Open Network Labが第21期プログラムのデモデイを開催、歯科矯正D2Cの「Oh my teeth」が最優秀賞を獲得

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Image credit: Open Network Lab

Open Network Lab は20日、Seed Accelerator Program 第21期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計180チームのエントリがあり、うち6チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。

新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。デモデイの最後には、主要メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票でチームを表彰した。

デモデイでは、以下の審査員6名による審査をもとにチームが表彰された。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループCEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • 上原健嗣氏(DG インキュベーション マネージングディレクター)
  • 佐々木智也氏(デジタルガレージ執行役員)
  • 松田信之氏(デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部部長)

第21期に採択され、デモデイに登壇したスタートアップは次の通り。

【Best Team Award】【Audience Award】Oh my teeth by Oh my teeth

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Oh my teeth」は、マウスピースを使った D2C 型の歯科矯正サービスだ。従来の歯科矯正ではワイヤーを使ったものが主流で、価格も高く、定期的に矯正歯科に診療に通う必要があった。Oh my teeth では、初回の歯形スキャンの際にのみ患者に来院してもらい、以降は矯正キットが患者の元に届き、LINE を通じてオンライン診療でサポート。中間マージンをカットしたことで、費用は従来の方法の約3分の1で済むという。

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2019年12月のローンチから約10ヶ月を経て、売上は当初の50倍の1,500万円に到達。9月には、インビザライン審美歯科ドクターの伊藤剛秀氏が CDO(Chief Dental Officer)に就任し、Oh my teeth が集客したユーザに対して矯正プランをオファーできる矯正歯科医向け集客チャネル「Oh my teeth Network」をローンチ。今月末には、受付可能なキャパシティを拡大し、認知度向上を目的に表参道に旗艦店をオープンさせる予定だ。

この分野では、「hanaravi 矯正」を運営する DRIPS が6月、ニッセイ・キャピタルから6,100万円を調達している

Asovivit by RambleOn

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以前、「Okinawa Startup Program 2017-2018」や「Orange Fab Asia Fall 2017 Season」の記事でも紹介した RambleOn だが、現在は、「Asovivit」 という子供向けのエンタメアプリを開発しているようだ。このアプリでは、ワクワクさん(久保田雅人氏)をはじめ、Asovista というパフォーマーがオンラインで、能動的かつ創造的に遊ぶことができるプログラムを提供してくれる。

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親は本来、子供が遊ぶ時間も学ぶ機会としたいが、そのためには工夫や道具が必要になるため、テレビや YouTube といった受動的に視聴するコンテンツに頼りがちになる。Asovivit では、コンテンツを作る造形作家、パフォーマー、それに彼らにアドバイスする教育コンテンツやパフォーマンスの指導者らを集め、子供が主体的に参加してもらうノウハウを使って独自コンテンツを開発する。リリース後4週間で500名以上が有料参加した。

parnovi by parnovi

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日本には犬や猫を飼う人が約3,000万人いるが、調査によれば、その約7割が健康やしつけに悩みを持っているという。特に飼っているペットに合ったフードが見つからないことに不満を持つ飼い主は少なくなく、近所に散歩仲間がいない、レビューサイトを見ても投稿された情報の信憑性が低い、獣医はペットの病気には詳しいが健康な時に口にするフードについてはそうとは限らないなど、役に立つ情報源が乏しいのが現状だ。

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parnovi(パルノビ)」は犬に特化した、ペット関連商品や店舗のソーシャルコマースアプリ。ユーザは自分の犬と行った場所、おすすめのドッグフードなどの情報を投稿できる。同じ犬種を飼っていたり、同じ悩みやこだわりを持っていたりするなど、共通点のある飼い主を容易に発見し、投稿された商品の使用感を参考にしたり、コミュニケーションをとったりすることができる。飼い主は無料で利用でき、ペット関連商品やペットショップからの手数料などでマネタイズする。

oVice by Nimaru Technology

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現在、日本企業の90%はテレワークを導入しているが、Slack、Teams、Zoom といったツールで社員同士がやりとしていても、そのうちの75%はコミュニケーションが不足していると答えている。その背景には、会議、商談、営業報告といった目的意識のあるコミュニケーションは従来ツールを使って実施できているものの、リアルでの立ち話、喫煙所での会話、世間話に相当する偶発的なコミュニケーションをオンラインでは体験として提供しにくいからだ。

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oVice」はリアルのような空間をオンライン上に開設し偶発的なコミュニケーションを支援。ユーザはこの空間を動き回るルことができ、誰かに近づくとその人の声が大きく聞こえ、遠ざかると聞こえなくなる体験を得られる。面白い話が聞こえたら飛び入り参加することもでき、周りに聞かれたくない話は個室に移動し会話を続けたりすることも可能。エン・ジャパンの仮想オフィスのほか、広島市立大学の仮想キャンパスやテレビ東京のイベントにも採用された。リリースから1ヶ月で MRR 100万円を達成した。

この分野では、ロサンゼルス郊外に本拠を置くスタートアップが作った Remo のほか、今月初めにローンチしたエリンギ、spatial.chat などが競合になるとみられる。

theLetter by OutNow

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theLetter」は、書くスキルを持った個人が、自分だけの情報発信の場を得られるサービスだ。これまでにも、note、MAGMAG、DMM オンラインサロンなど自身のコンテンツを公開できるプラットフォームは存在したが、ユーザを集め、料金を払ってもらえる購読者を増やし成功しているケースは稀。なぜなら、各スキルを持っている人がマーケティングノウハウを持っているとは限らず、またファンエンゲージメントを適切に行う手段が提供されていないからだ。

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theLetter では、個人が書いたコンテンツを、読者が 認知 → 訪問 → 定期ファン化 → 月額課金ユーザと進んでいく一連のプロセスを支援する。認知→訪問の誘導には、プロモーションノウハウを公開しライターコミュニティで共有・相談。訪問→定期ファン化・月額課金ユーザへの誘導には、Web 公開と並行してファンに送信されたニューズレターの開封率から、コンバージョンの可能性の高いユーザを推測し特別な文章を差し込むことが可能。ライター9名が参加し、最新の購読登録者数は週次で120%成長しているという。

アメリカの同業 Substack は昨年、Andreessen Horowitz らから1,530万米ドルを調達している

Sporra by Sporra

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Sporra」は、サイクリングに出かける仲間を募れるマッチングプラットフォームだ。安全かつ素晴らしい景色を楽しめるルートを提案してくれる。既存のルートアプリでは、初級者や中級者のサイクリストは楽しんで継続できない。同じような運動レベルのある者同士がチームを組まないと、誰かが置いてけぼりを食ったり、先を進む人はストレスを感じたりするからだ。

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SPorra は、同じ運動レベルで作リストをマッチングする点で、既存の STRAVA や CONNECT などと差別化。また、メッセージング機能と、ユーザ投稿による信頼できる最適なルート情報の共有で初級者や中級者でもサイクリングを楽しめるようにする。ゲーミフィケーションによるユーザが楽しみやすい工夫も備える。B2C 及び B2B でマネタイズし、将来は、サイクリング意外にスキー、ランニング、ハイキングといった、ルート情報が必要かつ仲間で楽しむスポーツに拡大する計画だ。


Open Network Lab プログラムディレクターの佐藤直紀氏によれば、今回の第21期の修了を受け、Open Network Lab は通算で124組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第20期までの輩出スタートアップの、次期資金調達達成率は58.2%、イグジット率は12.6%に達しているとのことだ。

第21期デモデイの開催とともに、第22期への応募受付が開始された。第22期への申込締切は、11月27日の正午となっている。