400以上の様々な活用をされるアプリが、同じ言語で作られていて、同じプラットフォーム上で動いていることは、非エンジニアが想像する100倍くらいとんでもないことです。ある特定のアプリに対して、誰でも運用できるCMS(管理画面)があるのとは訳が違います。だから当初から「Yappli」を「アプリのCMS」とは言いたくありませんでした。

本当にこの世界を創るには強い信念と思想が必要です。便利なものを作ればいい、儲かるものを用意すればよい、投資が集まる聞こえの良い美辞麗句を並べれば良い、ではすぐに挫折します。

例えば、アプリ開発だけでよければ、カスタマイズをした方がいろんなアプリを作れるし、販促アプリ開発ツール、社内共有アプリ開発ツール、など、使用用途によってCMSを分けた方が売りやすいかもしれません。

しかし、1つの課題に対して1つのピースで解決していては絶対に生まれないアイデアや発見があるはずです。この7年間でどんどん変わっていく世界はそれを教えてくれました。なので、ヤプリとして活用方法を提案することはあっても、使用用途を決めることはしません。余白を残していることは重要なのです。

そして何よりノーコードが果たす役割として大切なのが「人の成長」です。

実際にYappliを最大に活用しているデザイナーさんや、導入担当者と近いCS(カスタマーサクセス)の担当者さんの言葉にヒントがありました。

そこにどんな人でも運用可能な管理画面があり、MAのようなプッシュ通知を打つことができたり、誰がみてもわかるダッシュボードがあったり、CDPと連携しデータを活用したり。サイロ化された組織を横断し、いくつものツールを連携することで実現可能だったことが、プラットフォーム上で実現できるようになれば、担当者の能力の拡張につながるはずです。

短期間でPDCAが回せる環境があれば、そこでの発見や経験は確実に人の成長に寄与します。またさらにそれを横に展開することで、その成長は加速されるはずです。私たちも導入企業の担当者さんと一緒に、アプリの運用についてワークをするようなミートアップも開催してます。ノーコードを合言葉に、業界や職種を超えて、人と人との交流を促進させるきっかけになれば、よりよい世界が広がると信じています。

本稿はノーコードのアプリプラットフォーム「Yappli」を開発・提供する株式会社ヤプリCTO、佐野将史氏によるもの。Facebookアカウントはmasafumi.sano。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトください。

狙うは日本企業のモバイル化ーー創業6年・30億円調達のヤプリ、解約率1%未満の“勝ち筋”を聞いた【庵原氏インタビュー】

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注目の国内SaaS企業が大型調達を発表した。 マンションの一室で始まった「プログラミング不要のアプリプラットフォーム」は幾多の困難を乗り越え、大手企業を中心に300社が利用、全ての利用企業の総ダウンロード数は3500万件、さらに解約率1%未満という結果を叩き出すまでに成長している。 <参考記事> SaaSは年商10億円の壁をどう超えるーーRepro、Yappliの創業者が語る「PMFま…

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左から経営陣で取締役の佐野将史氏、代表取締役の庵原保文氏、取締役の黒田真澄氏

注目の国内SaaS企業が大型調達を発表した。

マンションの一室で始まった「プログラミング不要のアプリプラットフォーム」は幾多の困難を乗り越え、大手企業を中心に300社が利用、全ての利用企業の総ダウンロード数は3500万件、さらに解約率1%未満という結果を叩き出すまでに成長している。

<参考記事>

一方、創業した当時からテンプレート形式のアプリ運用プラットフォームのアイデアそのものは目新しいものではなかった。実際、彼らもスモールビジネスを対象にした初期の事業では戦略の変更を余儀なくされている。

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2015年9月、マンションの一室で撮影した創業当時の経営陣(筆者撮影)

市場は彼らのどこに注目し、何に期待したのか。本誌ではヤプリ創業者で、同社代表取締役の庵原保文氏に彼らのビジネスの状況と今後の事業成長について聞いた(太字の質問は全て筆者、回答は庵原氏)。

オフィスを移転して一気に拡大した。インテリアもビジネス向けのSaaS企業としては明るい雰囲気になっている

庵原:部門を問わずイベントごとが大好きなカルチャーなんです。元々、顧客とのユーザー会はもちろん、ミートアップや勉強会など多数開催していました。他の会場を利用するだけでもコストはかかりますから、自社の中に作ってしまおうと。このオープンスペースで毎日のように開催される予定ですよ。

今回の取材では昨日公表した大型の調達についてその展望などを聞きたい。まず、現状のビジネス状況について教えてほしい。リリースでは300社が有料での利用ということだが、国内の上場約4000社、売り上げ好調の未公開企業合わせて数万社がターゲットと考えて、この数字をどうみている

庵原:社数として伸びしろが非常に大きいと感じています。SMB(中小規模の企業)中心だった創業期と異なり、エンタープライズのクライアントが中心になりますので、SMBのように数万社を事業目標にはしておらず、スケール感で表現すると、1000社導入でもユニコーン(評価額で10億ドル規模の企業)を狙えるサイズ感になってくると考えています。

どういった業界の利用が進んでいる

庵原:現状では「マーケティング支援」と我々が呼んでいるジャンルが顧客の大半を占めています。これは企業のモバイルマーケティング強化の文脈で、自社でのアプリ利用が進んでいるような方々です。

具体的には

庵原:アパレルや通販、商業施設、飲食などの業界(インダストリー)がアプリを利用して集客強化を行っているような事例です。ポイントカードやスタンプ、クーポン、EC機能等によるオンライン・オフラインの両方の集客や売上の増加に大きく貢献しており、引き続きこの市場を盤石にするのが当面の動きになります。

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ヤプリは2019年6月に六本木のSmartHRなど新興企業が集まるビルに移転した

次のターゲットは。特徴的な利用が進みそうな業界など可能性は

庵原:並行して、業界を問わないビジネス全般における用途でも需要が高まっています。例えば商品カタログや研修動画を社内や取引先に配布するBtoBアプリで、大手のメーカーの導入が進み始めています。

法人の営業支援などの利用は電子カタログなどのビジネスで聞いたことがある

庵原:またユニークな例では青山学院大学が導入しており、校内の掲示板のリプレイスとなる、大学と学生間でのコミュニケーションに使われていたりします。従来のオフライン(紙媒体など)や、ウェブで管理や共有していたものが、より接点の近いアプリに置き換わっている例ですね。

ーーなるほど。少し補足しておくと、ヤプリはもう以前に取材をしていた頃の「テンプレートアプリメーカー」ではなくなっているようだ。庵原氏の話によれば、企業の情報戦略上で必要に迫られる「モバイル化」の流れを受け、かなり上流の工程からコンサルティング的に現場に入っているということだった。

つまりこれは従来、コンサルや大手広告代理などの手がけていた分野に近い。企業はマーケティング活動だけでなく、法人営業、組織内情報流通など、あらゆるシーンでモバイルを活用した効率化(庵原氏が表現するところの「モバイル投資」)を求められている。スクラッチで独自開発することができる大手IT系や、大型の予算が組める事業体は別として、多くの事業者はリーズナブルな選択肢を探しているはずだ。

ヤプリはそこにハマった。しかも彼らはコンサルフィーをビジネスにしない。それがチャーン(解約率)1%の秘密なのだろう。話を庵原氏のインタビューに戻そう。

 

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ヤプリのケーススタディは冊子になってオフィスに並ぶ

話を変えてチーム状況を教えてほしい。(経営陣含め)社員数や開発メンバーの比率、オフィス移転に伴って今後どのような運営体制を構築する

庵原:社員数は150名程度に拡大しました。プロダクト本部(=開発本部)としては全社の約1/3で、プロダクト開発に重きを置く体制になっています。移転に伴いエンジニアが働きやすい環境に対しては大きく投資をしているので、今後は更に採用を強化し、開発タレントの比率を全体の5割ぐらいまでにしようと計画しています。また人数の増加に伴い、開発系の人材には経営への関与も強めてもらいたいと思っています。

ヤプリの利用ニーズから考えて、開発と同じく重要なキーを握るのがオンボーディング箇所

庵原:それがカスタマーサクセスのチームです。プロダクト本部がベストな製品を作り、それを顧客が使いこなして各社を成功へ導く必要があります。製品の導入支援はもちろん、継続的な顧客の課題解決と成功のために伴走し、支援する専門チームがカスタマーサクセスになります。

組織強化の課題と対策は

庵原:内部登用と新規採用の両面ですね。強化していきたい。その他の部署としてもミドルマネジメントの強化やCxOの採用・登用を含めて組織強化は重要課題に設定しています。

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オフィスフロアに大きく間取りされたオープンスペース

近年スタートアップの人材獲得競争、特に優秀なマネジメント層を引き入れるための工夫を各所で聞くようになった。特にカルチャーづくりは各社力を入れていると聞く

庵原:そうですね、ヤプリとしては会社に来たくなるようなカルチャーを作りたい、というのはあります。そのための施策のひとつとして、オフィスの1/3をオープンスペースにしカフェを作ったりしています。前述した通り内部・外部を招いて各種イベントを開催しますし、夜はアルコールも提供して社員の交流を促進できるような仕掛けにしています。あと、社員のSNSでの情報発信はSaaS系の会社としてはかなり活発な会社だと思いますよ。

企業成長について聞く。今回の大型調達を経て、株式公開やその後のストーリーでどのようなイメージを持っている

庵原:当初は最短でのIPOを考えていました。

なるほど

庵原:ただ、スマホが行き渡たるにつれ「企業の本格的なモバイル投資が始まる」という市場拡大のチャンスに気がついたのです。この余地は非常に大きい。それでプライベートでの増資に切り替え、腰を据えて上場の経営判断をしたいと考えるようになったんです。

時期は

庵原:予定としては数年内にと考えていますが、オリンピックなどのイベントは市況の潮目を変えるきっかけになるので一定の意識はしています。また規模としても、今回の調達により市場の期待を強く感じています。今回のラウンドで参加された新規投資家の方々も十分に納得できる内容を実現できると考えています。

ありがとうございます。引き続き追いかけます。

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新たに移転したオフィスから創業当時のマンションがみえるそうだ

ーーということで庵原氏にヤプリビジネスの今を聞いた。印象的だったのは、彼らがアプリプラットフォームというSaaSモデルを選択しながら、盲目的に数を追いかけるスケール偏重の戦略を早い段階で変更していた、という点だ。対象となる企業の数、価格、チームバランス、役割などこの部分の変更はそう簡単ではない。創業から2年目までにこの舵取りをしたことが今の成長に繋がっている。

企業がモバイル対応を迫られる中、大手コンサルやSier、気軽に依頼できる小さな制作会社のいずれとも異なる独自のポジションを確立しつつあるヤプリ。現在の300社という数字が今回の大型調達を経て、どのような成長カーブを示すのか。また次の取材機会があればお伝えしたい。

アプリ運用のヤプリが30億円の資金確保、累計ダウンロード数は3500万件突破

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アプリプラットフォーム「Yappli」を運営するヤプリは6月17日、Eight Roads Ventures Japanをリードとする資金調達ラウンドの実施を公表した。第三者割当増資と融資によるもので、全ての払込が完了すれば最大で30億円の資金調達となる。増資の引受先となったのはリード以外にSMBCベンチャーキャピタルと​既存株主のグロービス・キャピタル・パートナーズ、YJキャ…

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アプリプラットフォーム「Yappli」を運営するヤプリは6月17日、Eight Roads Ventures Japanをリードとする資金調達ラウンドの実施を公表した。第三者割当増資と融資によるもので、全ての払込が完了すれば最大で30億円の資金調達となる。増資の引受先となったのはリード以外にSMBCベンチャーキャピタルと​既存株主のグロービス・キャピタル・パートナーズ、YJキャピタルの各社。融資を担当したのはみずほ銀行、りそな銀行、日本政策金融公庫。第三者割当増資による調達が22億円で、融資が8億5000万円となる。出資比率については非公開。

同社はこれまでに上記既存投資家以外にもセールスフォース、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、個人投資家の川田尚吾氏らから10億円を調達している。

Yappliは2013年にサービス開始したアプリの開発・運用のプラットフォーム。プログラミングなどの知識がなくても、クラウド上で自社のECアプリなどの開発、リリース、運用が可能になる。

<参考記事>

これまでに300社以上が導入し、Yappli上で開発されたアプリケーションのダウンロード数は累計で3500万件を超える。同社リリースによるとSaaSテックカンパニーで重要指標とされる積み上げの売り上げについては前年度比で2倍、解約率は1%以下に留まる。今回調達した資金でプラットフォームの開発を拡大するほか、さらなる利用実績を積み上げるためにマーケティング活動への投資を実施する。

SaaSは年商10億円の壁をどう超えるーーRepro、Yappliの創業者が語る「PMFまでの道のり、ARR成長の鍵」

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B2B SaaSビジネスが好調だ。 国内の事業者向けクラウドサービスの情報を集める「ボクシル」が公開しているカオスマップを紐解くと、2018年7月時点で4000件を超える事業者が登録されているという。 ビジネス的に法人をターゲットにした積み上げの営業スタイルは収益を安定させやすく、トレンド勝負、広告依存型の一般消費者向けサービスに比べて「生存確率が高い」ことも参入人気の理由だろう。その一方で頭打ち…

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写真左から:ヤプリ代表取締役の庵原保文氏、Repro代表取締役の平田祐介氏

B2B SaaSビジネスが好調だ。

国内の事業者向けクラウドサービスの情報を集める「ボクシル」が公開しているカオスマップを紐解くと、2018年7月時点で4000件を超える事業者が登録されているという。

ビジネス的に法人をターゲットにした積み上げの営業スタイルは収益を安定させやすく、トレンド勝負、広告依存型の一般消費者向けサービスに比べて「生存確率が高い」ことも参入人気の理由だろう。その一方で頭打ちもしやすいのだろうか、時価総額1000億円越えの「ユニコーン」リストを眺めると、やはりC向けサービスのスケール感が目立つ。

小さくまとまらず、かつ着実に事業を大きくするにはどのような経営戦略が必要になるのだろうか?

ということで本稿では、今月29日に提携を発表した国内B2B SaaSの成長株、Repro代表取締役の平田祐介氏と「Yappli」運営ヤプリ代表取締役の庵原保文氏にそのTipsをお伺いした。(太字の質問は全て筆者)

まずは今回の提携から。クラウド型アプリ開発プラットフォームのYappliと、マーケティングツールのReproの連携は相性が良さそうに感じる

平田:そうですね。Yappliを利用されているユーザーの方はReproを活用することでアプリチャンネルの収益(ROI)向上が期待できますから、結果的にYappliの満足度向上に繋がると思っています。また、Reproとしては当然ですが、Yappliでアプリを開発・運用されている事業者の方にも導入ができるようになったのが大きいです。

庵原:既に導入クライアントがいるので実効性あるものになるのではないでしょうか。アプリでもデータに基づくユーザー体験は求められてますから、Repro搭載による深いコミュニケーション(高度なターゲティング・プッシュなど)には期待しています。あと、我々のコアではない部分をReproのような専門的ツールがカバーできるので、SDKとのビジネスは相性いいんですよ。

一方でこういった発表で排他的になる可能性もある。わざわざ提携とまでして公表した理由は

庵原:平田さんとは創業時から意見交換していた仲なんです。当時はお互い社員はいなく、どう生き残るかの話をしてました(笑。あれから6年経って、双方全く違うリーダーシップ・カルチャーで経営し、生き残るばかりか100名規模までお互い成長できたことは驚きでもあります。今回の協業を通して、双方でモバイルアプリ、モバイルマーケティングの市場拡大に貢献したいですね。

平田:ヤプリに買収されるようなことがないよう全力で今後も伸ばしていきます(笑。

2社とも創業から5、6年経過したいわば「同級生」。数名でスタートアップして今ではそれぞれ100名規模に拡大している。事業拡大にあたって最初の壁はどこにあった

平田:PMF(プロダクト・マーケット・フィット)達成までですね。創業から1年半かかりました。ARR(Annual Recurring Revenue/年間経常収益)数十億以上のポテンシャルがあるPMFを見つけるのは大変です。

Reproの初期サービスってアプリの分析ツールでした。しかし販売はできても、ARR10億円にも到達しないことが分かったんです。そのため、試行錯誤しながら「アプリのマーケティングツール」へピボットし、かつ市場成長率以上に伸ばす必要がありました。IPOを目指すのであれば、ARR10億円以上を可能にするPMFを5年以内に見つけるのが重要な鍵になるんじゃないでしょうか。私たちはその決意(ピボット)が創業1年のタイミングでしたね。

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ヤプリは当時まだ「ファストメディア」という社名だった

庵原:社名変更が2017年4月なので4年ほどですね。いわゆる「0-1」に2年「1-10」には3年かかった感じです。特に1-10で四苦八苦したのがビジネスモデルやプロダクト、組織の確立でした。

ビジネスモデルについてはアプリ制作のプラットフォームということで、分かりやすい印象があったが

庵原:B2B SaaSの鉄板となっている「リード、商談、受注、解約防止」まで一連の流れを作るのが大変なんです。組織の細分化や、特にKPIとその実行施策については強固にしようと注力しました。優秀なマーケター、セールス、インサイドセールス、カスタマーサクセスと4つの職種を作って、有能なマネージャーの元に各チームがKPIを達成し、最終的に売上を作る。

パワポで描けても、採用や組織作り、KPIの設定・可視化、なんといってもその実行は大変でしたし、これからもアップデートし続ける必要があります。

またプロダクトについても導入企業が増えると「攻めの開発」だけでは立ち行かなくなります。「守りの開発」、つまり品質管理などの重要性を理解し、社員全員でその考え方を共有したり、手法を整理するのは大いに苦労しました。

Repro同様、PMFまで苦労した

庵原:例えばARR100億円を月額1万円で達成するか、月額100万円で達成するか。この視点で考えるのがいいかもしれません。自社のプロダクトの特性やターゲット市場の特性を考えた上で、販売手法や単価を考え、目標へどう登るのかを決めることが非常に重要、ということです。

例えばエンジニア向けプロダクトの場合はツールリテラシーが高いためセルフサーブでも販売しやすいです。さらに、エンジニア一人一人にID課金できるようなプロダクトであれば、低単価のオンラインセールスも可能になります。

あと、バーティカルなSaaSなら狙うべき業界ってセットですよね。医療向けだったら医療ですし。一方で、うちやReproのようなホリゾンタルなSaaSの場合はちょっと難しくて、早期に試行錯誤を繰り返して継続率や効果、単価や市場の大きさ(社数や従業員数など)からトライ&エラーを続けてPMFするしか方法はありません。

想像以上に粘りが重要

庵原:創業者の諦めないマインドって意外と重要なんです。ここについてはスポーツと同じかもしれません。マインドファーストの精神です。

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スタートアップのPMFは各サービス個別最適とは言え、それぞれの視点が参考になる。もう少し深掘りして売り上げを伸ばすことへの試行錯誤は

平田:創業後約2年でARR1億円規模になるんですが、この段階における経営者(私の場合)は売れる状態になったこともあって、少し安心しちゃうというのが落とし穴かもしれません。当社もそうですが、こういった状況になると、調達した資金をまずセールス・マーケティングに投資することが多いと思います。

しかしSaaSの重要指標なKPIはCAC(顧客獲得コスト)、チャーンレートとLTVです。個人的にセールスやマーケティングを強化するのは、チャーンレートの改善を可能な限りやってからだと考えてます。一度発生した顧客の流出はリカバリーするのが困難だからです。これはC向けのサービスで水漏れが少ないバケツを作ってから広告費を投下しようという考え方と一緒ですね。特にB2B SaaSの場合は潜在顧客が少ないのでより慎重になるべきでしょう。

庵原:顧客のターゲットゾーンと業界についての理解が深ければ、もっと速く成長できた可能性はあります。そこが分からなくて2年ほど遠回りしましたが、その時に試行錯誤して作った機能たちが、今のメイン機能となっていることを考えると事業に正解はないとも思います。

当初のターゲットはオンラインセールス中心の低単価SMB(中小企業)でした。このターゲットをミッドマーケット・エンタープライズに変更し、手法を対面セールス(フィールドセールス)に変えてから事業は見違えましたね。僕らのプロダクトの場合はオンラインで大量に売るモデルではなく、大手企業にしっかりと商品価値を理解してもらった上で効果を出していくアプローチのほうが正解だったんです。

ーーここで少し、平田氏が解説してくれたCAC最適化の手法が参考になったので追記しておきたい。彼が言うには、成長フェーズに入ったSaaSでマーケティング効果、効率がよい手法はやはり既存客の評価なのだそうだ。例えばReproが今年1月に獲得した新規契約の4割はこういった口コミ経由になっている。当然のことながらここにかかるコストは大変低い。その上で、平田氏はここに至るステップを整理してくれた。

  1. そのサービスが「ARR10億円以上になるか」という視点でPMFを捉える(顧客数×単価でざっくり)
  2. 該当するサービスができたらまず、数十の顧客を獲得してチャーンレートの改善にチャレンジする(解約2%以下目安)
  3. 顧客満足度が高い(=解約が低い)状態を実現できたら、この満足度を拡散できるコミュニティをつくる
  4. 様々なマーケティング施策を試行錯誤してCACを最適化する

同時に平田氏は「2」のタイミングでオウンドメディアを通じて業界の人がまだ知らないような記事を発信し、専門家だというブランドを作ったり、「4」のタイミングでは施策別の売上貢献を定量的にモニタリングすることなどが重要と補足している。

インタビューに戻ろう。

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組織の問題も頭を悩ませる。100人の壁に代表されるハードルをどのように超えたのか。また採用については「地味」な印象のあるビジネスでどういったPR戦略を考えたのか

庵原:50名を超えるまで人事担当が空席だったので、社員のオンボーディングができてませんでした。今よりも離職率は高いのに、その一方でどんどんと採用する必要があってバランスが悪かった。人を増やすための攻めの採用と、従業員の満足度を増やす守りの人事、両輪で考えなければならないですね。

平田:少し視点は違いますが、Reproの場合はカスタマーサクセスが組織拡大に貢献してます。

というのも、現状のカスタマーサクセスはライトなコンサルティングも無償で提供しているんですが、ここがポイントで、顧客はツールが欲しいのではなく、ツールを活用したKPIの向上を求めています。なのでカスタマーサクセスのミッションとして、顧客がツールを使ってKPIを伸ばす体験をして頂くことを課しています。これを私たちはCCF(造語:Client CustomerSuccess Fit)と呼んでいます。

採用した人材がサービスを通じて顧客に最適化する、というイメージ

平田:優秀な人材が採用できた場合は必ずカスタマーサクセスに配属するんです。ベンチャーマインド旺盛なミドルに権限を委譲しつつ、、社長が完全にバックアップする。1年ほどでこの仕組み自体を最適化できました。

ヤプリは採用に関して具体的にどういった手法を取った

庵原:オーソドックスですが、wantedlyのブログ更新やSNSの活用、ミートアップ、社内紹介制度など打ち手をどんどん広げて言っています。全社員で採用広報に取り組むように奨励しています。採用になると全スタートアップからIT大手までが競合ですし、皆が資金調達しているため規模に関わらず優秀人材への争奪戦が激しいです。

現在も急ピッチで採用広報に力をいれています。一方で、業界的にSaaSが盛り上がってきているので、採用は数年前よりどんどん楽になっているという状況もあります。今後もそのトレンドが続くのではないでしょうか。

ありがとうございました。

いかがだっただろうか。彼ら創業者に共通した点があるとしたら「考え抜く」という姿勢ではないかなと思う。

これまでの取材を含め、振り返って2社とも創業からしばらくは伸び悩みの試行錯誤期があったように思う。しかし軸をぶらさず、信じるという行為を続けた結果、両社とも自然に「光明」のようなものを見いだすことができた。

取材者にとっても「ああ、このプロダクトはいいものだ」と思う瞬間でもある。

テンプレ的に教えてもらった経営戦略だけでない、製品に感じる「愛」のような定性的な表現は、実は顧客や社員、ステークホルダーに浸透する魔法のような役割をもたらしてくれる。今回、お二人が共有してくれたTipsはもちろんそれだけでも役に立つものだと思うが、個人的にはここに、彼らのプロダクトに対する真摯な姿勢も付け加えさせていただきたい。

アプリプラットフォーム「Yappli」運営がGMO TECHからO2O事業を譲受

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アプリ開発プラットフォーム「Yappli」を運営するヤプリは1月15日、GMO TECHが提供するアプリ作成プラットフォーム「GMOアップカプセルPRO」事業とアプリ制作CMS「GMOアップカプセル」事業の一部を譲受したことを発表した。譲受にかかる費用などの詳細は非公開。 2019年の3月1日から顧客の権利義務を同社が承継することになる。契約期間および利用料金に変更はない。 GMOアップカプセルお…

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事業譲受することになったGMOアップカプセルの事例

アプリ開発プラットフォーム「Yappli」を運営するヤプリは1月15日、GMO TECHが提供するアプリ作成プラットフォーム「GMOアップカプセルPRO」事業とアプリ制作CMS「GMOアップカプセル」事業の一部を譲受したことを発表した。譲受にかかる費用などの詳細は非公開。

2019年の3月1日から顧客の権利義務を同社が承継することになる。契約期間および利用料金に変更はない。

GMOアップカプセルおよび同PROサービスは、飲食店や美容院・ネイルサロン・宿泊施設・病院といったリアル店舗への集客を目的としたスマホアプリを簡単に作成できるもの。現在両サービス合計で4000店舗の施設に導入されており、アプリの累計ダウンロード数は500万ダウンロードを突破している。

一方、ヤプリが提供するのは、プログラミング不要を特徴とするSaaS型のアプリ開発プラットフォーム。導入実績は280社を超え、アプリ累計ダウンロード数2800万に到達した。主にマーケティング用途、特にアパレル業界での利用が進んでいる。

今回、飲食店や宿泊施設などに導入実績があったGMO TECHの一部事業を譲受することで、アパレルに加えて飲食や宿泊業界に対するサービスを強化して、Yappliプラットフォーム事業の成長を加速させていく。

via PR TIMES

アプリ運営プラットフォームのヤプリが6.7億円調達、導入社数は220社に拡大

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アプリ運営プラットフォーム「Yappli」を提供するヤプリは10月16日、グロービス・キャピタル・パートナーズをリードとする第三者割当増資を実施したと発表した。同投資ラウンドには新たに伊藤忠テクノロジーベンチャーズのほか、既存株主のYJキャピタルと個人投資家の川田尚吾氏も参加する。調達した資金はみずほ銀行等からの融資も含めて総額6億7000万円。発行株式の比率や融資金との割合、払込日など…

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ヤプリの導入実績・提供:ヤプリ
アプリ運営プラットフォーム「Yappli」を提供するヤプリは10月16日、グロービス・キャピタル・パートナーズをリードとする第三者割当増資を実施したと発表した。同投資ラウンドには新たに伊藤忠テクノロジーベンチャーズのほか、既存株主のYJキャピタルと個人投資家の川田尚吾氏も参加する。調達した資金はみずほ銀行等からの融資も含めて総額6億7000万円。発行株式の比率や融資金との割合、払込日などの詳細は非公開。

同社はこれまでにグロービス・キャピタル・パートナーズ、YJ キャピタル 、セールスフ ォース・ドットコム、川田尚吾氏らから3億6000万円を調達しており、今回のラウンドと合わせると累計増資額は10億3000万円になる。また、今回の調達に合わせ、元マナボCFO(最高財務責任者)の角田耕一氏が同社CFOに就任したことも公表している。

ヤプリの創業は2013年4月(当時の社名はファストメディア)。提供するアプリ開発・運用プラットフォームの「Yappli」は非プログラマでもウェブブラウザからiOS、Android向けのスマートデバイスアプリを制作、配信、運用できるツールで、これまでに220社の法人が導入している。導入した企業や個人の配信するアプリの総ダウンロード数は2017年4月時点で1000万ダウンロードを超えた。

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ヤプリの利用実績・提供:ヤプリ
制作したアプリは主に小売事業者のオムニチャネルのひとつとして活用されることが多く、同社の導入ユーザーの6割ほどを占める。利用者に対してはアプリ経由でECを利用したユーザーの分析や費用対効果などを検証できる解析機能や、アプリからのプッシュ通知やクーポン配信などをはじめとするマーケティングツールが提供される。今回調達した資金で同社はさらなるプラットフォームの機能強化を進めるとしている。