代替肉・Impossible Foodsの挑戦:「最も破壊的な哺乳類は牛」代替牛乳も試作(2/3)

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Impossible Foodsは畜産こそが地球温暖化の要因と語る ・Image Credit: Impossible Foods

(前回からのつづき)今朝のパネルでBrown氏は「我々は見かけ上は食品会社です。しかし内部では、Impossible Foodsが人類史上最も重要な科学的プロジェクトだと考えています。環境破壊から地球を救う唯一の方法は、新しい食のプラットフォームを作ることなのです」と語りかける。

Lee氏は同社ができる最大のリターンは研究開発にあるとし、ブラウン氏によると同社は牛乳以外にも、植物版の鶏肉や魚にも取り組んでいるという。

Impossible Investigatorプログラムではあらゆるキャリアステージの科学者に対し、Impossibleのミッションの範囲内で新たな研究プログラムを構想することも求めている。植物由来の牛乳やステーキ、魚の最適化を加速させる短期的な戦略から、植物性タンパク質やその他の素材のサプライチェーンを大幅に改善する長期的なアイデアまで、どんなことでも構わない。

Impossible Investigatorsでは、生命科学、物理科学、工学などのバックグラウンド、データアナリスト、神経生物学者、実験心理学者、食べ物に対する感覚知覚やヘドニック心理学的な知見を持っている人まで幅広い人を求める。

「このプロジェクトが与える影響に比べれば、他のどんなこともバケツの中の一滴に過ぎないということを伝えたいのです。食糧が抱えているものについて多くの人々が混乱し、困惑しています」とBrown氏は語る。

Impossible FoodsのCEO、Pat Brown氏・Image Credit: Impossible Foods

筆者は牛肉の味がするのに植物由来のImpossible Burgerを定期的に食べるようになった。毎週の習慣になっていて、週末はマクドナルドのフライドポテトと一緒にImpossible Burgerを食べた。そう、牛肉が恋しくないのだ。今はまだ高いがBrown氏によればそれは時間と共にに変わるだろうとしている。今年の初めに同社は15%の値下げを実施し、数年後の価格は動物性のものを下回ると予測している。

今年初め、同社は同じく植物から作られた「Impossible Sausage」を発売している。香港では数千店のレストランと200店舗で販売されているものだ。

消費者調査会社のNumeratorのデータによると、Impossible Burgerの売上の大部分は動物由来の肉に食い込んできている。Impossibleには250以上の特許があり、出願中の特許もある。昨年、同社は利用可能なインターンシップに3,000件の応募があったと、チーフ・コミュニケーション・オフィサーのRachel Konrad氏は述べている。

今日のイベントの中で、同社はどうすれば植物性ミルクをフォーム・ミルクに変化させ、朝のコーヒーに入れることができるのかを示していた。この牛乳は試作品の状態だ。Brown氏によると、最も破壊的な哺乳類は牛であり、その数は世界中で約17億頭に上るという。放牧や汚染物質を排出することを考えると食料生産の効率が悪い。味の悪い豆乳ではなく牛乳に代わることは非常に重要であると語っていた。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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