福岡市、スタートアップ支援で会社登記の実質完全無料化を発表

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福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」
Image credit: Masanori Hashimoto

福岡市は24日、スタートアップ支援の一環で「福岡市新規創業促進補助金」を創設したことを明らかにした。株式会社設立時に75,000円、または、合同・合名・合資会社設立時に30,000円必要となる登録免許税を補助することで、創業者の実質的負担額を無料にする。なお、会社設立に必要な定款作成や登記申請については、福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」内のスタートアップカフェで行政書士や司法書士が無料でアドバイスに応じる。

この支援制度は、創業者が創業に必要な4つの知識(経営、財務、販路拡大、人材育成)について約1ヶ月かけて学ぶことで、登録免許税の軽減などが受けられる特定創業支援等事業を活用したもの。特定創業支援等事業では創業者が前出の登録免許税の半額軽減を受けられるが、福岡市が残りの半額をさらに補助することで実質負担額の完全無料化を実現した。募集期間は今年9月25日から来年3月31日まで。

また、福岡市は同日、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫が提供する資本性劣後ローンに対し、実質的に貸付利率の引き下げとなる利子補給事業の開始も発表している。

福岡市によれば、コロナ禍で Fukuoka Growth Next のイベントやスタートアップカフェでの創業相談がオンライン化され、創業相談の数が以前よりも4割増えた。「コロナをきっかけに、これまで温めていた Web プラットフォームサービスを事業化したい」「コロナで大学に行けないのでアプリ作りにチャレンジしたい」など、時世を反映した相談が多数寄せられるようになったという。この難局を勝機に転じるべく、起業家を後押ししようというのが福岡市の狙いだ。

竹内啓人氏

九州大学大学院システム生命学府に在籍し、九州大学起業部のメンバーでもある竹内啓人氏は、今回の支援制度を活用して会社設立する起業家の一人だ。仲間ら3人で脳波計を使った注意や集中の改善トレーニング事業を計画しており、前出の特定創業支援等事業を修了したところだ。現在は被験者からフィードバックをもらいつつ実証実験を重ねているフェーズにあり、今回、支援制度を活用して会社設立する意味を次のように語ってくれた。

現在は検証フェーズなので、今すぐに大きなお金が必要というフェーズではない。ただ、いろんな方に協力してもらって事業を動かし始めているので、自分たちで明確に責任を取れるようにする、という意味でも会社は必要だった。覚悟を決めてスタートしたい、というところもある。(中略)

脳科学という分野に特化しているので、すごくスケールするビジネスになるかというと難しいかもしれない。しかし、ビジネスコンテストへの出場を通じて、B 向けサービスにするとよいのではないか、など意見をもらっており、企業と組んで事業を進める機会は増えると思う。このタイミングで会社設立する意義は大きい。

新型コロナウイルスの感染拡大後、福岡市では、Withコロナ、アフターコロナを見据えたスタートアップ周辺の動きが活発化している。7月には、新型コロナがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」採択7プロジェクトを発表。先週には、シェアサイクル「Charichari」とシェア電動キックボード「mobby」が提携し、福岡市でモビリティ事業を共同で推進することが明らかにされた。