
Image credit: WM Motor(威馬)
2019年9月に成都で開催されたイベントで、WM Motor(威馬)が展示した第1号SUV「EX5」のアップデートモデル<br>Image credit: WM Motor(威馬)
中国の EV メーカーの WM Motor(威馬)は、100億人民元(約1,550億円)相当の シリーズ D ラウンドを完了したと発表した。中国の EV メーカーとしては、史上最大の調達ラウンドとなる。
重要視すべき理由:この調達は、中国最大の自動車メーカー SAIC(上海汽車)を含め、上海市政府が所有する資本ファンドのグループが共同で実施した。これにより、WM Motor の総資金調達額は330億人民元(約5,100億円)を超えた。
- 今回の調達は、同じく EV メーカーである Nio(蔚来)、Xpeng Motors(小鵬)、Leading Ideal(理想汽車)がアメリカの株式市場に上場する前に150億人民元から200億人民元(約2,300億円〜約3,100億円)調達したのを上回るものだ。
- ドイツ銀行のアナリストによると、WM Motor は「Fab Four」と呼ばれる企業の中で唯一の自動車メーカーでもあり、Tesla に対抗する中国の有望なEVメーカーである。
詳細情報:上海政府系ファンドと国営の SAIC のほか、インターネット大手 Baidu(百度)、SIG Asia Investments(海納亜洲創投)、湖北省、江蘇省、安徽省など地方政府が所有する多数の会社が投資家として参加していると、WM Motorは22日発表した。
- 同社は更新された時価総額を開示しなかった。WM Motor は2019年3月、Baidu(百度)がリードしたシリーズ C ラウンドを50億米ドル調達しクローズした。この際の時価総額は50億米ドルだった。
- 新型コロナウイルスの感染拡大が、同社の資金調達ラウンドを遅らせていた。WM Motor の最高戦略責任者 Rupert Mitchell 氏は11月、同社が半年間で最大10億米ドルを資金調達する計画であるとを明らかにしていた。
- 上海に拠点を置く WM Motor は、調達した資金をは車両知能技術の開発スピードアップ、販売チャネルの拡大、ブランド強化に充てるとしている。
- フォルクスワーゲンの中国における製造パートナーである SAIC が EV スタートアップに出資するのは初めてのこと。今月初めに中国メディアが報じたところによると、SAIC はこのラウンドに5億人民元(約77.4億円)を投じたとされている。
背景:ボルボ中国の前会長 Freeman Shen 氏が2015年に設立した WM Motor は、2019年に最初の生産モデルである「EX5」を16,876台納入した。EX5 はエントリーレベルのクロスオーバーで、価格は14万6,800元(約227万円)から。一方、Nio は2019年に2万565台を納車した。
- WM Motor は、投資銀行の CSC(中信建投証券)を引受人に、2021年初頭に上海の NASDAQ 型のテック株特化市場「STAR Market(科創板)」への上場申請を計画していると報じられている。
- 創業から5年を迎える WM Motor は9月、レベル4 駐車機能を搭載した新型車を2021年に発売する計画を明らかにしている。Society of Automotive Engineers(中国汽車工程学会)によると、これは一定の人による監視のもと駐車ができる機能だ。
- 計画によると、この車には Qualcomm のコックピットチップセットが搭載され、Baidu(百度)の自動運転アルゴリズムが組み込まれているという。
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