【EC化するコンビニ】30分配達「goPuff」は次のセブンイレブンになれるか(3/3)

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Image Credit:goPuff

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。

(前回からのつづき)

データ軸:goPuffは独自予測アルゴリズムを開発しており、各拠点の在庫レベルを常に把握しているため、在庫切れや代替品の必要性のリスクを軽減しています。配達員の移動速度や地域性、悪天候などの変数に基づいて配送システムを調整しているそうです。

加えて、例えば学生の顧客がどこから注文しているか(寮の部屋、図書館、パーティーなど)、何時に注文しているか、どのような種類の製品を注文しているかまで把握し、それに応じてマーケティングプランを調整できるようにしています。同社は今のところデータを販売する予定はないと言いますが、Amazonなども手を出せていない膨大な独自の価値を持っており、物流とマーケティング、両方に寄与するデータを保有することで垂直統合型の配達サービスを確立しています。

簡単に5つの戦略を紹介しましたが、今回の大型調達の後押しになったのは新規ユーザー層へアプローチできたことにありそうです。同社のパンデミック関連のレポートによると、「週に1回以上注文する顧客数は90%近くの増加、注文金額は55%増加(2019年3月比)」したとあります。

成長要因となったのが、これまであまり需要のなかった料理および美容商品の販売売上増加にあります。在宅時間が増え、DIYの機会が増えると同時に新しいカテゴリー需要が発生。こうしたトレンドを見逃さずに先述した予測アルゴリズムに組み込み、的確な量の在庫を揃えることで対応できたのがgoPuffです。

さらに、若者世代だけでなく高齢ユーザーの流入も確認されたといいます。「新規顧客の注文額は、週7日のうち5日で既存のgoPuff顧客の注文額を上回った」とあることから、可処分所得の多い年齢層の高いユーザーがお金を多く落としていると言います。パンデミックの影響でgoPuffのCACが下がり、自然流入で顧客数を増やせています。こうした新需要に迅速に応える体制がgoPuffの魅力となっていると考えられます。

今後、膨大なデータを基に自社ブランド商品を販売することでさらなる利益率向上も狙えるかもしれません。特に消費財はブランド力が差別化要因にならないため、goPuffブランドでも十分に購入されるチャンスがあります。伸び代の高い事業モデルは次なるセブンイレブンの座を射止める可能性も踏めているでしょう。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した