シェアサイクル「Charichari」とシェア電動キックボード「mobby」が提携、福岡市でモビリティ事業を共同で推進

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左から:mobby ride 代表取締役の日向諒氏、neuet 代表取締役の家本賢太郎氏
Image credit: mobby ride / neuet

<21日17時更新> マイクロモビリティ推進協議会に glafit は参加していないことが判明したため該当箇所削除。

シェアサイクルサービス「Charichari(チャリチャリ)」を提供する neuet と電動キックボードのシェアリングサービス「mobby(モビー)」を提供する mobby ride は18日福岡市内で記者会見を行い、福岡市を中心に共同でシェアリングモビリティ事業を推進するため提携すると発表した。福岡スマートシェアサイクル事業者である Charichari と福岡市実証実験フルサポート事業の認定を受けた mobby が手を組むことで、営業展開を効率化し、消費者に対しモビリティの選択肢を増やす。長期的にはサービスの統合も目指す。

Charichari は、福岡市内を中心に自転車を使ったシェアサイクルサービスを行うスタートアップ。Charichari の前身は、メルカリ(東証:4385)が子会社ソウゾウ(2019年6月に解散)を通じて福岡市内で展開していた「メルチャリ」だが、事業撤退に伴いクララオンラインとメルカリが手を組み、メルカリから新設分割された neuet が経営を引き継いだ名古屋市内東京23区の東部でもサービスを開始し、今週には、福岡市内のセブンイレブン店舗にドック(ポート)を開設することも明らかにされた。

mobby ride は、シェア型の電動キックボードを使ったモビリティ事業を B2B(大学キャンパスや建設現場など)、B2B2C(テーマパークや公園)、B2C(公道で使うもの)で展開。一般的な電動キックボードは道交法上、原動機付け自転車と同じ扱いになるため、車道の走行やヘルメットの着用などが求められるが、10月中には警察庁の特例措置(認定事業者の車体のみ、自転車専用通行帯の走行が可能)により福岡市内で公道実証を実施する予定だ。

記者会見に臨む日向氏と家本氏
Image credit: Masaru Ikeda

福岡市で初めて、そして、おそらく日本でも初めてバイクシェアリングが登場したのは、3年前の Mobike(摩拜単車)が日本市場に参入したときのことだ。Mobike はその後、札幌市内でサービスを展開していたが、昨年、中国国外の海外事業をすべてシャットダウン。中国の O2O 大手 Meituan-Dianping(美団-点評)の買収により、中国国内でもサービス名は Meituan Bike(美団単車)に変更された(自転車のカラーは黄色)。福岡で赤い自転車と言えば、かつての Mobike から Charichari になりつつある。

Mobike の日本市場からの撤退は中国本社の財務基盤弱体化が主因だが、日本でサービス展開が難航した理由の一つは、放置自転車問題を防ぐ観点からドック開設を前提とする日本の環境要件が作用している。クララオンラインは neuet に関わる前の2017年から、バイクシェアリングに特化した調査研究事業「ShareBike Labo」や、自転車投資事業などを通じて布石を打ってきた。地元事業者との連携でドック設置箇所の確保を早期展開できたことが功を奏し、すでに累積利用回数275万回を突破した。

mobby は AnyPay のシェアモビリティ事業として昨年6月にローンチ。福岡市の実証実験フルサポート事業に採択されているのに加え、神戸市が主催するスタートアップ提案型実証実験事業「Urban Innovation KOBE+P」にも採択されている。日本国内では、mobby ride のほか、LUUP、mymerit、glafit、Lime らがマイクロモビリティ推進協議会に加わり、政府に対する規制緩和へ向けた働きかけやサンドボックスを活用して実証実験を各地で展開している。

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