
Image credit: Cocktailmake
動画広告生成 SaaS「RICHKA(リチカ)」を運営するカクテルメイクは14日、シリーズ A ラウンドで2.1億円を調達したことを明らかにした。NOW がこのラウンドのリードインベスターを務め、みずほキャピタル、新生企業投資、ドリームインキュベータ、マネックスベンチャーズ、FFG ベンチャービジネスパートナーズが参加した。
カクテルメイクにとっては、2018年9月に実施したシードラウンドでの5,000万円の調達に続くもの。NOW は前回シードラウンドに続くフォローオンでの投資参加となる。カクテルメイクでは、RICHKA のサービス拡充、ブランディングや企業提携の強化などに着手する。また、人材確保の強化に備え、現在、東京・駒場にある本社オフィスを代々木に移転する。
RICHKA がβローンチしたのは2017年7月、当初はメディア向けのニュース動画作成ツールという位置付けだった。当時は動画を使った分散型メディア全盛だったのだが、ソーシャルネットワークのアルゴリズムが変化するに連れ、制作→コンバージョンの費用対効果が下がりトーンダウン。カクテルメイクでは、Facebook のインフィード広告などダイレクトレスポンス系の動画広告に対象顧客をシフトしたところ、この読みが当たって、現在では累計200社程度が RICHKA を採用しているという。

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RICHCA のユーザの多くは、ダイレクトレスポンス系の商材を自ら販売する事業会社や、彼らを顧客に抱えるデジタル系の広告代理店などだ。従来のように動画制作を外注するとコストが合わなくなる中、広告代理店の営業担当者が RICHKA を使って簡単に動画広告を制作し、顧客のオーケーを得て出稿に至るケースが増えているのだそうだ。RICHKA の動画広告フレームワーク「AIBAC」には、約100名ほどのクリエイターが、月に100〜150程度のテンプレートを追加している。ユーザはこれらテンプレートを使って、動画広告を簡単に作れるわけだ。
累計で10万件程度の動画が作られてきたので、どういう動画がパフォーマンスを取れるか、ということもわかるようになってきた。(カクテルメイク代表取締役の松尾幸治氏)
動画広告では、注意喚起 → 興味・関心を惹く → 商品の特徴を伝える → ユーザ利益を伝える → 行動喚起 という基本フォーマットはだいたい決まっている。しかし、広告代理店の担当者も制作のプロではないため、思いのほか自らは動画が作れなかったところへ、RICHKA の登場は非常に重宝されているのだとか。カクテルメイクでは今後、CMO の毛利直矢氏を中心に定期的にセミナーを開催するなど、カスタマーサクセスのための活動にも力を入れていく。
クラウドで簡単に動画が生成できるサービスの競合としては、Open8 の「VIDEO BRAIN」、台湾 GilaCloud(集雅科技)の「GliaStudio」などが思いつく。カクテルメイクでは、ダイレクトレスポンス系の動画制作ニーズに特化、シェア拡大に注力する。
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