【EC化するコンビニ】30分配達「goPuff」の戦略とは(2/3)

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Image Credit:goPuff

(前回からのつづき)goPuffのパフォーマンスは高く、新店舗領域を立ち上げると平均5.5カ月で損益分岐点を超えるそうです。これはコンビニ利用者の50%超を占めるミレニアルおよびZ世代の需要を汲み取ってることが要因となっています。それでは具体的にどのような戦略を打っているのでしょうか。5つ簡単にご紹介します。

製品軸:まず最初に挙げられるのが、衝動買い需要を抑えた製品ラインナップです。例えば深夜の間食や、大事な物資を切らしてしまった時など、すぐに満たしたいニーズがあります。また、生理品やピルを含む対面でもらうには恥ずかしい一方、緊急性を要する商品需要も挙げられます。Amazonプライムの配達では2日もかかるので待てないといった消費者心理を突くべく、商品ラインナップも必要性に駆られる物を中心に揃えています。

価格軸:競合他社がダイナミック・プライシングに基づき、時間帯によって配達料金を変えています。これは収益を配達料金に頼っているため、固定価格でのサービス提供ができないデメリットを抱えているからです。一方のgoPuffは配達料で稼ぐことはせず、商品販売マージンを収益源に据えることで低価格の配達料金設定を実現できています。

goPuff はサービス提供する都市において、在庫保管するために地元の倉庫施設を所有しています。注文は倉庫から直接顧客に届くため、物流の手間が省けます。パートナー企業から商品をピックアップして配達するプロセスは経ていません。物理的な流通センターを所有しているため、サプライヤーから卸売価格で製品在庫を一括購入できます。これにより、価格が低く抑えられ、利益を得るために配送料に頼る必要がなくなる仕組みです。顧客にとっては毎回配達コストを考える手間が省け、UXとしても洗練されたものとなります。

非競合軸6,478億ドルが米国のコンビニ販売高と紹介しましたが、その内3,959億ドルが燃料販売なのだそうです。ただ、利益率は比較的低く、コンビニ全体の利益額の38%しか占めません。一方の食品販売は利益率が高いのですが、フード配達となるとUberEatsを筆頭とする大手プレイヤーを敵に回す必要が出てきます。そこでgoPuffは生鮮食料品やレストランの出来立て料理の配達にウェイトを置いていません。販売するとしても長期保存可能な冷凍食品やスナック菓子がメインです。利益率の高いカテゴリーの中でも、競合を持たない戦略が功を奏しています。(次につづく)

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した