パーソナライズされた食事を作るキッチンロボット開発のKarakuri、シードラウンドで700万英ポンド(約1億円)を調達

by Paul Sawers Paul Sawers on 2019.5.15

Karakuri 設立者らとロボット「Marley」

設立間もないロボティクススタートアップの Karakuri は、機械学習と光学、センサーを組み合わせて、業務用キッチンで材料を調合して正確な量を測るプロセスを自動化する技術を開発している。同社は、イギリスのスーパーマーケット大手 Ocado がリードするシードラウンドで700万ポンド(約1億円)を調達した。他にも Hoxton Ventures、Firstminute Capital、Taylor Brothers がこのラウンドに参加している。

ロンドンに拠点を置く Karakuri は Founders Factory の支援によって設立された。Founders Factory は投資家とスタートアップの橋渡しをして、製品の検証や市場分析、流通などをサポートするインキュベータである。

Karakuri には現在2つのロボットがある。1つはカスタマイズ可能で処理能力が高い DK-One というマシンで、個人の好みに合わせた調理、分量調整の管理、大規模な食品の調合が可能だとしている。

Karakuri: DK-One

食事

美容や健康、アレルギーなどの理由により何かしらの形で食事が制限されている人は何百万人もいる。実際、成人の約4%が何らかの食物アレルギーを持っている。Karakuri の目標の1つは業務用キッチンで食事の準備に関するプロセスを自動化することである。自動化によって仕込み時間を短縮するとともに、ヒューマンエラーをなくすことができる。

Karakuri の CEO 兼共同設立者の Barney Wragg 氏は次のように語った。

消費者の食習慣は自宅の中でも外でも急速に変化しており、特定の食事要件に合わせたより健康的な選択肢への要求も高まってきています。メニューへの個別対応を求められることが増えたことで、レストランやカフェ、その他の食品小売店には重圧がのしかかっています。これまでいずれの業者も大量生産される食事に依存することで利益を維持してきました。ロボティクスと機械学習を使ったKarakuriのシステムでは、既存のレストランや小売店、業務用キッチンで、それぞれに合わせたきめ細やかな対応が可能になります。

Wragg 氏によると、自動化によってレストランは食品廃棄物や包装、配送コストを最小限に抑えられるという。これらが結果的に企業の純利益に大きな影響を及ぼし、言うまでもなく環境にも良い影響がある。

これはあらゆるテクノロジー分野で見られるトレンドで、数え切れないほどのスタートアップが大金を調達して企業の無駄を削減するサポートを行っている。数か月前、VentureBeat はロンドンに拠点を置くもう1つのスタートアップ Winnow に関する記事を掲載した。同社はコンピュータービジョンと機械学習を使ってキッチンの食品廃棄物を削減するためのサポートを行っている。他にも自動化で飲食サービス業界に参入している企業の例は数多くある。マウンテンビューに拠点を置く Zume Pizza はピザの調理プロセス全体にロボットが深く関わるキッチンを運営している

Karakuri が狙っているのは業務用キッチンだけではない。このキッチンのロボティクスは材料の正確な測定を必要とする様々な用途にカスタマイズできるが、同社は Marley という低コストなロボットの販売も予定している。このロボットはより小規模な食品製造業者向けに設計されており、キャンディーの重さを測ったり、アイスクリームを作ったり、カクテルを注いだりといった「これまでにない使い方」ができる。

Karakuri: Marley

今回のシードラウンドは注目に値する。ロボティクスと自動化を活用し、株式公開しているイギリスの食品販売大手 Ocado が投資した1社目のテクノロジースタートアップだからだ。Ocado は過去に、コンピュータービジョンを使って特定の商品を最適な形で掴めるピッキング・包装用ロボットを開発している。また、同社の顧客フルフィルメントセンターでは配送用にコンベアや自動化されたクレーン、「人のところまで荷物を持って来るシステム」、および製品の出荷準備をしてくれるロボットが配置されている。

Ocado の CEO である Tim Steiner 氏は次のように付け加えた。

当社の Karakuri への投資は中食の仕込みを一変させる可能性があります。また優れたイノベーションによって当社のお客様だけでなくパートナーの皆さんにもメリットがもたらされることになります。

Karakuri によると、新たに投入された資金は特許などテクノロジーの開発や、国外への事業拡張に向けたチームの拡大へも使われる予定。そして今、Ocado が出資したことで、Karakuri のロボットテクノロジーは同社のスーパーマーケット、特に Ocado Zoom というデリバリーサービスの一環として活用されると見込まれている。さらに、Ocado によると、Karakuri のロボットを年内にも自社の社員食堂に配備する計画であるという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------