
モビリティスタートアップに特化した新しい投資ビークルが、初となる4,200万米ドルの投資ファンドをクローズした。
イスラエルで2016年にローンチされた Maniv Mobility は既存の同族投資企業からのスピンオフ企業で、今回のクローズ時の金額は当初目標の2倍以上だったとコメントした。同ファンドによると、昨年にジャガーランドローバーによりローンチされた独立系ベンチャーの InMotion Ventures など著名な投資家からの資金提供も受けたという。InMotion はすでにLyftなど複数の自動車関連企業に直接投資をしており、Lyftは自動運転車パートナーシップの一環として2,500万米ドルの資金を調達している。
Maniv Mobility のファンドに参加したのは他にも、エクイティクラウドファンディングプラットフォームの OurCrowd や自動車部品サプライヤー大手 Valeo などがいる。
Maniv Mobility が主に注力しているのは、イスラエルや米国拠点のシードステージおよびシリーズAステージにあるスタートアップだ。
これまでのストーリー
このファンドはすでに少数ながら投資を行っている。投資先には、アプリと何百万台ものコネクテッドカーをつなぐ手助けをしているイスラエルのスタートアップ Otonomo などがある。
ここで留意するのに値することとして、Maniv Mobility の投資先は自動車業界が中心的ではあるものの、実際に注力しているのはもっと広い意味での「モビリティ」で、高齢者に寄り添うロボットを製作する企業 Intuition Robotics などにも投資をしてきた。
イスラエルは、急成長する自動車テック業界の先頭に躍り出た。そしてそのポジションは今年、Intel が150億米ドル以上の金額を自律走行車に特化しているイスラエルのコンピュータビジョン企業 Mobileye に投資したことで認められる形となった。
InMotion Ventures のマネージングディレクター Sebastian Peck 氏はこう話している。
いくつかの非常に有望な企業がイスラエルで誕生しています。そのため、ここでリーチを拡大しておくことは重要な目標になるのです。InMotion の使命は、世界中で最高のモビリティスタートアップを支援することです。そして Maniv との今回の提携はその重要な一部となるでしょう。
数週間前には、メンロパークに拠点を構える Autotech Ventures が、大手自動車企業とスタートアップをつなぐために初となる1億2,000万米ドルの投資ファンドをクローズしている。
Autotech Ventures のケースと同じく、Maniv Mobility も新旧ビジネス世界の秩序の間にある大きなギャップを埋めるために設立され、既存の大手自動車企業と、スケールするためのリソースを必要としている新興スタートアップをつないでいる。
Maniv Mobility の設立者 Michael Granoff 氏は次のように述べている。
ガソリンから電気への移行は、これ自体重要なステップですが、いつか歴史的な一歩とみられる日が来ると私は感じています。輸送業界において来たるべき時代の真のテーマは、手動による自動車から自動運転車への移行です。自動運転車は電動になるでしょう。ガソリンの時代は終わり、車が大気を綺麗にしてくれるのです。
しかし、このような自動運転車はそれ以上のことももたらしてくれるでしょう。事故が回避されることで生命と時間が守られるほか、若者、高齢者、身体の弱い人にまでモビリティを広げ、使われていない自動車から貴重な不動産を取り戻すことができるのです。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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